北海道の交通関係

新幹線の本質は安定輸送にあり、そしてカシオペアの未来

2016/04/08

北海道新幹線開業前に何らかの事情で新青森-函館を走っていた「白鳥・スーパー白鳥」に運休、遅れが生じた日を列挙する。
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1年の7%の日で何らかの輸送障害があったことになる。これはJR北海道の運行情報に掲載された分である。もちろん地震などの不可抗力分もあるので、あくまで参考ということで見ていただきたい。

北海道新幹線開業から2週間であるが、今のところ運休はなく、遅れについても運行情報に上がる30分以上の遅れは発生していない。(もちろんトラブルが一切無いというわけではないが、ほぼ遅れなく走っている。今のところ運休はない)

新幹線の特性は遅れ、運休の少ない安定輸送にある。そのためにはある程度の高速性を犠牲にするという選択を今までしてきている。ご存じの通り東海道山陽新幹線の「のぞみ」はその時間帯によって所要時間が異なる。列車本数が少ない時間は高速だが、日中は多少所要時間を延ばして安定輸送しているわけだ。

東北新幹線においても320km/hで走れる区間を必ずしも全速力で走っているわけではない。余裕時間はかなり持たせており、それは北海道新幹線区間も同じです。ですので、数分の遅れは途中で解消するようになっています。これは東京-大宮を上越・北陸新幹線と共用していることでこの区間を4分おきというタイトなスケジュールで運行せざるを得ず、東京駅の折りかえし時間も少ないことから「遅れを極力防ぐ」ようになっているのですね。

北海道新幹線の高速性を犠牲にしているのは整備新幹線の260km/h制限区間、青函トンネルの140km/h制限区間で、これを解決するのは政治的な決断と貨物列車の「新幹線化」しか方法はないのですが、それでも数分の高速化は今後行われるはずです。北海道新幹線の一部区間での防音壁工事などが終わっていないこと、そして在来線の遅れをできるだけ考慮しているものです。あくまで私の個人的な試算ではありますが、現在の設備のままでも東京-新函館北斗は3時間55分程度の走行は可能です。

青函トンネル区間を260km/hで走行できるようになるだけで、東京-新函館北斗は3時間32分程度となります。このまま札幌まで乗り入れますと、東京-札幌は4時間24分程度となります。これはあくまで整備新幹線の260km/h制限のままの数字ですらこのくらいの速度で走れるんですね。(ちなみに遅れ余裕時間は全線分5分で計算しています。平均速度は235km/hですので、宇都宮-盛岡では320km/hの恩恵をかなり受けていることになります。ちなみに大宮-札幌は4時間ちょうどになります)

現在の東京-新函館北斗に関しては、高速化したら大幅に客数が増えることはありませんので、現行から数分のスピードアップは今後行われるでしょうが、札幌開業まで大きな動きになるとは考えにくい状況です。スピードアップより安定輸送。冬期間の安定輸送が大事なので、私としては大幅なスピードアップは札幌開業前後に行えばいいと考えます。


あと、杉山君の記事なんで、まぁ、あれなんですが、カシオペアの廃止理由って結局「もうからない」からなんだよね。貨物から機関車借りるのだってタダじゃない。まして新幹線車両のように他社と同型車作って相互に乗り入れ精算する方法が取れないので、必ず旅客会社からの持ち出しになるのは理解しなければなりません。これは定期運行時のJR北海道が「カシオペア」車を所持しないことにも関わる話しです。

ツアーで運行するメリットは
・運賃・料金以上の収入が見込めること
・最小履行人数に達しないツアーは中止できるので空席で運行するリスクがないこと
です。

定期運行時代はJR北海道が車両を所持しないためカシオペアやトワイライトエクスプレスの運行費用は「持ち出し」の状態になっていました。JR北海道側の収入アップが見込めない列車だったことを「マニア」というなら理解する必要があります。当然鉄道ライターなる肩書きの杉山氏は理解しなければならないはずです。タテマエだ何だとほざくなら、運行経費のどれほどがJR北海道の収入になるかを考えるべきです。JR北海道は車両使用料を「払う」側なんですよ。

今回もJR北海道函館以北区間についてはJR北海道の機関車を最低限用意する必要があるので、正直あまり長い期間の運行は期待するべきではありません。むしろ、貨物会社の機関車をJR北海道が帳簿上リースする形やカシオペア客車の数両を帳簿上JR北海道の資産にするなどの内部的な「金の問題」を解決しなければ今後の運行はどんどん難しくなるということを考えるべきです。
ツアー運行で、JR北海道が一切ツアーに絡まないなら「線路使用料」の話しですが、結果JR北海道が機関車を所持しなければならないとなると、残念ですが長く運行できないでしょう。

鉄道会社は慈善事業ではないのです。

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