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北海道の交通関係
夕張に行ってきました
2019/04/19
ちょっと用事があって夕張に行ってきました。先週17日のことです。まさかその後にこんな状態になるとは夢にも思っておりませんでした。
北海道中央バス 高速ゆうばり号
以前から札幌から夕張に行くにはバス利用が便利であります。高速ゆうばり号は札幌と夕張を1時間40分ほどで結びます。夕張は南北に長いので、本町方面に行く場合はバスが、新夕張を要する紅葉山地区へなら鉄道が便利かとは思いますが、今回は本町方面ですのでバスです。
札幌駅のターミナルからの乗車は10人ほど。平日の朝便としては寂しいですね。大通の中央バス札幌ターミナルから乗ったのは1人、あまり仕事という感じの方は少なく、女性が多い印象です。
札幌ICから高速道路へ。途中野幌バス停で1人下車。ここは情報大学も近く降りたのは学生風に見えます。ちなみに高速バスのシートベルト義務化で一時期はしつこいくらいに運転手氏が車内を廻りシートベルト着用を呼びかけていたのですが、今は何度か放送すればよいとされているのか、私の周りは誰もシートベルトをしていません。これは他社でも同様の例を見かけています。バスの事故は少なくなく、乗客の協力あってのことですので、これは改善したいところです。
江別東ICで高速を降りて、ガードレールも無いような国道337号線を進みます。当別側は道央圏連絡道路として高規格化されている国道337号線ですが、南幌側は狭く規格が低く、冬期などは怖いだろうなと思わせる道です。
南幌町内に入って数人下車。市街地外れの南幌ビューローが自家用車のパークアンドライドができる「ターミナル設備」ですが乗降無し。ここからは栗山へ向かいますが、「くりやま号」が栗沢駅前、栗岡を経由するのに対し、こちらは北長沼を経由します。律儀に道道を経由して広域農道の「きらら街道」を経由しないのは若干不思議ですが、ここが高速道路を経由しない特急便だった頃の名残でしょうか。
栗山市街地へ入ってあらかた下車。ここからは車内に2人だけという状態です。札幌と夕張を結ぶ足はいくつかありますが、最もメジャーと思われる便がこの惨状ですので、クルマ利用が多いことが伺えますし、ゆうばり号の終点がレースイリゾートと本町地区の市役所などから少し離れているのも問題なのかもしれません。
夕張トンネルを抜けて、左折。この時点で6分ほど遅れています。実は鹿ノ谷もしくはレースイリゾートあたりで夕張市石炭博物館行きの夕鉄バスに乗り換えられる時刻なのですが、残念ながら夕鉄バスは先に行った模様。同じ会社のバスでは無いというのはわかりますが、こういう面はいけません。末広1丁目で残り1名が下車し最後の区間は私1人になりました。
最終的に約6分遅れでレースイリゾートに到着です。運賃は1,750円でSAPICAなど交通系ICカードが使えます。当然夕鉄バスとは回数券などの共通化もありません。
夕張駅は閉鎖されていて立ち入れないようになっています。

