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北海道の交通関係
「携帯電話」がトンネルで使えないことについて
2019/04/02
北海道新聞 2019年04月02日
北海道新幹線 泉沢トンネルなど携帯電話使用可能 来年3月下旬
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/292451
北海道新幹線(新青森―新函館北斗)のうち、渡島管内知内町から同管内木古内町の間のトンネルで、携帯電話が使えるようにする整備事業に補助金を交付すると発表した。
携帯電話黎明期から携帯電話を契約していた私としては、携帯電話が繋がらないところがあるというのはある程度納得して契約しているところがある。
今は余り感じていないことではあるけれど、以前は地下街、地下鉄、トンネル内だけでなく、住宅街でも不感地帯があったり、車で移動すると途切れるなんて当たり前ではありました。しかし、各社が努力した結果、人口エリアカバー率はほぼ100%に近くなっています。ちなみに細かく見ますと岩手県は99.7%程度、東京、神奈川、大阪、香川、沖縄で100%を達成しています。(ただし携帯電話会社の人口カバー率の算出方法が3社で異なっており、たとえばドコモは役場がカバーエリアならその市町村は100%算出だった)最近はこの人口カバー率という文言は各社余り使わなくなっている。一応は3社統一基準になって、数値を比較されることは嫌だろうとも思う。
とはいえ、携帯電話を使いたいのは人が住んでいるところとは限らない。その最たる場所がトンネル内と言えましょう。トンネル内で安定した通信ができないのは、今の携帯通信を使った各種サービスを受ける場合大きな制限になります。単純にゲームができないとかいう問題ではないのです。
政府は2017年の未来投資戦略で新幹線トンネルは全区間2020年までに携帯電話の通じない区間を解消するとしています。また、2018年の未来投資戦略ではさらに「遮蔽区間対策の強化」を打ち出しています。北海道新幹線の青函トンネル区間も含めた携帯電話不感地帯の解消はこの戦略に基づくものです。
また、この中では「経営状況の厳しい鉄道事業者」が営業主体になる新幹線路線の対策は補助率の引き上げを行うともしています。北海道新幹線はこれに当てはまるわけです。
さて、携帯電話のトンネル区間などでの通信改善の費用は誰が負担するのか?といいますと、道路トンネルの場合は
・国1/2、一般社団法人等1/2
という比率で負担することになります。
しかし、鉄道トンネルは
・国1/3、鉄道事業者1/6、一般社団法人等1/2
という比率になります。トンネル内の携帯電話利用可能にするために鉄道事業者が負担しなければならない。これが鉄道トンネルで携帯電話利用可能地域が増えない根本的な理由です。
また、新幹線区間においては既に東海道・山陽・九州新幹線は東京-熊本までの区間で対策終了。東北新幹線は東京-二戸、上越新幹線は東京-上毛高原、北陸新幹線は東京-佐久平、黒部宇奈月温泉-金沢で対策が終了しています。結果的に鉄道事業者が金を出せたかどうか、それに見合った収益を得られる区間かどうかで話が変わるわけです。
在来線鉄道に関してはお寒い限りで、未だに東京-甲府の中央本線が対策最中ということで、利用が多い路線ですらこんな状態です。
比較して高速道路は全長500m以上のトンネル98.5%が対策済。直轄国道も93.7%が対策済となっています。新幹線や鉄道トンネルと道路トンネルでの中継方法が異なるとはいえ、この「格差」を放置し続けてはならないわけです。ちなみに国の予算では新幹線に先に配分するということから、在来線での補助は中央本線のみで一旦終了しており、しばらく在来線区間のトンネル内の携帯電話不感対策は進みそうにありません。
北海道新幹線の未開通区間に関しては、当然開通時より携帯電話が使えるだろうとは思いたいところですが(これとて予算によるし、鉄道事業者負担の方針は覆っているわけでは無い)在来線についてはエリア内の特に1km未満のトンネルだけでも「吹き込み方式」(トンネル両端からトンネル内に向かって電波を照射することで不感対策を行う方式)を各携帯通信会社は検討して欲しい。これで比較的長いトンネルであっても、トンネル前後500m程度は通信できるため、通信不可時間の大幅な短縮ができる。また、これは事故等の場合も「トンネル外まで通信ができない」のと、「出口が見えたら通信できる」では大きく違う。
道東道など山岳高速道路には通信提供会社が一定の整備を行っているものの、鉄道沿線は無視、または、道路に沿った部分だけ使えるという部分も含めての解消策を検討するという意味でもある。トンネル外ですらろくに電波の入らない石勝線区間など、放置し続ける理由がわからない。
青函トンネルも含めた北海道新幹線区間の携帯電話エリアが一定の目処が立った以上、特に特急列車の走る路線を中心に携帯電話エリアの拡大を国と携帯各社、そして鉄道会社も含めて検討していただきたい。これは万一の場合の命を守るインフラでもあるわけです。