北海道の交通関係

「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2

2017/08/14
前回はこちら
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=816


ちょっと時間があきましたが、8月2日の行程その2です。前回は札幌発で奈井江・芦別という土曜日曜祝日に購入できない駅を巡って深川までやってきました。今回はその続きです。


「わがまちご当地入場券」の施策はJR北海道としては正直手間ばかりかかってそれほど利が無い施策となりましょう。乗りもしない170円の切符が売れたからその170円が丸儲けになるわけではありません。一旦デザインを決めたらしばらくは変えないというのもありましょうが、そのデザイン、印刷、委託関係の費用、各委託先への指導や発券のための備品等の手間を考えるとこの170円ではとうていペイするわけが無く、車で各駅廻って170円づつ買うのがJR北海道への「布施」なんて思うなら認識誤りもいいところです。少なくともJRに金を払って乗るというのが大事なことです。

とはいえ、私も今回収集のルールは「その駅に降りることのできる乗車券類を持っている」ですので、青春18きっぷ等のそれほどJRに利のあるきっぷではないところは自分でも残念に思うところです。


●留萌行き4925D

さて、留萌線は昨年留萌-増毛が廃線になり、留萌-深川のみが残っています。ダイヤ的には以前のダイヤを踏襲しており、少々非効率なダイヤで走っています。これから乗る4925Dも折り返しの関係上2両運行で、運転士も2名乗務ということになります。後ろの1両は締め切り扱いとなります。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2

車内は30人程度と思ったより乗っています。夏休みということで観光客、乗り鉄がいるのもありますが、一応は地元の足としても利用されている感じがあります。その地元客も北一已、秩父別、石狩沼田で終わり。その後は留萌まで一切の乗降無く進みます。
この列車の直前に留萌行きのバスもあり、補助金ありの路線バスと留萌線が客を取り合うという非常によくない展開です。しかも当列車が深川11:09に対して、深川発の沼田駅前行11:01、留萌行き11:04となっていますので、正直需要が違うとはいえ、地元も鉄道を残す意思というのは考えられないわけです。

乗った車両は0系新幹線の転換シート付きの車両で、今もテーブルは生きています。窓と座席が合っていないのですが、ちょうどいい場所を見つけて着席。窓を開けると今でも留萌線の一部の列車が発着する深名線で使っていた6番線が見えています。

1時間ほどで留萌に到着。今日はすぐに折り返します。留萌線を全線乗車するとクリアファイルをプレゼントされるようです。


●留萌駅(留萌市)

留萌駅は今も直営で残っており、若い駅員氏がてきぱき対応しています。営業時間は07:50-16:20です。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
留萌市は人口22000人。80年代は3万5千人程度はいましたので、やはりここ数年で大きく人口を減らしています。ここから北に宗谷線幌延を目指す羽幌線がありましたが1987年に廃止されています。当然「鉄道が無くなったから過疎になった」わけではありませんが、水産の衰退、地域の中心地としての魅力が交通機関の発達で無くなったことも過疎の理由な訳ですね。

なお、市内に2校高校はありますが、JRでの通学は増毛方面の存続時代も含め一切いませんでした。バス通学の補助が手厚いこともありますし、沿岸バスの市内線が充実していた経緯もあります。現在は人口減少もあり見る影も無い留萌市内線バスですが、逆に通学に特化したダイヤになってるのは見て取れるところです。

また、現在深川との自動車専用道路「深川留萌道」が大和田まで開通しており、その後留萌ICまでの工事も進んでいます。この高速道路は無料で、札幌でも旭川でも非常に短時間で行くことができる以上、仮に留萌線がどのように頑張ったところで勝ち目など無い訳です。札幌に直行する高速バス「るもい号」ですら毎度改正毎に便数を減らしていることからも明らかなわけです。

増毛、小平との合併も頓挫した以上「公務員の町」である留萌市が今後どう生きていくのかは注目しているところです。鉄道路線を維持できないのは既定路線としても、バスも含めた交通をどう維持するのか、また地域自体をどう維持するのか。そういう地域なのです。

