北海道の交通関係

JR北海道「わがまちご当地入場券」を半分集め終わって

2018/03/09
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https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=833

JR北海道が昨年2017年から始めた施策「わがまちご当地入場券」JR北海道の沿線101市町村に1駅づつ、その町のデザインをあしらった「入場券」を発売するものです。
累計発売枚数は2018年2月現在で約27万枚となりますから単純に4600万円程度の売上があったことになります。私のようにできるだけJRを利用して収集する人もいますが、ダイヤ的に難しい駅も多いので車で収集する方もおられましょう。しかし、車で収集してもいくばくかの金額はJR北海道に落ちるわけですし、「道の駅入場券」を集めている方にもうひとつ「その町を訪問した」という記念アイテムとしても人気がありそうですね。

●ご当地入場券は町をアピールするツールの一つ

このご当地入場券を発売する時に、JR北海道は全ての沿線自治体と一度はデザインなり発売方法なりの協議をしました。いままで鉄道が走っていても無人駅であればJR職員と自治体の「顔合わせ」の機会は非常に少ないわけです。まず、地元とのパイプの一つとしてこのご当地入場券を対話の一歩にしたかったというのもありましょう。
自治体側にしても、町にとってたいした得になるわけでも無いご当地入場券に非協力であれば「あの自治体はご当地入場券にすら協力しない鉄道なんか要らないと思っている町」という印象を与えるわけで、若干の「踏み絵」としての側面もあることでしょう。
とはいえ、JR北海道は全ての自治体にシリアル番号1番と2番の券を額に入れて寄贈し、町の広報もこういう企画があると広報誌などを通じて住民に周知することになるわけで、今まで鉄道について全く触れなかった、興味すら無かった自治体に再度鉄道を認識させる効果は微力ながらあったはずです。

しかしながら、約半年で50駅以上鉄道を利用して収集した感想を言えば、どことは言いませんが、ご当地入場券にも地元の鉄道にも全く興味が無いんだなという鉄道に後ろ向きな自治体はいくつか見えます。住民の利用する交通機関としての鉄道の地位は下がる一方であって、心の底では鉄道があろうが無かろうが全くどうでもいいと思う自治体でも、表向きには「住民が使う、高校生が使う、観光客を集めるツール、鉄道が無くなれば地域が過疎になる」と言い続けなければならないわけです。単なるご当地入場券でも発売箇所や時間なども含め、興味の無い、外部にも全くアピールしない自治体ははっきりわかります。

沿線自治体にとって、ご当地入場券を発行することで、少なくともこれを集めている人には必ず町の名前を見たり、プレゼントキャンペーンなどもありますので特産品なども知らしめる効果はあるわけです。(そういう意味で裏面デザインはとても重要なんですが、力の入らなかった自治体も多く見られますね)
道の駅と同様に地域をアピールするツールとして、各自治体の皆さんには「駅」も活用して頂きたいなと思うわけです。なにより、公式的にはご当地入場券を購入するにはその町に行かなければならないというのは、ハードルは高いですが当然その町をアピールすることのできる機会な訳です。駅を降りてもJRによる管理だけでみすぼらしく、ろくに整備されていない駅と駅前通を見せられれば、その地域の鉄道、交通網への対応がわかるものです。逆に駅を「営業拠点」と頑張っている自治体も多々見かけるわけで、この差は大きいわけですね。

●車で集める、オークションで集めること

私個人はあくまでこのご当地入場券の施策はJR北海道にとってある程度これを鉄道で集めて欲しいという考えが少しはあるだろうと思っていますし、こういう企画を出してきたことに賛同してできる限り鉄道を利用し収集しています。過去の日記を見て頂ければわかるとおり、列車本数や停車時間の関係でその町を通過していながら購入できていない駅は何カ所もあります。車だけで収集していたら既に多くの駅は集め終わっていることでしょう。
そういう「非効率は嫌だ」というのはわからないでもありませんし、集められるようなダイヤを組まないJR北海道が悪いという気持ちも賛同できる面はあります。現実に駅から発売箇所が大きく離れている町もあり、JRだけでは集められないのも事実です。

ただ、もしできることならば、身近な範囲や、その拠点地域への移動だけでもJRを使ってはいただけないか?とはおもうところではあります。JR北海道の地方路線に乗って集めるのは難しいことです。しかしながら、その地方路線を維持するためには、地域へ向かう特急列車の利用があってこそというのもあるわけです。

例えば釧路地域のご当地入場券を「ノロッコ号」と一緒に楽しみながら集めたいと思う場合、札幌から釧路まで車、現地でも車、ノロッコ号だけ乗って「釧網線維持に貢献した」はもちろん乗らないよりは良いんだけど、もう少しだけJR北海道に乗っていただけないか?ということです。札幌から釧路まで特急列車で往復して、釧路で駅レンタカーを借りて巡る。これだけでもJR北海道にとっては大きな助けになるわけです。「路線収入」だけで今は収支を発表しますが、現実には都市間の輸送量が下がっていることがJR北海道の収支悪化に繋がっているわけです。地方路線を助けたければ、その地域へ向かう特急列車にできるだけ乗っていただけないだろうか?これがあくまで私個人的な感情の一つです。

