北海道の交通関係


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北海道の輸送機関の残念なインバウンド取り組み

2019/07/19

昨今札幌駅周辺を歩いていても外国人観光客とすれ違わない日はありませんし、彼らがバスや列車に乗っているのも当たり前であります。

日本経済新聞 2019年07月18日
18年度の観光客数、札幌は4年連続で最多に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47506660Y9A710C1L41000/
> 札幌市は18日、2018年度の市内の観光客数が約1584万6千人(前の年度比3.8%増)だったと発表した。実数ベースでは約57万5千人増え、4年連続で過去最多を更新した。


札幌全体でもこのような感じです。彼らが移動する時にバスや鉄道を使うときに、参考になるのがガイドブックだったりスマートフォンアプリのようです。そして彼らはその案内に従ってバスに乗ろうとします。

ガイドブックには札幌の人が観光地として認識していないような場所が含まれます。ですから住宅地に向かうようなバスに彼らが乗ってくるのも珍しくないのです。

バスの系統番号の重複

彼らが頼りにするのが「系統番号」になります。札幌の各バス会社は独自に系統番号を付けている上、首都圏で標準的な「鉄道駅の接頭辞」+「番号」というのを付けました。例えば「麻26」とか「真101」とかですね。この系統番号、外国人観光客は漢字は読めないわけです。で、頑張って番号だけで乗ろうとします。


しかし、そこに罠があります。札幌市内のバスは先ほど申し上げたとおり各バス会社が独自の番号をつけていますから重複が多々あるわけです。同じ番号でも会社が違えばとんでもない方向に連れて行かれるわけです。まして北海道中央バスに至っては旧札幌市営バスの系統番号をそのまま使う路線がありますから、同じ会社の中でも数字としては重複するものがあるわけです。しかも、多くの路線では行き先の英語表記すら無い。
極端に言えばサッポロビール園に行きたいと「88番」を捜して美しが丘に連れて行かれる可能性はあるわけですよ。

他社を含めれば「61」を捜して乗ったらかたやは宮の沢、かたやは平岡ですからね。「札幌駅前」ってバス停で本当に彼ら彼女らがわかるのかい?って話です。中央バス側は英語表記も英語社内案内もありませんから気がつかずに平岡にご案内です。


札幌圏以外についても、旭川は伝統的に運行する2社が協力しない体制が続いていたこともあり、今でもバスの系統番号は重複し、ほぼ役に立たないものになっています。ICカードについてはやっと両社が共通化できましたが、Suicaなどの共通ICには対応せず、他の地域から旭川に行っても使いようがありません。

そして都市圏外は当然バスに系統番号も無く、英語案内どころか日本語の案内すらろくに無いような場所すらあるわけです。

北海道内だけでもバス協会と北海道庁(自治体バス等も含めた番号体系が望まれる)で共通番号の仕掛けを考えて欲しいとも思うわけです。漢字を含めた系統番号は使いにくい(札幌にしても「南」を南郷7丁目、旧札幌市営バスの南区方面など複数の意味で使用しているなど)わけですから、数字だけの系統番号(基本的に3桁、例外的に札幌は4桁を許容)という仕掛けは必要かと思います。他社バスどころか同じバス会社での重複があるなど論外で、同じ地域、同じ系統なら他社でも同じ番号等再編しなければなりません。

また、液晶、LEDでの行き先表示が普及したこともありますので、できるだけ英語表記を行うこと。また、車内での案内もターミナル駅などだけでも英語案内が必要かと思います。これは各社の努力目標だけでは解決しませんので、公的な予算措置と有無を言わさぬ「法律的な」形にする必要があるかと思います。



駅番号の重複

札幌市営地下鉄とJR北海道は駅番号を各駅に着けています。さて、H07は何駅でしょう?
JR北海道の北広島駅と札幌市営地下鉄東豊線のさっぽろ駅が同じH07です。同様に苗穂駅と新道東駅、JRの白石駅と元町駅・・・と重複するわけです。普通に考えれば後から駅番号を付けたJR北海道が重複しないよう努力するべきものかとおもいますが、本件についてJR北海道の広報は「地下鉄のH07」「JRのH07」と説明すれば良いからわかりにくいと言うことは無いという回答をしています。インバウンド客がこの駅がどこの運輸事業者かを考えなければならないというだけで案内として最悪です。今すぐにでも駅番号を重複しない形に改める必要があります。また、廃止提案の区間はともかく根室までの根室線くらいは駅番号を付ける必要もありましょう。