「わがまちご当地入場券」を購入。表面は廃止区間である瀬越駅に停車するキハ54写真、裏面は黄金岬、千望台、ゴールデンビーチです。深川駅を含めて留萌線4駅の裏面は共通のロゴがついています。


●深川行き4928D

先の2両のうち後ろ側だった1両がこの列車になります。残された先ほど乗ってきた1両はその後の4930Dになるわけです。留萌線の車両運用は今も3運用残っており、回送もいくつか走る非常に効率の悪いものとなっています。留萌線を留萌への都市間輸送と割り切って、きっちり特急接続するように改め、なおかつ2運用程度に効率化することも必要なのでは?と素人目には感じます。

こちらの車両はキハ183系あたりから外されたリクライニングシートで座席の回転ができないタイプ。車内は先の列車の折り返しの方も含めて15人ほど、地元客らしい方はいません。
建設の進む高速道路と、開通した高速道路のまばらな車を見ながら進みます。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2


●石狩沼田駅(沼田町)

この駅で降りたのはワタシ一人。代わりに数人の乗車があったので、やはり石狩沼田と深川は地域需要があるのがわかります。それと留萌-(深川)-札幌・旭川の需要が留萌線を支えるわけです。それに特化したダイヤは必要でしょう。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
さて、この石狩沼田駅も長く簡易委託駅として地元が請け負っており、土曜・日曜・祝日は窓口を営業していません。そのため平日しかご当地入場券も購入できないわけです。営業時間は07:20-09:00・09:30-11:20・12:30-13:40です。
JRの案内には休憩時間が明記されていませんが、この休憩時間があるので、先の列車では無く、一旦留萌から折り返してきたわけです。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
沼田町は人口3000人。90年代でも5000人程度はいましたので、ここ数年で大きく人口を減らしています。過去には恵比島から分岐した留萠鉄道があり、雨竜、昭和、太刀別炭鉱を抱えていましたその頃は8000人以上の人口を抱えていたわけです。
現在は町営バスがほろしん温泉への運行を行っています。これが留萠鉄道の代替となります。70年代から町営バスで運行する全国的にも早い時期から運行する町営バスです。
深川-留萠の路線バスは沼田を経由しませんが、深川-沼田の路線バスが空知中央バスにより運行されています。

無事に「わがまちご当地入場券」を購入。表面は恵比島-峠下のキハ54写真、裏面は幌新温泉に保存されている留萠鉄道のクラウス15号機です。なお、この駅では近距離切符を常備軟券で売っていますので、深川までの1枚だけ購入しました。


●空知中央バス沼田線

さて、列車を見送りましたので、ここから秩父別は空知中央バスで行きます。13:15の発車ですが、全く客が集まらず結局一人で出発です。鉄道とは経路が違いますが、結局誰も乗ってきません。270円
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2


●秩父別駅(秩父別町)

バスを降りますとすぐに道の駅にダッシュです。この駅の「わがまちご当地入場券」発売箇所は「道の駅鐘のなるまち・ちっぷべつ」で駅から少し離れています。営業時間は9:00-17:00です。
秩父別町は人口2500人。90年代でも3500人程度はいましたので、ここ数年で大きく人口を減らしています。典型的な農村ですが、高速道路が開通したのが早かったり、比較的深川や妹背牛に近いことから自動車交通の利便がいいのも公共交通の利用の少なさに繋がっているようにおもいます。
無事に「わがまちご当地入場券」を購入。表面は北秩父別-石狩沼田のキハ54写真、裏面はローズガーデン(高速のパーキングエリアにある)、道の駅にもなっている秩父別温泉、隣接のキッズスクエアちっくるです。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
ここから猛然とダッシュ。道は頭に入ってるとはいえ、ここを失敗すると後に支えます。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2


●留萌行き4927D

無事間に合って汽車の人。実はここで失敗しても13:48の沿岸バスで碧水に先回りできますが、どうしても今回沼田町営デマンドバスに乗る予定があったので、このルートを取りました。同じルートをご予定の方はやめたほうがいいです。


