北海道の交通関係

夏の青春18最後は空知へ

2016/09/05

こう各所路線が寸断している中、ふらっとおでかけといっても気が滅入るわけですが、きっぷはもう1回だけ残っているのでもったいないので、ちょっと出かけてみることにします。

今期は北海道の鉄道代替バスを少し巡ってみようかという行程でございました。今後国鉄転換バスも無傷では済みませんし、既に一部では全く転換バスを廃止している地域まであります。
・7月22日 日高線代替バス乗車(鵡川-静内)
・7月24日 単に旭川・富良野を巡っただけ
・8月21日 胆振線代替バス乗車(倶知安-喜茂別)
・8月28日 天北線代替バス乗車(南稚内-浜頓別-音威子府)

今回は本来は歌志内線代替バスである中央バス焼山線と芦別-納内を結ぶ予定だった未成線芦別線とほぼ並行する中央バス芦旭線の乗車を目論んでいました。しかし、先の台風で道道627号文珠砂川線が冠水および土砂崩れで通行できず、中央バス焼山線は運休。このため滝川-赤平-芦別の中央バス滝芦線を経由するルートとしました。ついでといってはなんですが、函館本線旧線神居古潭駅も訪問します。

本数の比較的少ない岩見沢以北の函館本線列車に合わせて出発。例によって岩見沢で昼食を調達しますが、今日は残念ながら「釜飯」は無いもよう。ならばと「リスのパン」の焼きそばパンを購入。

ちなみにダイヤ改正後は岩見沢11:08の2325Mは2326Mの折り返しになって仕舞いましたが、以前小樽-旭川直通列車だった名残で小樽08:12の145Mは721系の3両+3両での6両編成が必ず入りますので、721系ファンは覚えておいてもソンは無いかもです。

滝川までの車内は賑やかな女性3人組が目立っておりました。どうもライトな乗り鉄さんのようで、アイヌ語由来のこのあたりの地名がツボだった模様。光珠内(なんか不思議な地名だよね!)茶志内(お茶しない!って軟派なかんじだよね)とか。なかなか視点が面白い。

滝川は駅前広場が改装中。駅は数年前にエレベータ設置などバリアフリー改良を行いましたが、肝心の駅前は前時代的な地下通路やバスターミナルまでの段差などかなり不便であって、これを改良する模様。完成予想図ではバス停も4バースあるが、中央バスは現バスターミナルを維持となっていて、どういう路線が乗り入れるのかわからない。
あたりまえだが、バス乗り場が広範囲になればなるほどわかりにくくなるわけで、現時点で滝川は中央バスグループ以外のバス路線が無いわけで、中央バスターミナルまでの導線をちゃんと確保していれば駅前にバス停を設置する理由はないし、逆に駅前にするなら当然バスターミナルは廃止しなければならない。
後から市のホームページを見たが、どうもそのあたりがちゃんと練られた感じを受けない。検討委員にバス会社もJRも入っていないため、バスの待合室を駅と一体にするのかも決まっていないし、そもそも今まで暖かいバスターミナルで待ち、バス到着後の音声案内でバスに乗るという行動が、駅前のふきっさらしのバス停で並んで待つようになることが受けいられるとも思いにくい。バス停を駅前に設置するというなら高速バスを含めた総合案内と待合室整備と一体になるべきだろう。そういうソフト面が見えない駅前広場は総じて失敗する。

そして滝川の駅前商店街の寂れ方も酷い。西友なきあとのスマイルビルは閉鎖が決定しており、中心街の空洞化は否めない。駅前の病院ビルも閉鎖されているような状況。駅を降りても満足に食事を取れるような店が見当たらない末期的な状況です。


中央バスの滝川ターミナルは以前に比べるとかなり本数が減っていることがわかります。札幌行きの高速バスすら現在は1時間1本程度、15分間隔で内回り外回りのような形だった市内バスも30分おき、岩見沢方面に至っては今や直通のバスすらありません。
これから乗る芦別行きも、最盛期は20分程度の間隔で運行されていましたが、今は1時間おき。それでもJRの普通列車より本数が多いため便利なはずです。

乗車したのは6名ほど。市内中心部を巡る中で数人増えましたが、結局10人よりは増えない感じ。
鉄道から大きく離れる国道を行きますが、駅に近い東滝川で数人下車、線路を越えて見えてきた鉄塔が昨今ロケット関係で有名な植松電機。その後も集落を丹念にバス停がありますが乗降無し。赤平で数人降車しまた車内は5人ほどに。
赤平もバスターミナル廃止で駅にバスターミナルと交流センター機能をつけています。旧バスターミナルは少し駅から離れていた上経路的にも遠回りというのもありましたが、ターミナルの廃止では地元はたいして興味を持たず、市は何のアクションも起こしません。(少なくとも検索しても当時の議決なども出ない)
しかし赤平駅の無人化には大いに反対し、その理由が防犯だったり、安全投資のために地方線区の無人化など言語道断などと訳のわからない議事録が出てきます。
地元とすれば本数が多く札幌への直行便の乗車券定期券回数券が買え、遅れを案内する係員もいて、暖を取れる待合室のあったターミナルの廃止の方が問題が多かったはずで、こういうところを見ても市の考えがあまりに現実からずれてることが市の凋落を後押ししてるんだろうと思わざるを得ません。
現在赤平駅は市による簡易委託駅となっていますが、バスの回数券は駅前の菓子屋の取り扱い。普通に考えれば同じ窓口で同様に扱えたっていいはずで、赤平の交通はここに聞けばOKという形にできないのなら何のために簡易委託を引き受けたのかわかりません。それこそJRへの当てつけ(とJRからの委託料収入保持)を満たしたいだけにしか見えません。そもそも観光のため?とか言いながら土日窓口を閉める体たらくです。

