北海道の交通関係

北広島にファイターズが移転した場合の観客輸送

2016/10/21

まだいくつかの報道機関が報道しただけではありますが、北海道日本ハムファイターズは現在のフランチャイズ札幌ドームから北広島市内のきたひろしま総合運動公園に移転することがどうも本決まりになりそうな雰囲気です。

きたひろしま総合運動公園は横に千歳線が走っていますが、駅は無いので、北広島市としては請願駅を設置したいとの考えのようです。しかし、このまま駅を設置し快速エアポートを臨時停車させるという方法ですと当然そのままでは2万人以上の客を輸送できるとは思えないわけですね。

現行の地下鉄東豊線ですと、2万5000人の輸送には4両編成500人の定員ですから、180%程度の乗車率で900人、全て運ぶのに28本必要ですから、ざっと2時間程度は満員の状況が続くわけです。(実際には試合終盤で帰る方や、試合後にも残る方もいますのでなんとかなっていると思われる)

仮に新球場の収容人数3万5千人、鉄道利用者2万人として、現在の時間6本程度の列車で運ぶなら733系の6両編成の定員が821名なので、3時間以上はかかるわけですね。これでは話になりませんから当然臨時便を出す必要があります。

・新駅の構造は
最も安い方法は上下線1本づつのホームによるものです。しかし、これでは増発がほとんどできません。
上下2線づつの構造、これは現行北広島駅等でも行っているわけですが、本線を抱き込む形で2線から3線あると理想ですね。

・ナイター輸送
ナイトゲームが終了する21時台から22時台は貨物列車が意外と多い時間でもあります。特に苫小牧方面への貨物列車は新札幌で札幌方面への線路を一時的にふさぎますので、ダイヤの構成は思いの外大変です。
また、この時間帯は新千歳空港の着陸も多く、快速エアポートが混雑する時間です。できる限り快速に乗せずに各駅停車列車および臨時列車に乗せなければなりません。(逆に千歳方面は快速列車に誘導する手がある)
とかく、千歳線はこの時間でもほぼ4分間隔で快速・普通・貨物・特急と走っており、あまり臨時を入れられないのが辛いところです。できるだけ新札幌以外無停車で、並行ダイヤで走る形しか難しいかもしれません。

北広島 札幌 行先 列番 種別 両数
20:05 20:22 札幌 3963M AP
20:07 20:31 手稲 1831M
20:13 20:32 ---- 臨快
20:17 20:34 札幌 17D 特急
20:20 20:37 小樽 3965M AP
20:22 20:46 手稲 2833M
20:28 ---- 札タ 99レ 貨物
20:30 20:49 ---- 臨快
20:35 20:52 札幌 3967M AP
20:38 21:03 札幌 1835M 普通
20:42 21:05 ---- 臨普
20:46 21:08 ---- 臨普
20:50 21:10 札幌 3969M AP
20:54 21:19 ---- 臨普
21:00 21:22 ---- 臨快
21:05 21:25 札幌 3971M AP
21:07 21:31 手稲 1837M 普通
21:10 21:35 ---- 臨普
21:13 ---- 札タ 8895レ 貨物
21:14 21:38 ---- 臨普
21:18 ---- 札タ 2092レ 貨物
21:19 21:39 ---- 臨快
21:24 21:44 札幌 3973M AP
21:27 21:46 ---- 臨快
21:31 21:48 札幌 19D 特急
21:33 21:52 ---- 臨快
21:36 21:55 札幌 3975M AP
21:38 22:04 札幌 2839M 普通
21:41 22:06 ---- 臨普
21:46 ---- 札タ 3063レ 貨物
21:48 22:08 ---- 臨快
21:50 22:10 札幌 3977M AP
21:53 22:13 ---- 臨快
21:58 22:15 札幌 40D 特急
22:00 22:20 ---- 臨快
22:04 22:24 ---- 臨快
22:10 22:29 札幌 3979M AP
22:12 22:41 札幌 1841M 普通
22:17 22:33 札幌 21D 特急
22:18 22:38 ---- 臨快
22:22 22:42 ---- 臨快
22:25 22:45 小樽 3981M AP
22:28 22:48 ---- 臨快
22:32 22:52 ---- 臨快
22:36 22:55 手稲 3983M AP
22:42 22:58 札幌 4012D 特急
22:43 23:09 札幌 2843D 普通
22:46 23:11 ---- 臨快
22:49 ---- 札タ 95レ 貨物
22:55 23:15 札幌 3985M AP
23:06 23:28 札幌 2845M 普通
23:13 23:32 札幌 3987M AP
23:16 23:43 手稲 1847M 普通
23:22 23:40 札幌 23D 特急
23:26 ---- 札タ 3053レ 貨物
23:32 23:54 手稲 1849M AP


