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北海道の交通関係
JR東日本はどこで儲けているのか
2015/10/22
JR東日本はあくまで私のような「計算鉄」には情報公開をいっぱいしてくれて嬉しい会社でございます。
公式サイトには各駅の1日平均乗車人員や各路線の平均通過人員データは結構過去に遡って公開されております。ついでに各路線の運輸収入まで公開していますから、だいたいの路線別収支を計算することができます。
まず2014年の決算の概略ですが、
運輸収入:17,259億円
営業費用:16,133億円
差し引き:1,126億円
です。これに広告や関連事業収入を加えますと営業利益は3,526億円の黒字になりますね。税引き後利益は1,571億円です。
運輸収入と比率は
新幹線:5,211億円30.2%
在来線(関東圏):11,316億円65.6%
在来線(地方):729億円4.2%
となっております。
ちなみに旅客人キロ(年間累積の利用者の利用キロ)は平成24年版鉄道統計情報にありますのでこれを拝借。
あとはあくまで自己流の経費係数(新幹線は経費が多めにかかるだろう、路線長が短い単線で本数の少ない路線は経費が少ないだろう)を加えてだいたいの収支を出してみます。
この結果
新幹線は経費の26.1%を見て1016億円の黒字です。北陸新幹線が20億円程度の赤字を出しているように計算されますが、これは金沢延伸後の数値が反映されていないこともあって、もう少し収支は良いと思われます。だいたい新幹線で1000億円黒字を持ってると思って良いでしょう。
関東圏路線は829億円の黒字です。ただし東北線・常磐線・中央線地方部を含んでいます(全線の収入しか提供されていないので致し方ありません)実際にはもう少し黒字額が多いはずです。
地方路線は723億円の赤字です。ただし、これは東北線・常磐線・中央線方部を含めていません。実際はもっと赤字額が多いことが予想されます。
(ここまでの数字はあくまでJR東日本は公式に各路線の収支を出していないので、私が個人的に営業費用を各路線に案分するときの「さじ加減」によるものであることを留意してください。数字には根拠はなく、これを他の用途に流用することは行わないでください)
いずれにせよJR東日本は首都圏路線の稼ぎを地方につぎ込んでいる状況であることが窺えます。先の比率で見ても運輸収入の4.2%、輸送量の4.6%の区間に大きな金額がかかっていることを留意しなければなりません。
これを踏まえると、
JR北海道の
運輸収入:756億円
営業費用:1,171億円
差し引き:414億円の赤字
という数字はJR東日本の地方路線よりかなり良く、JR東日本の地方区間に新幹線が入っていない(つまり路線に特急が少ない)ことを割り引いても実は結構健闘してるんじゃんともいえそうです。
ちなみによく聞くJR北海道をJR東日本が吸収すればいいを実行してしまうと、免除されている北海道区間の固定資産税等の負担もありますが、収支悪化で法人税負担が少なくなることから国としては避けたい事態でしょうね。また、純利益も大幅に減りますので株主配当が約半分となりますので株主もうんとは言わないでしょう。提携という形で深く関わらない形での支援となりそうに思われます。
なお、JR東日本の新幹線区間は「根本利益」と言われる末端が開通すると利益が増える構図になります。北陸新幹線開業で上越新幹線区間の減少はあるものの航空からの移転で増えた分は丸々収入増、北海道新幹線開業時にはわずか1万人程度の八戸-新青森間が1.5倍程度に増えることになります。1人あたり1万7000円増えるだけでも100億円単位の大幅な収入増になるんですよね。 新幹線全線では利益は出ていても、整備新幹線区間だけで収支を出すならば(北海道新幹線区間のみのようなね)若干の赤字基調になるかとは思います。あくまで首都圏を抱える根本部分の利用者数、利益が大きいのです。
本来その根本利益を何らかの形で末端を司るJR西日本なりJR北海道に還元できる方策が必要です。それが、首都圏キャンペーンやツアーでの値引き等になろうかと思います。特に北海道新幹線に関しては東日本区間で2500円程度引ければ東京-新函館は2万円を切る価格となりますし、団体包括値引きで現在航空利用ツアーで1泊2日で3万円台後半のツアーのようなものにも対抗して来るであろうと考えられます。