赤平で時間調整したバスは芦別に向けて走り出します。市街地を走り警察署などの官庁もありながらもバスの客は全く増えも減りもしません。運転手氏は中央バスには珍しく一言も発せず淡々と運転しているものの、停留所通過時間がどんどん早くなっていることに気がついていない上、信号に気がつくのが遅く急ブレーキ。正直危険運転の類いで、本当に中央バスとしては珍しい光景でした。少々怖いくらいで早く着けと思いながらの乗車となりました。滝川-芦別は700円で、JRは540円です。しかし芦別市の高齢者はバス補助があるため運賃が安くなり、JRを積極的に利用する必要はなくなっているはずです。

芦別のバス停へはわざわざ駅前をぐるっと回り国道に面したホテルの前。この町もターミナルが廃止されており、市内バスも空知交通に委託されている。その空知交通の発着場所は駅前であって、ここも交通の案内はなく、どこも責任を負わない体制になっている。
駅に行ってみるとここも委託は平日のみで、無人化時に設置されたと思われる液晶案内表示があり、現実にはこの案内表示で知りたい情報はほとんど担保される。
駅自体は今となっては規模に見合わない広さで、列車の来ない駅前にタクシーが待機する光景です。これは夕張支線の清水沢なんかもそうですが、地方の駅というのは列車が無くてもタクシーターミナル的な機能があって、街の中を流してはいないけど駅にはタクシーがいる。そしてタクシーを電話で呼べば駅からの距離分の時間しかかからないという意味で無人の駅前に待機するのも意味のあることなのでしょう。

芦別もまた、無人化に相当な抵抗をしましたが、現実に駅利用客は少なくあっさりと簡易委託となりました。ここもバスターミナル廃止時にろくに議論された形跡も無く、JRの時には相当ごねるという意味不明な状況がありました。とはいえ、JRと中央バス、空知交通のキラキラバスとの相互乗り換え起点が必要な認識はあるようなので、今後そういうターミナル的な機能ができることを期待します。

バス停の利用客の会話によれば、あまりにバス利用客が少ないが、どうも近所の人が白タク運行をしていて、ワゴン車に旭川の病院などに有償輸送しているという話があるようで、当然違法なのだけれど現実にバスの本数や行き先によってはそのほうが便利とも思われているよう。逆にこれを合法的に行う方法はあるわけで、バスへの補助金額が街の財政を圧迫する以上、地域の「運転できる人」に車両補助をだして維持する方法はもっと検討されてもいい。
少なくともこの地域にフルサイズのバスをいつまでも維持できる環境があるとは思えないのだ。


芦別は約15分接続で旭川ターミナル行きに接続。ここもかなり便数を絞っているものの何とか運行している路線。渓水町付近までは滝芦線と同じ停留所を戻る形になります。車内は思ったより乗ってて10人程度。バスマニアっぽい人が3人ですが、地元のご婦人方も乗ってるのは心強く感じます。
途中何度か見かけた空知川は濁流が流れ、いつもより相当水量が多いことが伺えます。今も水の引かない地域があるという状況で、既に雨が上がってこれだけ経っても川の流量が引かないところに今回の水害の規模が伺えます。車窓で見かけた常磐の芦別ダムは恐ろしいほどの水しぶきを上げて水が流れる様を見せています。
車内は常磐までにほぼ降りてしまって車内は5人、鉄道ができていたとすれば渓水町付近の高根信号場(現在廃止)付近まで根室線を走り分岐する予定だったはずです。
道道4号線を走り、雨が降ってきましたが、車窓に築堤も確認できず、まぁ、それは仕方が無いところです。
新城付近で2人が下車し、ついに車内はマニア3人だけという惨状。新城付近は道道が付け変わっていて新しい橋ができていますが、このルートが鉄道予定地で、その土地を道路に転用しています。路盤は新城の先で工事終了のはずですが、本当に全く線路路盤の見当も付きませんでしたね。
深川市にはいって延命寺前で法事帰りっぽい方が大量乗車。とはいえ6人程度の乗車でも車内は華やかです。旭川市に入ってバスは国道12号線に合流。神居支所あたりが新神居古潭駅予定地だろうかと思いますが、どう石狩川を渡り納内に行く予定だったのかは興味深いところです。神居古潭のバス停で下車。芦別-神居古潭は900円です。