仕方ないのでとぼとぼ歩いて本町地区へ、徒歩15分ほどかかります。用事を終えてこんどは夕鉄バスに乗ります。
ラッキー栗山店無料送迎バス
市内を歩いていると夕鉄バスの長距離タイプの路線車がやってきました。この時間に便は無いはずと思っていますと停留所に停車し高齢女性を降ろしました。車内にはほぼ満席の方々。表示はラッキー栗山店無料送迎バスとしています。北雄ラッキー 栗山店
無料送迎バス
https://www.hokuyu-lucky.co.jp/files/8015/5367/2931/lucky_bus_2019_04-05.pdf
ラッキーは北海道地盤のスーパーマーケットで札幌市内だけでなく全道的に展開している地場スーパーです。栗山店では夕張市内方面を対象に無料送迎バスを運行しており、夕鉄バスに運行委託しています。1日2往復しており、この午前の便は夕張南部地区を8:10に発車し一旦本町地区のホテルシューパロを経由し9:30過ぎにラッキー栗山店到着。帰りは10:50発でちょうどこの便を見かけたのでしょう。
行きは自社電子マネー兼ポイントカードであるCoGCaカードを所持している方、帰りはラッキー栗山店の買い上げレシートを所持していれば無料というものです。
夕張から栗山までの運賃は840円~1200円程度ですので、非常に大きいですね。ルール的には午前便で行って午後便で帰ってもいいわけですから、実質的に夕張-栗山の無料バスとして使うことが可能です。
夕張市内の食品スーパーは清陵町のコープさっぽろ夕張清陵店と南清水沢付近のAコープ南清水沢店、紅葉山地区の道の駅夕張メロード(Aコープ併設)くらいで、あとは個人商店と思います。現在バスが廃止された南部(大夕張)地区、真谷地地区では食品の調達は難しく、生協の個別配送などに頼るしかありません。そういう意味では栗山のスーパーが一定の商圏拡大のために無料送迎バスを走らせてもそれなりにコストが合うとも言えます。また、栗山町内ではイオングループのマックスバリュ栗山店とのシェア争いもあるのでしょう。
しかし、本数の少ない路線バスの客を奪い合うという状態にもなるわけです。
夕鉄バス 廃止代替バス
新車のバスがやってきました。今回JR石勝線支線の廃止に伴い導入された車両でノンステップ車となっています。それまで東京都から贈られた中古のノンステップ車は姿を消しましたが、多くの便がノンステップ車で運行されることになります。
車内には思ったより乗客がおり、10人ほど。運賃表は大型液晶に変わっており、ノンステップ車ですが座席を多く設置しています。こまめに乗り降りがあり、鉄道廃止前から比較的頻度も高く運行されていましたので、利用客も慣れた様子です。「鉄道より運賃が高くなった」としていますが、バスそのものの運賃は今までと変わっていませんので、利用客にとっては本数増加で利便が増し、今までの回数券もそのまま使えるので「何も変わらない」わけです。鉄道を利用できる駅勢人口がどうしても少ない夕張の場合、その安い運賃での輸送を享受できる人口そのものが少ないわけです。また、スーパーのある清陵町などに向かう需要はバスでしかまかなえないものです。
駅で言えば南清水沢付近である夕張高校付近を過ぎると客がいなくなります。バスの利用が多いのは本町地区と清水沢地区の間に限られ、夕張川を渡り比較的平野が広がる沼ノ沢地区のバスの利用が少なく見えます。旧沼ノ沢駅である沼ノ沢バス停。今日はここで降りて食事にします。
沼ノ沢駅は以前から駅舎内に洋食レストラン「おーやま」が入居しており、鉄道が無くなった現在も営業を続けています。今日はここで食事にします。
店内はクルマでの来訪者も多く、昼時を外しましたが、席は埋まっています。飲食店がそれほど多くない夕張においては貴重な洋食屋さんです。駅待合室に繋がる扉は鍵がかかっており、ホームにも行けないようになっています。

なお、線路自体の撤去はこれからですが、踏切については線路撤去、舗装工事が各所で行われています。踏切の段差は歩行者には喜ばれませんし、放置するという選択は無いのでしょうが、もう二度とここに作業のための車両すら通らないのだと思うとなかなか切なくなります。


夕張の財政的には線路や駅設備を残した施設は作ることは難しく、石炭の歴史村のSL館も閉鎖したままの状態が続いています。
帰りはここから新札幌まで一般路線バスで帰ります。が、到着したバスは誰も乗っておらず、時間帯がまだ通学に早いとはいえ、あんまりです。清陵町から1人乗ってきましたが夕鉄本社ターミナルで下車。この便は本町方面への連絡が無い上、直後に急行便の新札幌行きが併走する時間ではありますが、2時間時間が空いていてもこれですから、本当に需要自体が少ないと言えましょう。

本社ターミナルを発車しても栗山まで乗客は0のまま。栗山で数人、南幌でやっと高校生が数人乗車し、江別市内に入ってからは活発に乗降があります。夕鉄バスが活躍する区間はかなり限られますが、先ほどの無料送迎バスの活況を見る限りは、何らかのバス活性化を考えなければ「JR北海道が廃止代替で20年分金を出してくれるから安心」なんていう状態とはとても言えない部分でもあります。
また、バスの運転手さんは夕張から直行で、途中休憩は挟むもののこれも大変な運行だと思います。
さいごに
中央バスの高速ゆうばり号については、夕鉄バスとの協力体制の確立。夕張市内路線バスとの接続、また、夕張市役所方面への乗り入れなどを検討いただきたいものです。とかく、この2社がこれからの夕張市内の足となるわけですから、利害が対立するとしても、夕張市民のためという観点は必要となります。場合によっては中央バスの名誉ある撤退もあってもいいとすら私としては思うところです。高速道路を経由することで得られる短縮時間はわずかで、発着地が異なるとはいえ似たような時間に走ることもあります。2社が一定の間隔で札幌と夕張を結ぶのが理想です。

また、途中に拠点複合施設の建設がはじまっているのを見かけましたが、これが完成する時点で、市民がバスを使う、夕張に行く人がバスを使う意味をもう一度問うて欲しい。バスにして20年金が出たからそれでいいというわけではありません。このままではバスすら残せない事態になることをもっと真剣に市民が考えなければなりません。
そのためには無料送迎バスの路線バス移行なんかも考えなければならないでしょう。通院バスも含めると市外へのバス便は多く、これらの利用はもちろん市民負担の軽減には繋がるものの、交通財政は悪化するわけです。協力して路線バスに誘導することも含めた第二の交通対策は必要になると思います。
半日程度見ただけですので、わたしなどが何か提言できるわけではありませんが、非常に危機感を持って歩きました。