●沼田町営予約制バス

旧札沼線の碧水-石狩沼田は国鉄バス-JRバス-中央バス-町営バスと変化を遂げましたが、今年ついに完全に町営予約制バスになってしまいました。このため前日に予約電話をかけておいたのですね。鉄道転換バスの維持も問題になっている昨今ですが、結局少ない住民にできる限りの利便を提供するのはこの方法しかないのです。

沼田駅前の観光プラザにやってきたのはシルバーのアルファード。これで事足りるだけの客しか乗っていないと言うことなのでしょう。それでも運転手さんにお聞きすると、時間が決められていないだけに町民が使いやすいということです。その代わり運行時刻は14時半までですので、今回も14時発という形で予約してあります(14時半までに役場に帰る必要があるそう)
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
なお、運賃は100円で大変申し訳ない感じですが、有り難く使わせていただきました。なお、予約制バスはバス経路とは特に関係なく最短距離を直行します。


●北海道中央バス滝川北竜線

札沼線廃止区間でバスとして生き残ったのが碧水から新十津川の間です。とはいえ便数が少なくここもかなり先行きが怪しい路線です。以前にも乗ったことのあるルートですが、改めて客が少ない。とはいえ、高校生らしき方5人程度は利用があったのでホッとしてるところ。
この区間はバスから見える廃線跡はほぼない上単調な区間なので眠くなってしまいますね。新十津川神社で下車運賃は740円でした。ちなみに札幌市内でも使える中央バスの46枚綴り回数券を購入してあり、これを利用します。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2

●徒歩(新十津川神社・旧石狩橋本駅-新十津川駅)

さて、国鉄バス時代にバス-鉄道乗り継ぎをされる方には「橋本町」というバス停はよく耳にしたはずです。それでもよかったのですが今回は石狩橋本駅跡地付近から新十津川まで徒歩で走破することにしました。
それにしても暑くてなかなかキツい感じでしたねぇ。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2

駅の跡地自体は宅地などに転用されていますが、農業倉庫があるあたり、ほぼまちがいなく駅があった感じを伝えます。また、線路から転用されたと思しき狭い道が続いています。この先徳富川の鉄橋が水管橋として転用されているはずですが、これは国道の橋から見えるだけですね。(一度近くで見てみたいが・・・)
約40分歩いて新十津川駅に到着です。


●新十津川駅(新十津川町)

現在は1日1往復ということをアピールポイントにしている新十津川町ですが、人口6800人。90年代でも8000人程度はいましたので、本当にここ数年で大きく人口を減らしています。農村ではありますが滝川に近いことから経済は滝川都市圏、つまりは札沼線利用客など最初からいないわけです。これは5往復あった頃でもそうで、それでも鉄道を残せと言う理屈が全くわからない町です。
そういう意味では、そういうニッチな鉄道マニアの需要だけでも拾わないとならないという町の苦しさもあるのでしょう。しかし、そのための運行負担をJRがせよ国がせよという理論は全く納得できないものです。
「わがまちご当地入場券」は駅前の「寺子屋」という店で販売。営業時間は9:00-18:00ですが、正直この機会が無い限り足を踏み入れたくないような店舗に見えます。券面は表裏ともキハ40の写真です。町のPRポイントがこの駅ということなのか、正直券面内容も疑問です。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2

●北海道中央バス滝川北竜線

新十津川役場前バス停まで歩いて、バスに乗車。新十津川役場は役場庁舎の転回所も含めて4箇所のポールがあるので間違えないようにしなければなりません。浦臼行きはシェルのガソリンスタンドとなり中田洋服店の前から出ます。滝川方面からの客は2名を残して新十津川農高前までに下車、その後は客2人で終点浦臼まで行きます。新十津川からの客は私だけで、ここでも浦臼町と新十津川町がほぼ需要が無いことを示すわけです。
運賃は490円で、JRが260円ですから非常に高額に感じます。それでもバスは補助金無しでは維持できないのです。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
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●浦臼駅(浦臼町)

今回の旅ではまだ発表が無く購入できなかった浦臼町の「わがまちご当地入場券」は鶴沼駅から1km程度の浦臼温泉フロントでの発売となります。今回のルートに当てはめますと、最寄りバス停鶴沼公園前16:46着、浦臼駅まで2.8km徒歩35分程度ですので(他の交通機関は難しい)、17:30発の5432Dには間に合うと考えられます。このため、当駅は「交通機関で走破した」とみなし、後日車などを使って当地を訪れたときに購入できるとします。(自分なりのルール)