国道もこのあたりはトンネルで付け変わっていることもあって、バス停はトンネルのかなり手前にあり、旧神居古潭駅まではなんのかんのと1km近く歩くことになります。
石狩川も濁流が流れており、木橋が揺れるほど。もちろん橋脚はちゃんとしているはずですが、この付近は川が蛇行し狭くなっていることも有り流れが急で怖いほどです。
神居古潭駅は言わずと知れたスポットで、解説しているサイトも多数ありますので、ここでは取り上げませんが、結構観光客も多く人気のスポットのようです。もちろんみなさん車でのご来場ですが。

この函館本線旧線はサイクリングロードとして整備されているのですが、この神居古潭と伊納駅付近が通行止め、その先は近文付近までこの夏は開通していますが、未開通区間は既に2億円程度の費用を掛けているものの開通できず、例によって某新聞が税金の無駄と騒いでいるわけです。しかし現実的に春志内トンネルを自転車で通過するのはほぼ無理で、かといってトンネルの迂回路は旧道だが全く整備されていない。ちょっと検索するだけでも道がわかりにくく結局トンネルを押したなどという事例に事欠かない。北海道の国道は自転車歩行者にとことん優しくない。札幌-旭川の幹線ですらこの有様で、せめてトンネルを回避できる神居古潭ルートくらい整備しても罰が当たるまいと思う。

私は開通している納内側を歩きで行こうという算段。約6kmの道のりなはず。列車の時間まで1時間半ですので、なんとかなりましょう。蒸気機関車が3両並ぶ構内を出ますと、すぐにトンネル。巻立てが新しくなっていますが明治生まれのトンネルですよ。
その後は実のところ川沿いながら川は見えずな森の中を歩くことになります。多少路面は荒れていますが路肩の草も刈ってあり多少虫が多いのを除けば快適です。さすがに熊は出てこないと思いますが、誰も歩いていませんし1台の自転車ともすれ違いません。本来歩きはどうかと思いますが、まぁ、かまわず行きましょう。
左側に田んぼが見えてきまして、水管橋(神竜水管橋)が渡っているのが見えます。神居古潭より上流の神竜頭首工で取水された石狩川の水を神居古潭や深川地区に送る働きをしています。この水があるから先の神居古潭あたりの農業が行えるわけですね。いくら川が近くてもその水を汲み上げることは難しく、上流から取水して流すのは理にかなっています。
そうこうしているうちに右側に現函館本線が見えてきました。左派ポンプ場で先ほどの神竜頭首工からの水が片方は水管橋に、片方がここに流れてきます。水路に水は無いのはその時期では無いのもありますし、現在の濁流を取水すると泥などが設備を破壊することになります。
ちょうどこのポンプ場付近でサイクリングロードが急に蛇行。このあたりが現線路との分岐と思われます。
水路に沿って歩くと道道87号線に合流してここがサイクリングロード終点になります。よほど気をつけないとここがサイクリングロードの入り口とは気がつかないでしょう。

道道を歩きますと道央自動車道を潜ります。ここのバス停が高速納内バス停の最寄りのはずなので、高速バス停にも行ってみます。それほど歩きませんでしたが、高速バス停「虫多すぎ」です。とても写真を公開できないというか、虫嫌いの人はここの階段を上がってバス停にたどり着けないかもしれません。
上り側のバス停には10台分の駐車場が用意されていてパークアンドバスライドができるようになっていますが、車はなし、そしてバス停は虫多すぎ。このバス停の管理は道路会社なのかバス会社なのかはわかりませんが、ここまで管理されていないと利用客も少ないのかもしれません。何度か高速バス利用時にここの利用客を見たことはあるんですけどね。
ここを通る高速バスは主に「あさひかわ号」で、旭川方面も札幌方面も乗車可能です。昼間20分間隔で便利なのですが、車が運転できるならそのまま車で目的地に行くのかも知れません。

増毛行きの単行気動車を踏切で見送り、ここからは線路脇のダートを駅まで歩きます。田んぼばかりですが、ちょうど神居古潭き電区分所を発見。さらにセクション区間を横目に進みます。その先でまた農業水路を発見。名前のわからない分流堰で多分先ほどの水路と繋がっているはずです。線路から見える広大な農地はこういう農業用水が無いと耕作できないわけで、その水路が線路と並行している様というのを考えると線路と水路は必ずしも無関係では無いのです。

納内駅は深川市の納内支所と同居しています。ホームに花壇などもありよく整備されています。農業倉庫や製材所があり、当時は側線も多かったように見受けられる駅裏も含めて好ましい感じの駅と思います。駅が利用客が少ないながらも人が集まるスペースであるというのは大事なことだと思うのです。こうなると乗車駅発行機も無い完全な無人駅ですが、折角日曜日も市職員が常駐していますので簡易委託すればいいのにと思ったりします。

無事に岩見沢行きの列車に乗り継げました。今日は少々歩いたのでここでおしまいにします。
秋の乗り放題パスは3日連続なので基本的にパス。冬はなかなか日数的に厳しくて最近出歩いてないんですよねぇ。

北海道の交通関係 JR北海道 路線バス 一日散歩

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