北海道の交通関係


北海道の交通関係サイト終了のお知らせ

当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました


収益からトワイライトを考える

2014/05/28

■トワイライトエクスプレス、引退へ 老朽化で存続断念
(朝日新聞デジタル - 05月28日 03:39)

北海道と本州を結ぶ寝台特急は北海道新幹線にかかわらず廃止になるだろうことは予想できていたところです。新幹線と関係ない「あけぼの」も「日本海」もそれ以前でいえば九州への寝台は軒並み廃止になっているわけで。そもそも「あけぼの」に至ってはJR東日本の自社完結ですから他社との絡みでの廃止ですらありません。

廃止の大きな理由は客車の老朽化。廃止が発表されたトワイライトエクスプレスの各客車を見ますと、
1号車 スロネフ25-500 スイート1室 ロイヤル4室 定員6(11)
2号車 スロネ25-500 スイート1室 ロイヤル4室 定員6(11)
3号車 スシ24 食堂車 1972年製サシ489からの改造
4号車 オハ25形550 サロンカー
5・6号車 オハネ25-520 シングルツイン12室 ツイン14室 定員40(52)
7号車 オハネ25-510 ツイン9室 定員18
8号車 オハネ25-560 Bコンパート 定員32
9号車 オハネフ25-500 Bコンパート 定員28
総定員152名
もっとも古い車両がスシ24の1972年ですが、ほかの車両も車体はほぼ新製とはいえ、足回り他基本的には1972年から1974年に製造された24系25型客車の初期車が使われています。ざくっと40年を超えていますので、いくらなんでもそろそろって感じなんですよね。

あと、JR西日本がこの区間を走行できる機関車としてEF81しか所有していないこと。この機関車も1975年ころの製造のはずで、やはり置き換えが必要。

で、定員いっぱいに乗車した時の収入を考えます。補助ベッドを最大限に使用した総定員が乗車したことを想定しましょう。
スイート26,220*4 9,810*2
ロイヤル17,670*8 9,810*8
ツイン8,390*46
シングルツイン9,430*12 5,400*12
Bコンパート6,480*60
寝台料金だけで1,297,040円となります。全員が大阪-札幌を利用するとして運賃、特急料金を含めると8,745,020円の収入となります。

で、この収入をJR西日本、JR東日本、JR北海道で分けて単に距離で分けると30%、40%、30%となります。(もちろん車両を所有するJR西日本や道内牽引機関車を所有するJR北海道にあてられる割合はあるのでしょうが)
そうすると単純に割るとJR西日本には265万円、東日本には348万円、北海道には260万円が入ってくるはずです。

実のところJR西日本が265万円稼ぐだけなら、新幹線1編成の定員1323人の半分の人が新大阪-岡山を利用するだけで稼げちゃう金額です。

単純に1両2億円の客車10両を3編成(これでも設備を考えると安い)60億円を投じて、これを回収するには満席で1300往復。現行のほぼ2日に1本運行として往復で7年走って元が取れる。でも、これ運行費用一切含まずですからね。仮に半分の乗車率で考えると14年。元々運行費用自体が赤字の場合はなかなか難しいでしょうねぇ。
ちなみに機関車を新製すれば3億は下らないと思いますので、さらに10億は見なきゃならない。

そして、北陸新幹線開業でJR西日本の運行距離が177km減ると考えると、収入は先の単純計算にしても100万円減る。これだけでもトワイライトを残せる目はないと思っていい。

もし、この手の列車を残す目があるといえば、貨物会社に依頼することでしょうね。定期貨物列車に併結することで運行費用の極端な伸びを抑える。とはいえ貨物会社も客車を繋げられるほど輸送力に余裕はないし、実際物言わぬ「貨物」と乗客ではあまりに勝手が違いすぎるのもありましょう。

そういうことで、JR西日本は電車型(ハイブリッド型)の豪華車両の新製に踏み切りましたから、今後はあくまで「団体」やツアーとして豪華客車を売り出していくのでしょうね。こういう定期列車型の豪華車両は廃止されていくのでしょう。残念ではありますが、致し方ないことと思います。

(コメント追記)
サンライズの場合1編成は158人ですが基本2編成連結ですし、なにより電車列車という面のコスト低減はありそうです。
もとより新製時にハウスメーカー協力で比較的低コストで作ることができたことと、5編成一括で製造できたことは大きいと思います。

そのコストも車両所有を西日本と東海で折半していながら、整備は西日本持ちですし、なにより機関車が不要なのは大きいですよね。使用線区上直流専用設計ができたこともあります。

それでも採算に合ってるかは若干疑問ではあります。本当に採算が合うなら「銀河」的な東京-関西間列車を運行できるはずです。

実際のところ夜行バスは片道が昼間運行できるっていう意味でコスト落とせるというのはあるんですよね。昔の581系じゃあるまいに昼間の特急に使えるわけでもない夜行専用設計の列車が生き残るのはなかなかコスト的に厳しいと思います。

サンライズも15年近くたっていますので、実のところあと10年以内に存廃問題が出てくるとは思うんですよね。七つ星と違ってツアー組み込みだけでどうにかなる列車じゃありませんし。

北海道の交通関係 夜行列車

検索入力:

記事カテゴリ