北海道の交通関係 JR北海道 北海道新幹線 札幌市交通局 シートマップ タクシー 夕張鉄道 北の大地の入場券 新型コロナウイルス 北の40記念入場券 バリアフリー 根室線 輪行 乗車促進運動 サイトアクセス傾向 北海道鉄道活性化協議会 サイト障害 空港民営化 北海道新幹線工事箇所 観光列車 バニラエア フォーラム 札幌市電 免許返納 路線バス 留萌線 高速バス 人手不足 LCC 北広島球場輸送 道南いさりび鉄道 航空 札沼線 札幌市交通局 夕鉄バス わがまちご当地入場券 読まなくていい日記 日高線 釧網線 石北線 JR九州 国鉄廃止路線のその後 宗谷線 北海道新幹線 認知症JR事故死関係 保存鉄道 青い森鉄道 東北新幹線 バス業界 北海道の交通関係 JR西日本 JR東日本 JR北海道 サイト更新情報 時刻表 人口減少 ホームドア ICカード乗車券 空港輸送 新幹線 夜行列車 一日散歩 運行トラブル
北海道の交通関係
バニラエア終焉と函館空港撤退
2019/01/25
バニラエアの話を書く前に日本の格安航空会社(LCC)をおさらいしておきましょう。
日本の航空業界が規制緩和により新規参入の航空会社がデビューしたのが1998年のことです。スカイマーク・AIR-DOが最初ですね。その後スカイネットアジア航空(現在のソラシドエア)などが相次ぎ就航。そして日本のLCCとしては最初の例になるピーチアビエーションとジェットスタージャパンが2012年に就航します。
この2012年は後にバニラエアとなる旧エアアジアジャパン(現在とは別会社)、中国資本の春秋航空日本が飛ぶことになります。
2019年1月現在、北海道と本州を結ぶLCC路線は以下の通りです。
新千歳-関西(peach・ジェットスター)
新千歳-成田(ジェットスター・バニラエア・春秋航空日本)
新千歳-名古屋(ジェットスター・エアアジア)
新千歳-仙台(peach)
新千歳-福岡(peach)
釧路-関西(peach)
函館-成田(バニラエア)
新千歳-成田は15往復中12往復がLCC・新千歳-名古屋は17往復中4往復がLCC・新千歳-関西は10往復中5往復がLCCという状況です。他は仙台2往復の他1往復ずつとなっています。
バニラエアは全日空とマレーシアのエアアジア社が協同出資した「エアアジア・ジャパン」として設立しました。既にLCCとして成功しているエアアジアのビジネスモデルを使い、2012年に成田-新千歳・福岡・那覇に就航。その後ソウル・釜山へ、そして中部空港から新千歳・福岡・ソウルに就航します。
しかし2013年にエアアジアとの合弁を解消し中部空港から撤退。エアアジアとして就航してわずか1年で全路線が廃止となります。
○年表
2013年11月に全日空が100%出資したバニラ・エアとして設立。12月20日から成田-那覇・台北の運行を再開。
2014年に成田-新千歳の再開、ソウル・奄美・香港に就航。
2017年には新千歳空港以外の北海道内空港への初就航となる成田-函館・関西-函館に就航。
2018年に2019年10月26日でpeachと統合し運航終了を発表。
2018年1月に関西-函館撤退。
2019年3月30日成田-函館撤退予定。(廃止)
2019年8月31日成田-新千歳撤退予定。(翌9月1日からpeachとして就航)
バニラエアの直近の決算では売上高329億5000万円、営業利益は8億4600万円の黒字、経常利益は10億9500万円の黒字となっています。ただし、この黒字は前期に赤字を出していることからの法人税減免の恩恵がありますので、安定した黒字とは言い難い上利益余剰金(累計損失)は109億9100万円の赤字でこれはエアアジアジャパン時代の(というか新規航空会社の設備投資的な話)ものといえます。
LCCといえども規模が大事であって、同じ全日空が出資するpeachとの統合がスケールメリット的にも、peachの成田拠点の確保、そして、就航便数が大幅に増える新千歳空港の拠点化にも繋がっていくものと思っています。現行peachが新千歳空港6往復、バニラエアが5往復ですので便数的に拠点化はあってもいいように思います。
北海道新聞 2019年01月24日
ピーチCEO、函館就航検討 成田か関西に20年以降 新千歳拠点化「10月までに」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/269688
井上CEOのインタビューの主なやりとりは次の通り。
――新千歳空港の拠点化を延期していました。
「10月下旬までのサマーダイヤ中に夜間駐機を開始できるめどがつきました。これにより新千歳の始発便を早く、最終到着便を遅くできるなど道民に使いやすいダイヤになります。道外の拠点空港とのネットワークができたので、拠点空港間をつなげていきたい」 ――バニラ・エアが3月末に廃止する函館―成田線の復活の可能性は。
「バニラとの統合に伴い、機材の操作システムなど改修が必要になります。函館―成田線はやめたくてやめるわけではなく、改修が終わった2020年以降、成田か関西かは分かりませんが、就航の検討対象にしたいと考えています」
――昨年8月に就航した釧路―関西線の手応えは。
「搭乗率は夏に目標の8割を超え、冬も流氷観光などのおかげで目標に近い数字になっています。低価格のLCCだからこそ掘り起こせた潜在需要です。この路線の調子を見極め、道内路線の拡大を検討していきたいと思います」
peachの井上CEOは新聞の取材にこのように応え、新千歳空港の拠点化(ナイトステイ)による始発便を早めるなどの対応を表明しています。
また、1往復に留まる釧路便は搭乗客数面で(目標の8割という書き方はわかりにくいなぁ。きっと「目標である搭乗率80%を越え」という意味と思う)夏季は8割、冬期も8割近い搭乗率が続いているのなら2往復化なども検討の余地はあると思いますし、新千歳-釧路を開設できれば、新千歳経由での便数利便のアップも期待できるとも思います。
ただ、以前も書いたとおり航空機の比較的少ない定員以上の需要喚起ができない事、そして釧路市などが行う着陸料などの減免が行われているうちは就航し、それが切れると同時に撤退ということも行いやすいのが航空というものです。
現実バニラエアの函館撤退はこの着陸料などの減免が就航3年で打ち切られることでの撤退とも言えます。そしてまた「新規就航です」とpeachが就航する場合に着陸料をまた減免するのか?これも函館市は試されているとも言えそうです。もしそれが認められるなら複数のLCCが持ち回りで就航すれば良いのですからね。
LCCはあくまでも全ての航空需要を代替できるような規模にはなく、まして一定の不安定を容認する輸送手段です。それを忘れてLCCがあれば○○は不要のように言うのは不勉強だと思うわけです。まして、地域の協力なしでは就航の継続はできません。それは何度も言うように既存航空会社でも鉄道でもバスでも同じ事です。