・デーゲーム輸送
ナイトゲームより厄介なのがデーゲーム輸送です。実は18時-19時台に札幌ターミナルに到着する貨物列車が5本あり、特急も4本あります。こうなると貨物や特急の直後に快速便を出す形の増便しかできず、白石待避の普通列車も2本ある始末。19時台はほぼ臨時を入れる隙間がありません。ただ、、札幌ターミナルから出てくる貨物列車は無いのが救いでしょうか。

・車両
待避を避けて臨時を出すのはかなりな苦労です。このようなパターンに入れて、終了と同時に臨時を出し始めるようなパターンになるのかなと思います。臨時の本数は出せますが、快速並行か普通並行かという形になりますね。

車両は「球場駅」に3編成、西の里信号場に1編成、時間帯に寄りますが千歳に1編成、サッポロビール庭園に1編成、島松に1編成待機という形で、7本を出すことができそうですが、これが帰ってきてもう一度輸送できるかは微妙なところです。


・結局のところ
いずれにせよ実現時期が快速エアポートの「増発」の時期と一致するなら、完全に輸送体系を変えるくらいの変化になります。札幌圏の車両を全てロングシートにし、札幌ターミナル出発の貨物列車進入設備や待避線の増加。新札幌の交互発着設備、さらには複々線の延長も検討の一つでしょうね。現在の複雑な運行パターンではとてもファイターズ輸送は難しいと言わざるを得ません。そこまで考えて北広島市やファイターズ球団がこの位置に決めたのかは大いに疑問です。
それなら札幌ドームの方がよっぽどマシではないかと思う部分です。




(コメント追記)
なお、貨物・特急通過時刻は想像。札幌駅に入るだけしか考えていないので、このダイヤが実現できるのかは再検討が当然必要です。


現行の721系-733系が9両を想定したシステムになっていないのがネックですね。一時的に留置することを想定した西の里信号場も千歳方の待避線が6両に制限されていまして、札幌圏ではやはり6両というのが単位ではないかと思います。
北広島市が、どのような想定でいるかわかりませんが、留置線について、全く想定していないと思うんですよね。単にホーム作ってエアポートとめりゃいいくらいに思っていそうで怖いですね。当然JR側は利用想定数から最低3本の留置線は譲れないと思いますし、それ以外の駅も待避線の余裕(数)が全く余裕がなく、臨時出すための車両を置いておく場所が本当に全くないんですよ。

当然駐車場は作ると思いますが、274号と道都大学側の道道しかアクセス路がないので、共栄の交差点とかカオスになりそうですね。多分まともにアクセスバスが動けなさそうですし、そうなるとどうしても千歳線の需要が高くなる。でもそれを(たぶん)ろくに考えていないと思うのがなぁ。

もちろん札幌ドームの件はよく存じていますし、個人的には札幌市のやり方は気に入らない。しかし、多少アクセスを悪くして、始発の地下鉄(しかも奥に3線留置線がある)でとりあえず大量輸送をさばき、羊ヶ丘通りと36号線で車とバスアクセスを担保するドームの方法は完ぺきとは言わないながらもある程度理に適っているんですよね。時間距離の問題もありますが、今の千歳線にそのまま野球アクセスで最低でも1万人輸送するのはかなり厳しいと言わざるを得ません。よほど北広島市が頑張らないとですね。

ダイヤについては参考させていただきます。これ見ても、本当にデーゲーム終了時のダイヤはかなりタイト。というか、たぶん増便できてもかなり厳しい。



予定地に線路用地としてそれだけ用意できるかってのもあるんですよね。留置線を上下線間にするなら、かなり本線を移動することになりますし、札幌方に線増するならこんどはホームをそれなりに作ることになり、それまた大変。いずれにせよ簡単に請願駅でかたずけられるとは思えないんですよね。

ナイター終了後にボールパークである程度遊べるようにするとか、食事できるとか、そういうので変わってきそうではあるんですが、球場と駅の場所が近すぎると甲子園駅や西武球場前のようなかなり緻密な輸送をしなければならないんですよ。横浜のような特に増やさなくとも元の本数があったり輸送力があるならともかく、元の輸送力が時間4000人程度の路線ですからねぇ。

札幌市は暢気すぎるのもちょっと怪しいですが、何か策があるのか、本当に考えていないのか。

北海道の交通関係 JR北海道 北広島球場輸送 千歳線

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