北海道の交通関係

窓開けてキハ40、そしてまたまた道南バス

2016/08/22

台風接近で各所列車が止まっていた北海道ですが、まぁ札幌より南側は大丈夫だろうということで、ちょっとだけ出かけてみます。このままだと残り3回の18切符を使えそうに無いんで、モトが取れなくてもまぁ、仕方ないかなと。


本数の少ない函館山線の列車へ乗り継ぐには、札幌方から数本前の列車で小樽に入るのがコツ。
ローカル線とはいえ山線結構混雑して座れない事が多い。2本も前に乗ればまぁ座れる。

快適な札幌圏の通勤列車。窓は開かなくなったけど、窓が大きいだけ景色が楽しめる。やたら汽笛が鳴るなと思ったら銭函小樽築港間は各所に臨時の「警笛鳴らせ」が設置されていて、朝8時から夜7時までの時限となっている。
これは今日報道にもあったのだが、海水浴場ではない砂浜の利用者が線路を横断し、列車が緊急停止するなどの問題が起きていることにあるよう。JRは沿線に警備員を出しているが、当然そんな輩はJR利用客では無いので、警察と連携して線路横断は威力業務妨害で逮捕してもいいと思うんですけどね。

ともかく、小樽に到着。1942Dは通常キハ150の2両のはずですが、今日は前側に非冷房のキハ40です。混雑対策として片側のシートが2人掛けになっていますが、エンジンは原型、天井では扇風機が暖かい風をかき回しています。その2人掛けに一人で座り、その後到着する札幌方面からの列車を受けて車内はほぼ満席。立客もいるような状況となります。倶知安から接続の無い列車ですらこうですから、山線はなかなか侮れない路線です。

定刻に列車は出発。うなりを上げるが加速しないエンジン音が開け放した窓から入ってきます。後ろは冷房付き強馬力キハ150ですが、あまり押されてる感じはなく、ダイヤ的には完全にキハ150で引かれてるわけでもないようです。

走り出してもあまり温度は下がらず、また、それほどスピードも上がらず坂を上っていきます。小樽の住宅地の中を走り、深い森の中に入っていくと塩谷。SL撮影は敷地外でみたいな看板がいくつかあって、まぁ、もうSLは走らないわけですが。 撮影者はよほど地域に迷惑をかけたのでしょうね。

ふとエンジン音が消えたとき、30年前旧型客車の窓からこの風景を見ていたのを思い出します。住宅地以外の景色は当時と何も変わっていないのです。

山線の特急・急行列車の廃止と電子閉塞による合理化が行われたのは国鉄末期の1986年です。西村知美がCMキャラクターで、東海道山陽新幹線は大幅スピードアップが行われ、強みが発揮できる区間は大幅に増便されましたが、この山線はこの改正から基本的に普通列車だけが運行される路線になりました。そして、荷物車郵便車の連結が無くなったことから客車列車も大幅に少なくなったわけです。

旧型客車のときも、近代化改造されたとはいえ、丸形蛍光灯が並ぶ天井には扇風機しかないわけで、同じように窓を大きく開けて外を見ていました。各駅に止まるたびにタブレットが機関士に渡され、長い汽笛でガクンと衝撃で出発。数両の客車に数両の荷物車なんて軽いとばかりに加速する機関車を頼もしく見ていた幼少の頃。

車窓に突然建設中の橋脚が。これは北海道横断道の小樽-余市を作っているところ。思い出は急激に現実に引き戻されます。開通予定は2019年ですが、これができると多くの車は小樽市内を経由しなくなるので小樽の地盤沈下は酷くなりそう。場合によってはバスも小樽市内を通過しなくなるかもしれない。余市では多くの客が下車してずいぶん車内は空きました。長いトンネルをサミットに坂を駆け下りて小沢。トンネル餅はまだ健在というけれど、当然列車では買えない。北海道にはこういうマイナー銘菓が結構ある。野幌のレンガ餅、深川のウロコ団子、札幌の柳餅もいれてもいいかもしれない。銭函の酒まんぢうはキオスク閉店で銭函では売っていない(確か小樽で売っていると聞いている)こういう隠れた銘菓を食べ歩くのも悪くは無い。


倶知安に降り立つと、折り返しを待つお客さんの列。長万部からの列車を受けるようになっていて、逆にこちらからは接続が無い。車両運用をできるだけ効率化しようというわけだが、一時の賑わいを知る最後の世代だと思う私としては寂しい限りです。

旧型客車のスチームの白い蒸気が漂う中で食べた駅そばの思い出がふわっと蘇るホーム。もうホームのそば屋も無くなって久しく、頑張っていた待合室のそば屋も2010年に閉店キオスクも見当たらない。その代わり観光案内所が入り、貸自転車も営業している。JR駅側は旅行相談コーナーが無くなっていて、これも地元のJR利用が減っていることを裏付ける。

