北海道の交通関係

聞いてきた①地域公共交通シンポジウム in 札幌 ~北海道における持続可能な交通体系の構築に向けて~

2017/06/08

国土交通省北海道運輸局主催の「地域公共交通シンポジウム in 札幌 ~北海道における持続可能な交通体系の構築に向けて~」を聞いて参りました。

内容は

【第1部】
○話題提供1 「地域公共交通における最近の動向、国の支援策について」
国土交通省総合政策局公共交通政策部 交通支援課長 杉山 忠継
○話題提供2 「地方鉄道の現状とJR北海道の状況について」
国土交通省鉄道局 鉄道事業課長 大野 達
○基調講演 「「鉄道を残す」から「地域公共交通を守り、育て、活かす」へ!」
名古屋大学大学院環境学研究科教授 加藤 博和 氏
○事例発表1 「近鉄における地域鉄道線への取り組みについて」
近畿日本鉄道株式会社総合企画本部計画部長 福嶌 博 氏
○事例発表2 「鉄道事業再構築(上下分離)の取り組みについて ~北近畿タンゴ鉄道(KTR)から京都丹後鉄道(丹鉄)へ~」
京都府建設交通部交通政策課長 寺井 豊 氏
○事例発表3 「見える化と地域興しによる交通まちづくりの取り組み」
イーグルバス株式会社代表取締役社長 谷島 賢 氏

【第2部】
○パネルディスカッション 「北海道における持続可能な交通体系の構築について」
 【パネリスト】
 近畿日本鉄道㈱総合企画本部計画部長 福嶌 博 氏
 京都府建設交通部交通政策課長 寺井 豊 氏
 イーグルバス㈱代表取締役社長 谷島 賢 氏
 国土交通省鉄道局鉄道事業課長 大野 達
 【コーディネーター】
 名古屋大学大学院環境学研究科教授 加藤 博和 氏

というもので、4時間ちょっとにわたり開催されました。

個別の内容はとりあえずさておいて、国土交通省がこのタイミングでこのようなシンポジウムを開催したからには「国土交通省」として訴えたいものがあったからだろうと思われるわけです。それが「地方公共団体(特に市町村)」の役割の明確化です。

交通問題に興味を持つ方は
・交通政策基本法(2013)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport_policy/sosei_transport_policy_tk1_000010.html
・地域公共交通活性化再生法(2014)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000055.html
はある程度理解していると思います。当然この中に国、都道府県、地方自治体、交通事業者の役割が明記されているわけで、少なくとも北海道の多くの首長が言う「一企業と自治体の話し合いで決めるべき問題ではなく、協議会には乗れない」とか「JRと沿線自治体との協議によって解決しようとすることは、非常に拙速な行為」というのはこの理念をわかっていない自治体側(もしくはわかっていながらにしての「時間稼ぎ」)の問題がありましょう。地域の公共交通を事業者に任せきりにしてもその事業者の「収益とやる気」以上の利便にならないことははっきりしています。

今回のパネラーは国、都道府県、事業者、学識者という集まりです。ほぼ全て地域の交通機関を残すためには自治体の責任と、実際の住民の利用(熱意)が大事であると話しているわけです。

このことは当然国(国土交通省)側は自治体の覚悟が支援の前提と行っているに等しいわけですし、現実的に昨今急激に「法律」として整備された感があって、自治体担当者に全く理解されていないところからスタートしてるわけです。

今回のシンポジウムはまずその「自治体」の役割について先進事例を紹介し、JR北海道問題に限らず、地域交通機関の再構築を目指そうという観点があるように思えます。

だからこそ「国の支援策」、「学識経験者の地域公共交通論」、「鉄道会社から見た上下分離」、「都道府県から見た上下分離」、そして「地域内交通の肝になるバス」の事例で紹介されているように思うのです。

ここから導き出されるのは、各自治体がJR北海道問題を鉄道の存廃、補助金や上下分離で金を出す話よりも、地域の交通網をもう一度見直して、無駄の無く、利便の高いものにすることに知恵を絞り、鉄道事業者、バス会社とともに「地域の維持を図る」ことを望んでいて、既に鉄道とバスが同じような時間に併走しているような状態に金は出さないぞという強い意志を感じるということです。

京都丹後鉄道の事例で「大丹鉄祭り」と銘打って京都交通、丹後海陸交通、全但バス、ウィラーバスが集まって手を組んでるなんて、少し前の「常識」では考えられないことです。
また、イーグルバスの事例で川越を走る全バス会社が共同で事業を行う(西武バスも東武バスも入ってる!)こんなことも、以前の「あの会社が入ってるならウチは協力しない」なんてことは事業者としてもできないという時代に来ているわけです。
それは事業者が既に運賃収益だけで食えている時代では無いことの裏返しでもあります。地域に協力しない事業者は退場せざるを得ませんし、退場したところで他の地域で収益を上げられるわけでは無いのです。あくまで地域の客がいるからこそ補助金等も受け取れ、事業を継続できる。既にそういう時代な訳です。

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