意味不明な英語案内をやめよう

様々な場所で公共交通に乗りますが、そのなかでJR北海道の快速エアポートの英語案内はかなり洗練されているように感じています。私自身は英語を日常に使いませんし英検も4級しか持っていませんので(笑)偉そうなことは言えませんが、JR北海道の札幌圏および特急列車の自動放送は必要な項目が過不足無く入っており、非常に好感が持てます。


これが地方のワンマン列車になると、途端に不必要な情報が入る意味不明な英語に成り下がるわけです。そのまま札幌圏の自動放送で使っている表現でいいと思うんですが何か問題なんでしょうか?ついでに言えば、運転士さんも問い合わせに困っているようなら最低限車内に多国語の利用案内を掲示するくらいは必要なことだと思います。比較的有人駅が多い札幌圏に比較してほとんど全てを運転士さん1人で行わなければいけない地方路線に関しては、運転士さんができるだけ運転に専念できる環境を構築する必要がありましょう。

また、各駅にも多国語利用案内を掲示したいところです。各駅の駅員さんが苦心して作ったような英語案内の掲示は私が見てもツッコミどころ多数で意味不明なものを見かけています。これではいけません。駅員さんの多国語スキルを上げることは必要としても、それだけでは解決できないわけです。できるだけわかりやすい多国語表示を駅に掲示するだけでも使いやすい交通機関になりますし案内する駅員さんの助けになりましょう。


これが路線バスになると英語表記すらほぼ皆無です。バス停留所名称の英語表記は最近すこしずつ進んでいますが、まだまだ表記はダメです。これは「統一した表記」というものを考えないからですね。「地下鉄麻生駅」なのか「麻生駅前」なのか「JR札幌駅」なのか「札幌駅前ターミナル」なのか「札幌駅前」なのか。これは日本人でもかなり困ることです。こういうのも統一する形にしていかなければなりません。


案内なんて面倒だからクルマで来ればいいべや

北海道に今外国人観光客が押し寄せていると喜んでいるうちに対策しないと北海道は案内が不親切だからダメという悪評が立つわけです。

釧路新聞 2019年07月18日
外国人ドライブ観光推進
https://www.news-kushiro.co.jp/news/20190718/201907183.html
> 外国人ドライブ観光客の誘客を促進するため、釧根、オホーツク20市町村の行政、観光団体などでつくる「道の駅を拠点としたドライブ観光協議会」は17日、初会合を弟子屈町の釧路圏摩周観光文化センターで開いた。
食や景観など旬な地域ならではの周辺情報を道の駅から一元的に発信し、滞在観光の拡大を目指す。昨年度から弟子屈町の道の駅・摩周温泉を拠点に14市町村をモデルとして、道の駅から一元的に観光情報を発信する取り組みを試行的にスタート。
周辺地域への周遊促進が期待できるため、2019年度は釧根とオホーツクの一部20市町村にエリアを拡大し、10カ所の道の駅を拠点に情報発信などに取り組む。


そして交通案内が面倒だと思えば勝手にクルマで来て貰えば良いという発想になる。これは日本人観光客への対応でも言えますが、自分の町の駅に来て貰った後駅から観光地へバスを案内するのも面倒だし、シャトルバス?金かかるし、直接クルマで来て貰って勝手に観光していって貰えばオレたち何もしなくて良い!などと地方の観光に関わる者が考えているのでは無いかと見え隠れするのですが、その最たるものがこのような取り組みです。道の駅で情報を発信すればあとは勝手にクルマでいって貰えるから楽ですねという話です。これが進めば不慣れな外国人観光客による事故の増加も含めて何も地域に良いことは無いのです。

実際には外国人観光客に碌な情報を伝えられず、必要な観光をさせられず地元に金は落ちず、観光客もただひたすらクルマ運転してたという感想になりかねません。1度はそれで良いかもしれませんが二度三度つきあってくれるんでしょうか?


そういう意味では幹線的な鉄道輸送と駅での情報提供、そしてバス等での観光地への輸送がちゃんとセットされる必要があります。駅まで来た外国人観光客を放置するようなことはあってはならないのです。

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