北海道の交通関係 JR北海道 札幌市交通局 北海道新幹線 北海道新幹線工事箇所 サイトアクセス傾向 保存車両 夕張鉄道 車両更新 新しい施策 自動運転 路線バス サイト更新情報 話せる券売機 日高線 高規格道路 花咲線 北広島球場輸送 夕張支線 並行在来線問題 廃線跡 留萌線 ダイヤ改正 地域交通 路線維持問題 輸送障害 読まなくていい日記 人口減少 高速バス 札幌市電 バリアフリー 札沼線 室蘭線 高速道路 ICカード乗車券 徒歩 根室線 踏切 貨物線 えきねっと 鉄道高架化 新型コロナウイルス JR東日本 千歳線 自転車 深名線 列車位置情報 時刻表 北の大地の入場券 輪行 北の40記念入場券 空港民営化 観光列車 運行トラブル わがまちご当地入場券 人手不足 一日散歩 乗車促進運動 地方と札幌 航空 フォーラム 北海道鉄道活性化協議会 夕鉄バス 空港輸送 宗谷線 JR九州 石北線 夜行列車 認知症JR事故死関係 東北新幹線 青い森鉄道 バス業界 道南いさりび鉄道 JR西日本 ホームドア 新幹線 LCC 国鉄廃止路線のその後 バニラエア 免許返納 釧網線
北海道の交通関係
北海道の交通関係サイト終了のお知らせ
当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました
「スクールバス」が最適解ではないが「通学列車」も最適解ではない
2019/02/28
以前から日高線の苫小牧-鵡川は苫小牧側から通学する鵡川高校の生徒がむかわ町が走らすスクールバスを利用するため多くの生徒は列車で通学しておらず、日高線を利用する高校生は苫小牧方面に通学する片方向だけの利用のために片道は利用客が極端に少ない「回送」状態での運行を余儀なくされていました。
北海道新聞 2019年02月27日
鵡川高生、日高線利用を 町がJR定期券支給 通学バスは減便
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/280837
> 【むかわ】胆振管内むかわ町は2019年度から、町外の鵡川高生のため運行している通学バスを減便し、JRの通学定期券を支給する。
> むかわ町は8年前から、町外の生徒を確保するため、JR苫小牧駅、沼ノ端駅と鵡川高を結ぶ通学バスを1日計5便、町費で運行している。ただ、土日や長期休みは運休し、学校側が部活動などで登校する生徒のためJR通学への補助を要望し、町は同校やJR側と協議していた。
> 町によると通学バスは現在、全校生徒の6割に当たる約90人が利用し、運行費用は年約1900万円。定期券支給とバス減便で300万円ほど削減されるという。竹中喜之町長は「生徒の利便性向上を一番に考えた上での判断。JRの利用促進にもつながれば」と話している。
もちろん町や高校の言い分もわかります。現行の通学時間帯列車の運行は
苫小牧 05:40 07:57
鵡川 06:13 08:27
となっています。逆の鵡川発苫小牧行きは
鵡川 06:24 07:11 08:37
苫小牧 06:54 07:44 09:05
の3本があります。苫小牧と鵡川の間で列車の行き違いができないため、鵡川行きを増発することができないわけです。鵡川高校の始業時刻は8時30分のため列車利用では遅刻です。
2019年3月改正では通学時間帯の列車の時刻を早め、約5分早く鵡川に到着するようにします。
苫小牧 05:40 07:54
鵡川 06:13 08:22
駅から学校までは約10分で、始業時刻を15分遅らせるとのことです。いままで苫小牧07:54の列車は平成29年調査で11人の利用しかありませんので、これに通学生90人が乗車するようになるなら、大幅な利用率向上に繋がるわけです。もちろんだから鉄道が必要だという話しでは無いですが、スクールバス使うから列車の必要性を(少なくともむかわ町は)感じていなかったわけですね。
なお、今までのスクールバスはむかわ町が運行しており、
苫小牧駅7:20
苫小牧イオン7:32
沼ノ端駅7:45
勇払駅7:52
鵡川高校8:15
というルートになります。今後列車利用の場合沼ノ端地区からの通学は沼ノ端07:36発の列車に乗り、苫小牧駅で乗り換えることになります。
帰りについては鵡川16時台の列車運行が無いためバスを1便だけ出すものと思われます。
これによりむかわ町はスクールバスの運行費用年間1900万円が300万円ほど削減できるとしています。
むかわ町が8年前に鵡川高校の通学生をスクールバス通学に変更したのは、募集定員80名の確保が難しい状況になってきており胆振地区の各高校で生徒の取り合いの形相になっていた状態から、特色としてスクールバスによる通学費全額免除を打ち出す必要があったというのがありましょう。現状生徒の約6割が苫小牧地域からの通学生であり、その通学手段を無視できないというものがあったと思います。
また、スクールバス運転手の確保も難しい状況になってきているとも言えます。むかわ町は町営バスとコミュニティバス、スクールバスの運行を行っていますが、町営バスの路線数も多く合併した旧穂別町地区も含め長距離の運行も少なくありません。そんななか、いつまでもこの体制を維持できない、特に早朝の運行を行う通学バスの人員を確保しにくいのも現状であろうかと思います。(しかも2台体制だった)
今回の鉄道へのシフトは町とJRが一定の協議を行い、列車時刻を変えさせることに成功したという、地域とJRの話し合いが行われたという意味では特筆できることです。これまで鉄道を無視した運営を行っていた町も、もはや人員面でもそれを無視できない事態になっているとも言えます。
とはいえ、鉄道シフトで解決するわけでは無く、日高線の鉄道運行区間でも今後地域とJRの運営費負担の協議なども始まっていくと思われます。単純に高校生が使えば解決ではないところに根深い問題があるわけです。