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JR北海道・JR東日本・東急電鉄・JR貨物連携の北海道内観光列車発表

2019/02/12

急遽記事を変更して2月12日に発表となりましたJR北海道・JR東日本・東急電鉄・JR貨物が連携し、北海道内でJR東日本と東急(伊豆急)が持つ観光列車を北海道内で運行するという、過去に類を見ない取り組みについて紹介します。

まずリリース文です

JR北海道 2019年02月12日
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます ~観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います~
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190212_KO_KazeRoyal.pdf


東急電鉄 2019年2月12日
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます
~観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います~
https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20190212-1.pdf


JR東日本 2019年02月12日
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます ~観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います~
https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190211.pdf


JR貨物 2019年02月12日
北海道内観光列車運行への協力について
https://www.jrfreight.co.jp/storage/upload/f115fae82eb9111fad4fe6ce4cc3bc44.pdf


基本的に各同じ内容が公表されています。

「風っこ そうや」号

まず、来年度となる今年夏に運行されるJR東日本の「びゅうコースター風っこ」の宗谷線での運行です。この「びゅうコースター風っこ」ですが、JR北海道のノロッコ号車両同様の木製座席設置の「トロッコ車両」となります。国鉄型気動車のキハ48形を改造しており、実績は無いもののJR北海道が持つキハ40形などとの連結にシステム的な問題は無いものと思われます。
今回「風っこ そうや号」としてJR北海道の「北海道の恵み」車両と4両編成を組むように記載されておりますので、JR東日本の車両がが持たないJR北海道オリジナルの保安装置(信号などの速度制限等システム)をJR北海道の車両側で確保し、中間に「びゅうコースター風っこ」車両を連結することとなりそうです。先の通り元は同じ国鉄の設計で使用地区の差はあれど基本的な仕様は共通であり、連結に際しての問題は少なく、比較的早く実現できることから選定されたものとおもわれます。(ただし、エンジンについてはJR北海道での導入実績の無い海外製カミンズ製エンジンに換装されていますので、そのあたりの技術協力は必要になると思われます。場合によっては両端のJR北海道の気動車だけで動力を持ち、「びゅうコースター風っこ」は単なる客車扱いの可能性もありそうです。当車は冷房を持たない車両で、冷房稼働電源などの問題がなく、しかもだるまストーブまで設置した車両です)
期間を7月から9月としていますし、東北用の極寒地用の設備をもたない車両でも問題無いとされたとも思われます。

これがうまく行くようでしたら、JR東日本の東北地方用観光車両による北海道乗り入れは今後も行われるものとおもわれます。

「THE ROYAL EXPRESS」

こちらは2020年夏に開始されるものです。「THE ROYAL EXPRESS」は伊豆半島を走る地方私鉄、伊豆急行(東急の子会社)の車両であり、JR東日本に乗り入れ、旅行としての履行は東急電鉄が行うという形で運行されている「クルーズトレイン」になります。8両編成でキッチン車両を儲けており車内で調理を行い食堂車も持つ車両です。

JR東日本と伊豆急行はあくまでも運転業務だけを担当し、営業は東急電鉄が行う列車になります。あくまで一般的な臨時列車として一部区間だけ利用可能な形態では無く、東横線沿線などのシニア層を中心とした富裕層に対する「クルーズプラン」として売り出しているわけですね。伊豆での宿泊費を含め1人13万5000円~という価格設定です。普通に特急を利用しても片道5000円ほどの距離になります。

北海道での運行を行うことについて、関東圏とは列車の運行用の電力が違う(当車は直流電力で動く車両、北海道は電化区間でも交流電力でありそのまま走れない)ため、必ず機関車による牽引が必要。また、車内の電力を賄うための発電機搭載車両も必要になります。

夜行列車等で使用していた機関車は既にほとんどを廃止してしまったJR北海道が用意できる機関車は除雪用の機関車くらいしかありません。しかし、ここでJR貨物が持つ機関車を使うという選択が出てくるものと思われます。(あくまでリリースでは凸型の機関車が描かれているので、JR北海道の除雪用機関車を使う可能性もあるとは思われます)

いずれにせよJR北海道、JR貨物は運行のみに注力し、旅行としての販売、履行は東急電鉄が既存の伊豆への旅プラン同様に行うものと思われます。

もう一つ大事なことは、2020年6月から進められる新千歳空港の民営化に応札している企業連合(現在新千歳ターミナルビルを運営する北海道空港・東京急行電鉄・三菱地所・日本政策投資銀行など10社で構成する企業連合)に東急が参画しているという面です。
(ちなみにもう一グループはパリ空港公団・加森観光・東武鉄道・東京建物などの企業連合になります)
東急としては今までのホテルなどの北海道観光にもう一つ目玉を持ちたいという思惑があり、既に持つ伊豆急行の車両を使用したデモンストレーションという意味もありましょう。かなり戦略的な設定をしてくるのではないかとも思うところです。

こちらに関しては運行区間を「札幌~道東エリア」としています。出発地を札幌にするのは新千歳空港駅への乗り入れが難しいこともありそうですし、8両編成に電源車、機関車という構成で乗り入れ可能な路線は札幌-釧路、札幌-北見(網走)と見ます。釧網線はこの両数での乗り入れは難しいと考えられます。

いずれにしても、既にある一定の運行方法についての想定は済んでいるからこその発表になったと思われます。

これが定着するなら東急は北海道観光専用の車両を新造し、運行だけをJR北海道に委託するような方式での観光列車作成に踏み切るとも思うところですので、こちらも注目していきたいと思います。

JR貨物の役割

さて、「THE ROYAL EXPRESS」の北海道内の運行にJR貨物が関わるかはわかりませんが、いずれの運行車両にしても自走で青函トンネルを越えることはできませんので、JR貨物の機関車に牽引される形での車両回送を必要とします。単純に現在の貨車の後ろに繋げば良いというものではありませんので、専用列車として回送することからJR貨物の協力は必要不可欠です。

そういう意味で今回4社が連名でプレスリリースを出したものとおもわれます。

いずれの運行方法も、過去に例が無いもので、楽しみでもありますし、この成果如何によっては鉄道を利用する意味、鉄道を維持する意味にも繋がっていくものだと思われます。そして、同様の列車が誕生していくだけ北海道は観光に力を入れなければならないとも言えるわけです。これがスタートなのです。

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