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北海道の交通関係
石狩月形の朝通学事情を少し調べてきました
2017/06/23
出張がてら少し早起きしまして、石狩月形、月形高校の通学事情を見て参りました。
札沼線の非電化区間はJR側が廃線バス転換を提案している区間ですが、これに強硬に反対する月形町はその理由として通学生が多く使っているからを上げています。
たとえば北海道新聞2016/11/10付「札沼線存続を要望 3町長「地域基盤の支え」」では
>月形町の上坂隆一町長は、月形高の約3割の生徒が札沼線を利用している現状などを強調。JRはバス転換などについて具体的に言及はしなかったものの「厳しい経営状況をご理解いただきたい」と述べたという。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0336408.html
(会員外非公開記事)
と、月形高校の生徒の3割という高率で札沼線を利用していると明言しています。
月形高校は今年度から1クラス減少となっていますが、117人の生徒が通っています。その3割といえば35人程度となります。
(生徒数は北海道教育委員会北海道学校一覧に今年5月現在の情報があります)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/chosa/gakkou-i/2016gakkou-i.htm
月形町内も含め、この学校に通学する交通機関は以下の4種類に限られます。
・札沼線 石狩当別発新十津川行5425D(石狩月形8:17着)
・ニューしのつバス 江別駅前発新篠津経由月形高校行(月形高校8:20着)
・中央バス 岩見沢発月形駅前行(月形役場8:28着)
・札沼線 浦臼発石狩当別行5424D(石狩月形8:34着)
これ以外に通える交通機関は(後述のスクールバスを除き)ありません。
では早速2017年6月21日水曜日の各交通機関の利用者です。
・江別・新篠津からのニューしのつバス利用者。2名全て高校生。
・当別発新十津川行5425D、月形下車客8名、うち高校生6名。
・岩見沢からの中央バス利用者。19名全て高校生。
そして
・浦臼発5424Dの月形下車客。2名全て高校生。
私、目を疑ったのですよ。今日は平日ですけど、もしかすると試験期間や修学旅行とか何かイベントがあったかもしれません。しかし、岩見沢からのバスから20人近く降りてきている状態で、まさか、5424Dからわずか2名(2人とも高校生)ってのは想像だにしていなかったのです。
Twitterではこの話を受けて、この日が1年の宿泊研修で生徒の1/3が乗っていなかったのでは?という話があったのですが、それにしても月形高校の現在の1年の生徒数は27人ですので、彼らが全員札沼線を使うという考えられないような状況が無い限り、月形町長のいう生徒の3割が札沼線を使うということはあり得ないわけです。
私もこの日何らかのイベントがあるのでは?と想像していたんですが、中央バスが20人程度乗せており、ショート車1台運行ですのでとても普段この倍乗るという状況は考えにくく、また、札沼線の乗客が倍であってもとても町長の言う数にはなりません。
さて、では、なぜここまで鉄道利用が少ないのかという話ですが、月形町内はスクールバスが運行されています。このスクールバスは小学生、中学生対象(いずれも町内には1箇所しか無い)ですが、一般利用者も無料で混乗させています。
月形町のスクールバスは以下に記載があります。
・町内の交通確保のために、住民混乗が可能なスクールバスを運行しています。(3系統)
http://www.town.tsukigata.hokkaido.jp/3001.htm
このスクールバス、北系統は豊ヶ岡、札比内。南系統ABとも月ヶ岡、知来乙の各駅付近を通過します。月形高校最寄りの月形中学校には8時前後に到着します。運賃は無料です。
2009年の記事ですが、町議会議員がスクールバスの実地調査をブログに掲載しています。
http://www.yumiko3.net/blog/2009/02/post_190.html
この記事内ですら知来乙地区の高校生が5人利用、札比内地区地区の高校生が1名利用しています。
スクールバスは中学校前で下車を確認するのが容易ではなく(駐車スペースがない上に、明らかに怪しい人になりますんで)今回調査しなかったんですが、すれ違った南地区Aバスには高校生らしき姿を確認していますので、少なからず利用があるものと考えられます。
こうなりますと、札沼線を利用する「高校生」は浦臼町内から通う4名、当別方面から通う6名+α(本来の通学範囲から月形町民と思いたいんだが・・・)しかいないわけで、かなり寂しい話です。
月形町はJRバス撤退時に自前の町営バスを立てず、バス路線そのものを廃止しました。これができたのはスクールバスを運行できるとふんでいたからで、それ以上の一般利用なんか見込めないことははっきり認識していたわけです。
仮に札沼線が廃止になったとして、このスクールバスを拡充すれば町の足としてはそう困らないということもいえてしまうわけです。
ちなみにスクールバスの補助制度は車両購入が文部科学省補助、運行費は普通交付税措置ですが、通学生の他に一般客(高校生含め)を乗せる場合は旧80条認可だったと思われます。月形は無償輸送なのでそれすら不要で(運輸局への相談は必要だろうが)今更町営バスとしてやりたくないという本音も見えます。
このあたりが月形が頑なな理由の一つかもしれません。ほぼ月形への需要が無い上に町営バスを持つ浦臼と中央バスが並行運行する新十津川はたいして困らず、月形高校の維持と住民の足をこれから考えなければならない月形は札沼線を廃止されれば今まで一切考えなくて済んだ交通関係の面倒ごとが全て降りかかるわけです。
この日、札幌まで行く一人の女性が列車に乗り込みました。月形で当別行きの5424Dに乗り込んだのはこのほかに数人。窓から見える車内は本当に寂しいものでした。
今回は1日だけの調査でありますので、できましたら年内もう一度調査したいものだと思っております。また、冬期に客が増えるのかも確認したい部分ですが、その前にある程度の結論は出るのでは?という印象ではあります。
2017年8月23日に再調査を行ってきました。
この日は夏休みが終わり学校が再開された直後であり、特に学校行事が無いことを確認した上でのものです。前回数字は2017年6月21日水曜日のものです。
・札沼線 石狩当別発新十津川行5425D(石狩月形8:17着)13名(前回6名)
・中央バス 岩見沢発月形駅前行(月形役場8:28着)23名(前回19名)
・札沼線 浦臼発石狩当別行5424D(石狩月形8:34着)5名(前回2名)
なお、今回は新篠津村営バスの到着時刻に間に合わないため、そのデータはありません。
また、石狩当別-石狩月形の間での乗車は無く、当別側から通う高校生は全て月形町内では無く当別町内(または札幌市内)からの生徒と考えられます。
冬期に需要が増えるのかは一度調査したいとは思っております。