北海道の交通関係

「スクールバス」が最適解ではないが「通学列車」も最適解ではない

2019/02/28

以前から日高線の苫小牧-鵡川は苫小牧側から通学する鵡川高校の生徒がむかわ町が走らすスクールバスを利用するため多くの生徒は列車で通学しておらず、日高線を利用する高校生は苫小牧方面に通学する片方向だけの利用のために片道は利用客が極端に少ない「回送」状態での運行を余儀なくされていました。


北海道新聞 2019年02月27日
鵡川高生、日高線利用を 町がJR定期券支給 通学バスは減便
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/280837
> 【むかわ】胆振管内むかわ町は2019年度から、町外の鵡川高生のため運行している通学バスを減便し、JRの通学定期券を支給する。
>  むかわ町は8年前から、町外の生徒を確保するため、JR苫小牧駅、沼ノ端駅と鵡川高を結ぶ通学バスを1日計5便、町費で運行している。ただ、土日や長期休みは運休し、学校側が部活動などで登校する生徒のためJR通学への補助を要望し、町は同校やJR側と協議していた。
>  町によると通学バスは現在、全校生徒の6割に当たる約90人が利用し、運行費用は年約1900万円。定期券支給とバス減便で300万円ほど削減されるという。竹中喜之町長は「生徒の利便性向上を一番に考えた上での判断。JRの利用促進にもつながれば」と話している。




もちろん町や高校の言い分もわかります。現行の通学時間帯列車の運行は
苫小牧 05:40 07:57
鵡川  06:13 08:27
となっています。逆の鵡川発苫小牧行きは
鵡川  06:24 07:11 08:37
苫小牧 06:54 07:44 09:05
の3本があります。苫小牧と鵡川の間で列車の行き違いができないため、鵡川行きを増発することができないわけです。鵡川高校の始業時刻は8時30分のため列車利用では遅刻です。


2019年3月改正では通学時間帯の列車の時刻を早め、約5分早く鵡川に到着するようにします。
苫小牧 05:40 07:54
鵡川  06:13 08:22
駅から学校までは約10分で、始業時刻を15分遅らせるとのことです。いままで苫小牧07:54の列車は平成29年調査で11人の利用しかありませんので、これに通学生90人が乗車するようになるなら、大幅な利用率向上に繋がるわけです。もちろんだから鉄道が必要だという話しでは無いですが、スクールバス使うから列車の必要性を(少なくともむかわ町は)感じていなかったわけですね。


なお、今までのスクールバスはむかわ町が運行しており、
苫小牧駅7:20
苫小牧イオン7:32
沼ノ端駅7:45
勇払駅7:52
鵡川高校8:15
というルートになります。今後列車利用の場合沼ノ端地区からの通学は沼ノ端07:36発の列車に乗り、苫小牧駅で乗り換えることになります。


帰りについては鵡川16時台の列車運行が無いためバスを1便だけ出すものと思われます。
これによりむかわ町はスクールバスの運行費用年間1900万円が300万円ほど削減できるとしています。


むかわ町が8年前に鵡川高校の通学生をスクールバス通学に変更したのは、募集定員80名の確保が難しい状況になってきており胆振地区の各高校で生徒の取り合いの形相になっていた状態から、特色としてスクールバスによる通学費全額免除を打ち出す必要があったというのがありましょう。現状生徒の約6割が苫小牧地域からの通学生であり、その通学手段を無視できないというものがあったと思います。


また、スクールバス運転手の確保も難しい状況になってきているとも言えます。むかわ町は町営バスとコミュニティバス、スクールバスの運行を行っていますが、町営バスの路線数も多く合併した旧穂別町地区も含め長距離の運行も少なくありません。そんななか、いつまでもこの体制を維持できない、特に早朝の運行を行う通学バスの人員を確保しにくいのも現状であろうかと思います。(しかも2台体制だった)


今回の鉄道へのシフトは町とJRが一定の協議を行い、列車時刻を変えさせることに成功したという、地域とJRの話し合いが行われたという意味では特筆できることです。これまで鉄道を無視した運営を行っていた町も、もはや人員面でもそれを無視できない事態になっているとも言えます。


とはいえ、鉄道シフトで解決するわけでは無く、日高線の鉄道運行区間でも今後地域とJRの運営費負担の協議なども始まっていくと思われます。単純に高校生が使えば解決ではないところに根深い問題があるわけです。

JR北海道 日高線 スクールバス 路線バス 北海道の交通関係 北海道の交通関係

検索入力:

記事カテゴリ

最近の100件を表示



当サイトにOFUSE 当サイトではOFUSEのシステムを使用した「投げ銭」ボックスを設置しました。当サイトが何かのお役に立てて、ご協力いただけるのでしたら少額で構いませんので、ご寄付いただけますと励みになります。