倶知安から各地へのバスは道南バスが駅右側にバスターミナルを構える。中では一組のカップルがいちゃついていてこちらが驚く。駅の左側はニセコバスの乗り場があるが正直わかりにくく、少なくとも新幹線の駅になったときにはちゃんとしたターミナルが必要だろう。小樽や札幌への直通バスは駅前から少し歩いた倶知安十字街バス停なのだが、これも行き先毎に停留所が異なるので、多分一見さんには乗り場が理解できない。

新幹線倶知安駅は当初予定から変更して高架駅になる予定で、その前後はトンネルです。線形的に現在の在来線側の方に新幹線の駅ができたほうが自然であろうと思われます。高架駅ということで先に現在のホームの奥側、夜間留置用車庫などを取り壊した跡地に先に在来線を構築、その後現駅舎を取り壊し新幹線駅の順番で作られるものと考えられます。在来線、新幹線とも構内は木古内駅以上にシンプルな構造になると思われます。

駅の裏側は公園になっており、体育館と旧転車台、そして冬期の新幹線分岐器の試験を行ったような施設があります。当然札幌開業に向けたさらなる試験がここでは行われることでしょう。

新幹線開業後倶知安から札幌はわずか70kmですから、各駅停車タイプですら30分とかかりません。新幹線開業後の倶知安は周辺の自治体も含め大きく変貌することになるでしょう。


胆振線の転換バスは道南バスの運行。元々倶知安から京極や喜茂別へのバスを運行していたこともあってほぼ自動的に決定。バスは転換後2代目となると思われるエアコンエアサス付きのノンステップ車。車体は小さく、このくらいの利用しか無いことをうかがわせる。

バスは駅を出ると市街地を走り国道276号線へ。六郷駅は国道から確認できない。確か車両が保存されているはずだ。八幡バス停付近が参郷。来れも確認できない。寒別は多分このあたりが怪しいと目星を付けたが車窓から確認できない。このあたりから旧線路とは大きく離れるはずで、全く路盤も確認できない。
京極は町の中心部、商工会の事務所に立派なバスターミナルがある。駅跡からはかなり離れていて、元が軽便線で石炭輸送用の鉄道だけに利用が少なかったことが伺える。バスターミナルはどちらかと言えば東京極駅の方が近かったようだ。70年代は石炭運搬用に脇方支線があったが、こちらへは既にバスは運行されておらず、そもそも住民もいない。

京極バスターミナルで少々時間調整し出発。道南バスは対向便とすれ違うと無線で道路状況の報告を行う。いい制度だとは思うのだが、その代わり客には本当に無愛想。ドライブレコーダーもついているので、全社でそれでいいという認識なのだと思う。
川上温泉付近が南京極。私鉄時代は川上温泉駅だったはず。これまた駅跡はバスから確認できない。国道から道道に曲がると留産。これまた様子がわからない。そもそも築堤のようなものが少なく、かなり畑になっているよう。線路が道路に接していたはずの区間も本当によくわからない。

大町第二バス停付近が喜茂別駅の跡のはずだが、全く痕跡がわからないままバスは終点の喜茂別へ。喜茂別は以前道南バスの案内所があったと思ったが今はバス停だけ。

喜茂別から大滝までは1日3往復と非常に本数が少ない、また、国道から外れる御園への道南バス便は最近廃止になり喜茂別町の町営バスが走る。以前車で尾路遠と御園を回ってみたがこちらは本当に住んでいる人が少なく、駅自体も残っていない。ともかく残りは次回だ。

今日は時間の都合でここからそのまま札幌までバスで帰るのだが、案内所が無いのでどこから出るのかよくわからない。(バス停の時刻表もおかしいのだ、倶知安行きの時刻表が貼ってあるポールには倶知安行きは来ず、停留所は向かい側とかね、その向かい側には倶知安行きの時刻が無い)道の駅ならぬ「郷の駅」があり、ここに観光案内所があるが無人。バスの案内は町営バスのものが貼ってあるだけ。
一応予約制のはずなので道南バスの札幌に問い合わせると、「ここでは洞爺発のことはわからないから洞爺営業所に聞いてくれ」と。結果洞爺営業所で予約を受けたが、結局乗るときには予約の有無も聞かれず、なんとなく管理がよくわからない会社なのだ。

ともかくやってきた札幌行きは結構な盛況。こんどは接客は丁寧な運転手さんだが運転はめっぽう荒く、少々早めに札幌着。どうも道南バスと私は相性が良くない(笑)

北海道の交通関係 JR北海道 路線バス 一日散歩

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