北海道の交通関係

町が負担しなければならないもの、負担したくないもの

2018/11/30

北海道新聞 2018年11月30日
日高線復旧「地元負担の考えない」 新ひだか町長明言
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/253173
日高管内新ひだか町の大野克之町長は29日の町議会全員協議会で、鵡川―日高門別間(20・8キロ)の復旧案について「(財政的な)負担をする考えはない」と明言した。
同区間の復旧の可能性を模索する沿線7町長の中で、財政負担について公の場で言及したのは初めて。
大野町長は同区間が復旧しても運行本数が少ないとして、「バス転換の方が利便性の向上につながる」と述べた。


鵡川-日高門別が復旧しても直接的な恩恵が無い新ひだか町が負担を拒否するのはある程度想定できます。現実的に日高門別までの復旧があっても、新ひだか町が利用するのはせいぜい直通の高速バスだけ。苫小牧までの利用は無料の日高道を経由してクルマで行くのが最も効率的と思っている以上鉄道復旧に費用を出せないとするのはある意味当然です。

とはいえ、自分達が使わないから拠出しないというわけにいかないものもあります。たとえば医療面です。新ひだか町の住民がまず使うことが無い浦河赤十字病院の負担金を新ひだかは拠出しています。(これは看護学校などの支援金という意味もある)

何度か書いていますが、日高管内が今後他の地域から観光客を呼ぶなりするときに鵡川止まりの路線か日高門別という「日高」管内まで来ている路線かで大きく印象は変わるとも思うわけです。また、そういう意味で鉄道やバスによる観光需要に応える路線再編などもしなければなりませんし、域内住民の利便の向上、通学、通院等必要な足の確保は優先順位の高いものだと思います。ただ、新ひだかにとってそれが「鉄道」である必要はないということです。

そして毎度な北海道新聞の社説。

北海道新聞 2018年11月20日
(社説)日高線一部廃止 重い決断、対策で応えよ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/249840
 今夏には国も原則バス転換を求め、鉄路再開の余地はさらに狭まった。外堀を埋められた形の沿線自治体にとって、廃止への同意は苦渋の決断にほかならない。
 JRは重く受け止め、地元へ丁寧な説明を尽くし、納得できるような対策を示すべきだ。
 復旧への努力もないまま被災箇所が放置されてきたのも事実だ。地元から、自然災害を口実に、不採算路線を切り捨てる不誠実な対応と批判されても仕方あるまい。
 こうした経緯を振り返り、JRは、沿線住民の不信感を払拭(ふっしょく)する努力をしなければならない。
 護岸が崩落した日高線の復旧が見送られた背景として、法制度の問題点も見逃せない。
 護岸工事は通常、公費で行うが、海沿いに線路がある場合に限り、鉄道会社が自費で行うことが海岸法で定められている。
 国鉄時代は最終的に国が負担していたが、現在はJRが自前で改修しなければならず、体力の弱いJR北海道にとっては厳しい。
 本来、国が担うべき国土保全を民間会社任せにするのは疑問だ。
 国は制度の不備を改め、沿線の護岸の保全にも責任を持って対応する姿勢が求められる。


もっともらしいことを言っているけど、結局北海道新聞が報じない様々な内容を他の地域新聞や自治体広報などで拾った限り、不誠実なのは本当にJR北海道なのか?は微妙なところですね。

沿線自治体と北海道はほんとうに日高線の復旧について「誠実な態度」で挑んだのか?それはもっと客観的に報じてもいいと思います。2015年秋の段階でJRと国が1/3づつ拠出して復旧の方針と伝えたのは北海道新聞です。それを無かったかのように報道し続けるのは報道の基本としてあってはならないことです。

少なくとも日高線が復旧しなかったのはわずかな拠出をケチって自分達は金を出さないとした沿線自治体と北海道の対応のせいです。カネを出せないなら他のアプローチから国など働きかけることもできたはずです。意味のわからない独りよがりな「提案」をJRにぶつけ、それを拒否されると「ゼロ回答だ」と勝手に協議会を開催しなくなったのは沿線自治体そのものではありませんか。

今になって一円も負担したくないではバス転換すらうまく行きません。沿線自治体はバス転換の全てをJR北海道が行うと思っているでしょうが、夕張市など他の例を見る限り沿線自治体もそれなりの知恵と行動を伴わなければならないでしょう。それができないなら今のまま未来永劫不便なバスだけが誰も乗せずに走り続けることになります。それは誰も喜ばない結果になります。幾ら報道がこれだけJR悪しと書いても今やネットのコメントもそれに流されてJR批判する人はそう多くはありません。

ネットはちゃんと調べれば比較的正しい情報を見つけられます。そのとき「北海道新聞の記事はいい加減じゃねぇか」という印象になるのはよくないことです。いまからでも北海道新聞は正しく勉強し主観を取り除いた報道をするべきです。必要なのはてめぇの意見ではなく真実の報道です。

そういう意味で新ひだか町長の発言は裏を取らなければなりません。他の報道または議事録を待ちましょう。

北海道の交通関係 JR北海道 日高線

検索入力:

記事カテゴリ