もちろんこれは強制できるものではありませんし、列車なぞ利用したくない、JR北海道は嫌いだけど入場券だけは集めてやるという方に「ダメ」などというつもりはありません。あくまでご当地入場券を集める仲間としての「お願い」です。

また、オークションでの販売も見かけます。入場券の販売窓口のいくつかで、何十枚単位で買っていく人がいると聞いています。実際オークションサイトにはおびただしい数のご当地入場券が出品されていますし、中には全駅にファイルもセットでなんていうのもあります。遠方に住み、どうしても収集が難しいが欲しいという気持ちもわかりますし、買う人がいるから出品されているわけで、それ自体は批判できない部分ですが、オークションで全て揃えた後でも、いくつかの街を訪問していただければなとは思うところです。あのデザインの入場券の駅は、街はこんなところなんだなと、それを実感して欲しいなと思うわけです。

街を訪問するとその街が置かれている状況が垣間見えます。札幌圏以外の多くの街は人口減少に苦しみ、同時に鉄道も利用減少に苦しんでいます。それを、実感していただけることが「現地に訪問しないと手に入らない」ご当地入場券を通して知ることもできます。その町の名物を一つ購入することも、街にとってはご当地入場券効果なのです。こちらもオークションで入手する方に「ダメ」などというつもりはありません。あくまでご当地入場券を集める仲間としての「お願い」です。

●「わがまちご当地入場券」はいつまで発売するのか

先日夕張駅のご当地入場券発売を受託する夕張リゾートから意味深なtweetが発信されました。

 

https://twitter.com/yubari_resort/status/970556716948467712
>【ご当地入場券】回答が来ましたのでお知らせいたします。本来ご当地入場券は昨年10月末で全区間販売終了の予定でした。そこから販売延長となり予定では今年3月末終了。今回、再再延長のご判断を頂き、3月末以降も販売継続となりました。皆様を驚かせてしまいましたが、4月以降もお求めいただけます!


JR北海道がプレスリリースしていた内容では期間の定めなく随時増刷(数量の限定無く)し発売するとしており、年末年始の休業施設もその当時から表示されており、2017年10月で「全区間」終了というのはあり得ないとは思いつつも、受託事業者の公式が書く以上管理駅である新夕張駅の職員からの情報であったろうと思うと少々気になるところではあります。案の定TwitterではJR北海道は先を見ないでやっているのか等と批判の声が上がっていたわけです。

あくまで個人的にJR北海道の公式に問い合わせし、CS推進室からの回答を頂きましたが「発売終了の時期は当初より想定していない」「今月いっぱい(平成30年3月)で発売を終了する予定は一切ございません」という回答を頂いております。(内容そのものは転載しません)

「夕張駅」は来年3月末で支線を廃止する形になる以上夕張駅自体のご当地入場券の発売は終了すると思いますが、その後は新夕張駅で夕張市のご当地入場券は発売されるだろうとは思います。

何度も書きますが「ご当地入場券自体」は少なくとも継続されるということで、批判するなら情報を精査し、公式的な回答を待ってからでも遅くないです。

なお、JR北海道と受託事業者との契約は半年または1年で行われるものと思いますし、デザイン自体も更新される可能性はありますので、今のバージョンはやはり今しか買えないというのはありましょう。未来永劫買えない可能性はある。しかし、今この施策をJR北海道は止めないだろうなとも思います。

●「わがまちご当地入場券」2周目に向けて

さて、私は先日の購入旅で101箇所の発売箇所のうち約半分を収集し終えたのですが、これまでは列車ダイヤに翻弄され、落ち着いてその街を見ていない箇所もいくつかありますし、慌ただしく停車時間だけで買うなんていうのもあります。
1周目はまず、発売する「街」を訪問し、全駅分購入することを目指して活動します。予算と休暇が潤沢では無い以上致し方ない部分でもありますし、JR問題の話の進み方によっては場合によって今後購入できずに終わることも考えられますので、できるだけ早く集めたい。

しかし、それが終われば、次は各地域をもう少しゆっくり、その町で1食食事をいただく位なペースで回っていきたいなと思っています。また、合併で統合された町、過去に鉄道のあった町、そして鉄道が無い町も含め、全道を回ってみたいなと思っています。
そういう意味で日高、胆振の市町村が壮瞥・平取・えりもの3町でこれにあわせてレプリカ入場券を発行したのは素晴らしい施策と思います。私個人は2町は訪問しており、えりも町に関しては既にレプリカ入場券は配布終了ということで残念でしたが、近日訪問したいと思っています。

3周目は各町に宿泊と思っていますが、これは老後の楽しみかもしれませんし、その頃にJRが、各路線がどうなっているかはわからないでしょう。


「趣味」でありますから答えはありません。しかし、この「わがまちご当地入場券」がJR北海道と各沿線自治体の架け橋となり、地元在住の方も、観光客の方にもその町を知り、そしてその路線を知るツールとして末永く続くことを願っています。

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カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 わがまちご当地入場券

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