北海道の交通関係

記事があんまりなんで日高線の実情と将来を考える

2015/03/16


【連載】列車ダイヤを楽しもう 第35回 JR日高本線、災害で不通に - かつて急行列車が3往復もあった
https://news.mynavi.jp/article/diagram-35/



現実的に現在の日高線の利用客数が鉄道を維持するに値するのかというのを考えてみましょう。

実際の数字はJR北海道からそう出てくるわけではないので、ざくっとした話になりますが、そう遠くない数字が現れるはずです。

●日高線の輸送密度
JR北海道は輸送密度や利用客数を公開していないのですが、たまに、忘れた頃に関係ない記事で公開されることがあります。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140509-1.pdf
この資料から日高線の輸送密度は312(人/キロ/日)です。距離の長い日高線なので、利用の多い区間も少ない区間もひっくるめて平均すると312人乗ってるになりますが、実情は静内を境に大きく隔たるはずです。

とはいえ、312という数字は末期的です。国鉄末期の輸送密度4,000未満の路線を廃止する方針に対し、日高線は1,300程度でクリアしておらず、救済処置(1,000以上の輸送密度で30km以上の平均乗車距離があること)で廃止を免れた経緯があり、国鉄末期に廃止になっても何の不思議もなかったのです。現在の数字はその時代を遙かに下回り、災害休止中のJR東日本の只見線並みとなっています。

●日高線の利用実態
多くのローカル線がそうであるように日高線もメインの利用客は学生の通学需要です。そのほかに苫小牧口の通勤輸送、そして定期外の観光客用務客輸送となりましょう。

日高線沿線の学校は以下の通りです。学校名と生徒数を掲載しています(25年度で定時制を除きます)
苫小牧東 799
苫小牧西 470
苫小牧工業 710
苫小牧南 600
苫小牧総合経済 472
苫小牧中央 178
駒澤大学附属苫小牧 709
鵡川 197
富川 103
静内 567
静内農業 195
浦河 422

次に沿線自治体の高校生(15-18歳)の人口です。これは統計情報に基づくもので、15-19歳人口を4で割り3倍したものです。各自治体の高校生数の概算として使用します。主に2006年度実績です。
むかわ町 633 (旧鵡川町域として400人程度して計算する)
日高町 492 (旧門別町域として340人程度して計算する)
新冠町 169
新ひだか町 851(旧三石町域として100人程度として計算する)
浦河町 525
様似町 126

それではこの学生が、最大どのくらい通学で日高線を使うでしょう。あくまで沿線高校の生徒数と沿線人口で計算したものです。
苫小牧-鵡川 440
鵡川-静内 250
静内-浦河 230
浦河-様似 120
これはほとんどの高校生が地元を除き列車を利用したときの数値なので考え得る最大値です。実際にはこれより2~3割程度少ない値になると思われます。沿線にはほぼ並行してバスがあること、進学せずに就職するあること、現実的に進学を目指せる高校の数に制限があり、下宿生徒が無視できないことがあげられます。

通常ダイヤで
苫小牧方面通学便の2224Dは3両2233D、2237D、2239Dは静内まで2両
浦河高校通学便の2223Dと、2238Dは2両
となっており、鵡川-苫小牧の通学需要は特に無視できない数となっています。この区間の輸送密度は700から800程度になるのではないでしょうか。しかし、鵡川以遠は静内まで400程度、静内以遠は100程度の可能性が高いです。
特に静内以遠に関しては通学時間帯でもバスでの輸送が可能であるとも言えます。実際代行バスは通学時間帯に特化しています。


●日高線の将来を考える
日高線を鉄道として残すためには鉄道である必要があるかという議論があります。
・大量輸送があるか
だけと言って良いと思います。それは苫小牧-鵡川が一応当てはまることになります。
もう一つの鉄道の強みは高速輸送なのですが、日高道が現状日高門別ICまで開通し、静内まで事業中であることは踏まえる必要があります。

また、現在の鵡川では代行バスの所要時間が、現行鉄道に対して静内までで約30分多くかかります。

現実的には被災区間手前の日高門別または厚賀に折返し設備の設置(厚賀は比較的利用客が多いため)を行うことでバス代行輸送区間を短縮し、静内まではJR北海道としての運行とし、バス代行(在りし日の士幌線末端区間のような)とする。厚賀は比較的広い駅前ロータリーを持つので、代行輸送ターミナルとして機能できそうで、厚賀-静内のバス代行時間は15分程度の延びで済むことになります。この区間はほぼ駅前に大きく迂回せずに道があることも幸いです。

静内以遠はバス会社が道南バス、ジェイアール北海道バス二社に別れ、共通化されていない問題があるため、一般路線バスによる代行輸送とし、両社バスの定期券などの共通化を推進できれば良いと思われます。静内に営業所のある道南バスと様似に営業所をもつジェイアール北海道バスが共同運行化できれば両社にメリットがあり、事実上高速バスのターミナルとなっている浦河から様似へペガサス号の延長も可能と思われます。

実際のところ観光客にしても現状駅からの足が乏しいJRより直接観光地へのアクセスができる高速バス、クルマでの訪問の方が多いことを考えると日高線の公費支出での復旧には懐疑的で、また、JR単独での復旧はとても難しいであろうと思われます。

非常に残念ではありますが、沿線が少しでも活況になるよう願ってやみません。

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