浦臼町はついに人口2000人を割りました。90年代でも3000人程度はいましたので、ここ数年で大きく人口を減らしています。浦臼町は北海道でも珍しいコンビニが一つも無い自治体です。ウラウスリゾート問題なんかで検索すると闇もありますが、現在その用地を使ってのブドウ栽培とワイン醸造が行われています。

なお、ご当地入場券表面は鶴沼-於札内のキハ40写真、裏面は浦臼神社のカタクリとエゾエンゴサクです。

さて、バスを降りますと、ちょっとしたラッシュです。16:55に当別からの列車が到着し、17:00に滝川行きの中央バスと石狩新宮行きの町営バスが出発、滝川行きは1名、町営バスは誰も乗せずに出発です。とたんにさびしくなりました。駅に入っている歯科も診療時間終了です。
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●石狩当別行き5432D

17:30に当別行きの列車も出発します。列車も私と1名だけの車内。夏休みとはいえ平日ですのでもう少し乗っていてもいいように思うのですが、本当に列車の利用が少ないです。
この列車は石狩月形で20分程度停車しますので、ここでもご当地入場券を購入できます。これ、お勧めルートですよ。
ただ、本当に車内は寂しいですが・・・
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●豊ヶ岡駅(月形町)

発売箇所は石狩月形駅になります。営業時間は6:00-20:00ですが、当駅は運転扱い駅員が出札しますので列車がいる時間に買うのは迷惑になる可能性があります。
ただ、5432Dの場合、到着後交換の5433Dが到着するまでは売っていただける可能性が高いです。決して駅員さんに無理を言わないように。
「わがまちご当地入場券」収集旅第1回-2
月形町はついに人口3,300人。90年代でも5000人程度はいましたので、ここ数年で大きく人口を減らしています。なお、この町の場合、国勢調査での人口と町の人口が大きく乖離します。国勢調査の場合月形刑務所の受刑者を人数に含むためです。

月形町は町内交通機関がスクールバスのみで、町外輸送も札沼線と中央バスの岩見沢行きに頼る形になるだけ札沼線の必要性は高いものの、とても鉄道を維持できるだけの乗客数では無いことも事実な訳です。

ご当地入場券表面は豊ヶ岡駅停車中のキハ40写真、裏面は月形樺戸博物館と樺戸集治監月形潔氏です。


●石狩当別駅(当別町)

さて、列車に戻ると乗客は10人くらいに増えています。夏休みの学生のようですが、途中ではほとんど降りず、当別まで来てもあまり増えません。通学時期だとどうなのか確認したいところです。


今日最後の購入は石狩当別駅です。ここから石狩管内に入りまして当別町は16,500人ほどの人口。札幌のベッドタウンとして栄えた2000年頃が人口のピークで2万人ほどの人口がありましたが、昨今は高齢化で徐々に減っているのが現状です。札沼線としては当別町の北海道医療大学駅から電化区間で列車の本数も大幅に増えます。札幌へのバスも廃止になっていますので札沼線が大きなウエイトを占めているわけです。
しかしながら、本州でいう「県境」である振興局境ですので、ここから月形方面への需要が少なく、それが列車本数にも表れているわけです。

ご当地入場券表面は石狩太美-石狩当別の731系、735系電車写真、裏面は伊達邸別館です。


今回は10駅の収集ができました。
改めて各駅を降りて、慌ただしい中ではありますが歩きますと、各町の顔が見えてきます。この「わがまちご当地入場券」はあくまで市町村が主体になってやるべきものでは無いかと思うわけですが、町でデザインできる裏面にかなり個性というか「やる気」を感じます。本当に鉄道が必要なのか必要では無いのか、必要だとして、どう残すべきなのか。簡単な問題ではありませんが、当事者である各自治体や住民が無関心なら鉄道を残すことはできません。
あらためてそれを感じる旅になりそうです。

次回はこちら
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カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 わがまちご当地入場券 一日散歩

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