北海道の交通関係

JR北海道への「国の支援」とは何になるか

2019/07/02
北海道の交通関係で喫緊の課題であったJR北海道の路線維持問題については、そのボールは既に地域、自治体に投げられたと思っています。自治体が全て赤字を負担するなんて現実的には無理ですし、国も全てを負担させる必要性は低い。これは「使われる路線」は残り、「使われない路線」は残らない以上のものではありません。地域が何を言っても乗っていない路線は何をどうこねくり回しても維持できないという話です。


逆に乗ってる路線を維持できるかどうか、それが大きな問題になります。札幌圏や一定の特急運行路線を維持、そして発展させる必要性があります。その方向に舵が向くかというのが今後気にしていかなければならないことです。


正直に言えば私にとって、廃止提示5区間など「終わったこと」であります。もちろん代替交通の問題などは今後も追っていきますが、その代替交通こそが地元が考えてより使いやすい方向にする必要があるということです。国がJRがという話ではありません。自分達がどうしたいかという話であります。


北海道新幹線も含めて、これからも維持する必要性の高い路線をどのような形で国から予算を引き出させるのか。北海道や沿線自治体が一定出しただけではこれらの路線は維持できない。ならば、少なくとも新幹線が安定した収益を出し、経営安定基金運用益を加えて一定の会社維持ができる形になるまでJR北海道をどの形で支援するのかというのが見所です。


忘れてはいけないのは30年以上前になりますが国鉄改革は「国が直接鉄道に金を出さない」ことが世論としても求められたことだということです。当時の新聞などはあの国鉄に金を使うのはけしからんということを隠しません。結果国鉄債務は本州3社と国が負担し、その後は国は金を出さない方針になったわけです。これは今でも変わっていません。JR九州の上場でも国は株を持っていませんし、経営にも参画していない。最終的にはJR北海道もその形にしたいわけです。


なので、国が金を出すという事を期待することが既に前例も無ければその必要性があるのかどうかという話になるわけです。


国が直接出さない形であるならばこれまで同様鉄道・運輸機構を使い例えば新幹線並行在来線第三セクター鉄道で行われている貨物調整金の形を使ってJR貨物からJR北海道への線路使用料としての支援という形は考えられましょう。これなら「貨物列車が走っている路線」を残す大義も立ちます。現状JR貨物からJR北海道への線路使用料は20億円程度と報じられており、実際のコストは200億円程度といわれています。


たとえば新潟県の「えちごトキめき鉄道」は97.0kmの営業キロで年間にならすと約27億円受け取っています(貨物調整金に貨物経路確保措置という名目の加算がついている)
JR北海道への「国の支援」とは何になるか

 

Logistics Today 2013年2月7日
新潟県、北陸新幹線開業で貨物調整金830億円
https://www.logi-today.com/60830
新潟県は6日、北陸新幹線が2015年春に開業することに伴い、県内の並行在来線に対する支援措置として国土交通省との協議がまとまり、同省からの支援総額が開業後30年で830億円規模になると発表した。

この数字から考えるとJR北海道の貨物列車運行区間は1200kmほどですので単純に年間300億円程度を受け取れると考えて良さそうです。もちろんこれはオーバーですが、その財源や計算方法を検討することになりましょう。極端に言えば結果的に国からの支援であっても今までの前例を覆してJR北海道に支援するというのはできないということです。


そしてその様々な方法を考えるにおいては、地元が声を上げ、地元も一定の負担をするという必要もありましょう。そして、やはり「使わない」なら廃止も受け入れる必要があります。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 貨物輸送

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