北海道の交通関係

映画「海峡」を見て少しだけ涙する

2016/04/05

日本映画専門チャンネルで映画「海峡」をやっていたので録画してあった。
これをいつ見ようかと思っていたが、ふと再生ボタンを押したらもう止まらない。
月曜の夜だというのに見入ってしまったんだ。

この映画がなぜ撮られたのかはわからないが、東宝50周年記念ということでかなり制作費がかかったように見受けられる。時代背景としては1982年の作品ですからまだ先進導坑が貫通前の映画であります。

実在のトンネル技術者をモチーフにした映画ではありますが、「映画」ですからかなり余計な描写もクサい演出もあります。どうしてもいろんな物語を詰め込みすぎて消化不良になるのは仕方なく、どうしても「男と女」を入れなきゃならないんだろうなぁ。洞爺丸犠牲者の息子役を折角技術者として出すのに、ただのけんかっ早い兄ちゃんとしての登場ではやっぱりもったいない。

正直「映画」としてはかなりの駄作なのですが、ここは竜飛の自然描写やトンネル内のセットはかなり良くて、それだけを見るためにこの映画を見るのは悪くないでしょう。

いや、竜飛の大自然に佇む高倉健を見るためにこの映画はあるのかもしれない。

正直理系の技術者としての高倉健さんは少々無理があるんですが、でもね、吹雪に佇む健さんはいいのですよ。ああ、日本映画だなと。

とかく物語は目をつぶっても、トンネル内の描写は非常に金をかけて作っているように見受けられるし、ミニチュアを使ってるシーンが少なく感じるので(冒頭の洞爺丸くらいか?)トンネル内はリアリティがある。

とはいえ、どう難所に向かったかという描写はないし、精神論かますわけでもないので、結局は気がついたら問題が解決してて、頑張って掘ったということしかないのは、まぁ、ドキュメンタリーじゃないからね。

監督は「日本沈没」(1973年)や「八甲田山」(1977年)の監督である森谷司郎さん。まぁ、日本沈没はヒットの割には酷い映画だったしね。

この映画がデビュー作の青木峡子さんはその後名前を聞かず、健さんの息子役を演じた中川勝彦さんはご存じ中川翔子さんのお父様ですね。唐突に中川勝彦さんが登場するのですが、監督と一揉めあったとのことで出演シーンが大幅にカットされているそうです。

映画の中で新幹線は遠い未来、いやもう「できないもの」という観点で描かれています。この当時まだ東北新幹線は開業しておらず、盛岡以北は「作らない」という民意でありました。この映画公開から軽く30年以上、まさかこのトンネルが貫通し、そして新幹線が走っている。それだけでも感慨深いものです。

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