北海道の交通関係


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バスの甚大な事故と「悪天候で運行させない運行管理」

2019/02/14

北海道新聞 2018年12月10日
都市間バス路外に横転 けが人なし 当別
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/256340
 【当別】10日午前5時ごろ、石狩管内当別町金沢の国道で、北都交通(札幌)と宗谷バス(稚内)が共同で運行する都市間バスが路外に逸脱、横転した。男性運転手(61)を含む乗務員2人と乗客11人にけがはなかった。


実際には「げが人なし」と報道はいえ、出血者などはいた模様(それ怪我人じゃないの?)で、生死に関わる大きな怪我は無かったのは幸いですが、救護体制なども考えなければならないわけです。
現場は当別町ですからエリア的には共同運行する宗谷バスと北都交通(この都市間便は両社の運転手が途中で入れ替わって運行するので、報道的には北都交通の便とされた模様。車両は宗谷バス。

そして

北海道新聞 2019年02月08日
都市間バスが路外逸脱、2人軽傷 天塩
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/274785
【天塩】8日午前0時20分ごろ、留萌管内天塩町ウブシの国道で、稚内市から札幌市へ向かっていた宗谷バス(稚内)の都市間バスが路外に飛び出し、標識に衝突した。男性運転手(54)と乗客25人のうち、乗客の男性2人が手や腰に軽いけがをした。


いずれの記事も非常に簡単な記事でまとめてあるが、同じ会社の同じ区間のバスが一冬に2度も横転、大事故を起こしているのは問題だと私は思っている。

もちろん、気象条件の問題はある。早めに通行止めにしない道路管理者が批判されたのは2013年のこと。バスに関しては運行・運休の明確な規定をもって運用しているようには残念ながら見えない。迂回運行に必要な路線免許を持っているなどの理由があれど、安全が担保できない状態で運行する決断をするのは一体誰なのか?

宗谷バスの広報体制もあまり充実しているとは言い難い。WEBサイトにある運行情報では細かい内容がわからない。
そして
@SOYA_BUS
というTwitterアカウントがあるが「日本最北端のバス会社「宗谷バス」の情報を提供する非公式アカウントです。」と記載。つまり公式アカウントでは無いが誰かがバスの運行情報をtweetしているということになる。そこに責任は全く無いわけです。

そして報道にもこのあと情報無し。稚内市民の足であり、札幌-稚内の重要な交通機関であるバスの情報がマトモに伝えられず、その事故について知ることができない。(これは地元の稚内プレスや日刊宗谷で記事として伝えられた形跡が無い)

もう一度言うが、同じ札幌行き夜行便が相次いで事故を起こすというのが天候による不可抗力だとしても、それならば、このような天候状態で運行を強行した運行管理体制に問題があるのではないか?という疑問がある。

鉄道が運休するから高速バスが重要な足というのはわかる。昨今の道路整備、除雪体制を考えると鉄道よりも安定した運行ができるのもわかります。だからこそ、道路が開通していても本当に運行できるだけの道路状況なのかを収集し、実際に運行する乗務員の判断による一時的な待避や運行中止の判断はできなければならないわけです。

これは北海道新聞等マスコミがずっとJR北海道に迫っていた安全対策体制の話にも通じます。現在鉄道は運転士や駅員等現場の判断で列車の運行を止める。そして指令所がその判断を確認できるよう駅へのカメラ設置なども増やして「総合的に判断して」列車の運行を中止している。結果的に途中で運休になるということも減っているし、より安全側に判断されるようになっているのもあるわけです。

ではバスはどうか?
稚内地盤の宗谷バスと札幌地盤の北都交通の共同運行、途中の沿岸バスとの協力体制はあるかとは思いますが、実際には出発地を出てしまえば得られる情報は少ないわけです。北海道内の各バス会社に道路状況とこの先の天候状況を告知し、運行の可否を判断させる仕掛けは必要だと思うわけです。広大で悪天候時に死と向き合う北海道の交通機関は本州とは違う支援システムの構築は必須です。

むしろ現状その様な支援が無く長距離を交代しながら走るバスの運転手さんの心労を思うと、今まであまりにもそれが軽視されすぎているだろうとも思うわけです。そして事故を起こせば運転手個人の責任になる。それで誰が路線バスの運転手になろうと目指すのでしょうか?

北海道新聞 2019年01月25日
運転手の疲労による居眠りが原因 清水町観光バス事故 調査委が報告書
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/270193
十勝管内清水町の国道で2017年8月、網走観光交通(オホーツク管内大空町)の大型観光バスが路外に転落して横転し、乗員乗客43人が重軽傷を負った事故の調査報告書を公表した。男性運転手=当時(58)=が疲労による居眠りで意識が低下した状態で運転したことが事故の原因と結論づけた。


もちろん居眠りで横転させたは言語道断ではあるけど、天候不順で運転操作を誤るような気象条件での運転も私は罪が重いと思っている。いつでも完璧という運行はできない。しかし、それに近づけるには「運休」も含めた決断をするのが必要なのです。

吹雪です、ホワイトアウトでした、凍結路面でした。もちろん遭遇しますが、その中で安全に運行する(場合によっては運休する)。そういう努力が高速バス・都市間バスを運行する各社が問われているんじゃないかとも思うのです。

そして利用者側も悪天候で鉄道が止まっている、バスは動いている、鉄道はクソという観点では無く、吹雪いている、ホワイトアウトになっているは出歩いてはいけない、命を優先する運行をするべきだと声を上げなければならないのです。ましてマスコミは運休本数を批判するような報道姿勢になってはならないのです。


2019年3月21日追記
その後3月21日にも稚内-札幌の都市間バスが天塩町内で路外で横転し怪我人を出す事故が発生し、この冬同一路線で3回もの重大事故を発生させたことになります。

北海道新聞 2019年03月21日
都市間バス、天塩で路外逸脱し横転 1人が軽傷
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/288700
 【天塩】21日午後7時10分ごろ、留萌管内天塩町サロベツの国道232号で、宗谷バス(稚内)の札幌発稚内行き都市間バスが路外に逸脱して横転、乗客23人のうち男性1人が頭部に軽いけがをした。




2020年3月5日追記
いつからかはわかりませんがTwitterの @SOYA_BUS から「非公式」の文言が外れていました。「公式」になったのなら発信は公式情報になりますので、広報体制としては歓迎できることですが、実際はどうなんでしょう。「公式」とも謳ってないんですよね。

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