北海道の交通関係

日高線代替バス(半分だけ)乗ってきた。②-2

2017/09/19

前回:日高線代替バス(半分だけ)乗ってきた。②-1
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=824


●おわりに

さて、駆け足でしたが1年ぶりに日高線代行バスを利用してみました。しかし、根本的な「利便」には手が入っていません。
そんななか停留所の増設が密かに行われたことが今後に波紋を広げなければいいなと思うところです。駅と関係なく設置された大狩部(高台)停留所が認められたとなると、代行バス走行区間のなかでも停留所増設の気運が高まる可能性があります。
また、代行バスの所要時間増加が顕著になる一部駅の折り返し運行も現実にその集落の利用が少ないだけに問題になる部分です。

代行開始から3年を迎えて、ほぼ学生が鉄道で通ったことがない現実、本当に鉄道が利便が高かったのかも含めてもう一度あるべき代行の姿を検討し直す時期に来ているのは確かです。

①ダイヤ面

代行バスの所要時間は
鵡川-静内 1時間45分
静内-様似 1時間55分
ほどかかっています。
路線バスは
鵡川-静内 1時間30分
静内-浦河 1時間10分
浦河-様似 30分
程度で走っています。
また、特急便、高速便は鵡川-浦河を2時間程度で走っています。これは国道から地域の駅等を通過しないためにできることではありますが、現実的にその程度で走れると言うことです。これは「鉄道より早い」ということを先ず理解しなければなりません。
そうすると、国道からの直接アクセスの難しい一部駅のデマンド輸送、現在2台運行されている通学便の1台を速達化するなどの方策が取れるわけです。

②停留所設置箇所

もちろん代行便であるからには「駅」を拠点にするのは基本ですが、一部の駅での通過運行を認め、既存バス停留所を使用することで大狩部など一部経路を国道経由に改める。停留所にはバスロケシステム(簡易的なものでいい、前停留所を通過したことがわかる程度の)を設置します。また、汐見などは既存の町営バスを代行バスと一体整備し、代行バスと切り離すことでの速達化は考えたいところです。
また、地域事情を鑑みて停留所の増設を行うこと。一部便で行われている高校前への乗り入れの他、病院、スーパーなどへの停留所増設は結果的に「鉄道が復旧した時に不便になる」としても、どこかで決断しなければなりません。病院前を通過し延々と進んだ駅から利用客を歩かせるような施策は地元自治体が働きかけて改善するべき話です。

③運賃収受

現在車内に運賃箱を設置したとはいえ運賃を両替して支払うことすらできない状態です。静内、浦河(曜日限定)でしか乗車券が購入できない以上バス車内に乗車券発行ができる仕掛け、単純に言えば路線バス的に整理券発行、運賃支払いができる状況を構築しなければなりません。
また、運転手に運賃を扱わせたくないのはわかりますが、高校生の定期券についても不正乗車の横行があることが見えます。
代行バスはフリーライドでは無いことを地域に正しく理解して貰うためにも、運転手の負担軽減のためにも定期券だけでもICカード化を検討した方が良い。理想は日高線Kitacaエリア化です。

④車両

運賃収受にも関わりますが、代行バス運行開始から既に3年経つわけです、各観光バス会社も含め車両の更新等の問題もあります。また、観光型車両を使用することでステップに難儀する方を考えると低ステップ、車椅子等の設備を持った車両の導入が望まれます。
代行輸送が終了した後にジェイアール北海道バスへの有償譲渡も可能な形で車両を導入し、各バス会社に貸与することは考えなくてはなりません。
このとき車両を「日高線代行バス専用塗装」とすることで、JR北海道の路線であることを意識させる必要もあります。

⑤自治体、利用団体との協議

既にJR北海道は単独で鉄道路線として維持しない決意があるのはある程度致し方なく、それに反対する地元自治体の意見そのものも致し方ない部分ではあります。
しかしながら、今問題なのは現実の利用者が非常に不便な思いをしているということです。停留所の増設もバス路線の変更やスピードアップもJR北海道が単独でできるものではありません。利用者である高校生をはじめとする団体と地元自治体、そしてJR北海道が協議し、よりよいダイヤとより利便性の高い「代行バスシステム」を作り上げない限り誰が悪いと言ったところでこの路線はちっとも良くなりません。
代行3年で今本当に利用客のためになる、そして地域のためになる代行バスにならなければなりません。

⑥その先へ

現在本数の必ずしも多くない列車代行バスと、これまた少ない本数の路線バスが同じような時間に走っている非常に良くない状況が続いています。これはJR北海道側の疲弊にも繋がりますが、地元を走るバス会社そのものの疲弊にも繋がる話です。運賃制度も異なり、利用者層も停留所も異なりますが、しかし、いつかこの地域は「交通網」として路線を再編していかなければ人口減に公共交通が耐えられなくなります。

さらに高速道路延伸は高速路線バスを脅かしていきます。一つの町で客を集められないペガサス号は時間がかかるのを承知で鵡川から延々浦河まで下道を走り続けるのです。これではバスの客も奪われる事態になります。

これを避けるには「高速バス・鉄道・代行バス・路線バス」相互乗り換え拠点が必要です。たとえば鵡川、静内、浦河にこの拠点をつけることで、高速バスはこの拠点バス停以外を高速道路で結び、途中停留所を経由しません。しかし、この拠点では接続の路線バスを待たせておき、運賃を通算するような運用ができます。鉄道を残すにせよ残せないにせよ必要な「拠点」になりましょう。
日高管内からの他へのアクセスは「札幌」「新千歳空港」「苫小牧」を最短で結ぶ形を作れなければ話になりません。プラス沼ノ端駅を活用することで日高だけでなく苫小牧近郊の胆振地方も含めた交通利便性の強化を考えたいところです。

いずれにしても今の人口減少を考えると、いつまでもこの交通網を維持できないのは明かです。新ひだか町長は「バス転換はいつでもできる」と豪語されていますが、今の鉄道をトレースするだけのバス代行を未来永劫続けていては日高全体の公共交通は壊滅します。その前に「使う人」が便利な交通網を考えなければならないのです。

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