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北海道の交通関係
代行バスに「乗ってみた」記事が今になって新聞に掲載される異常さ
2019/09/19
北海道新聞は日高線が2015年1月に被災し、バス代行輸送を既に4年行っている2019年の今になってこのような記事を掲載しました。
北海道新聞 2019年09月18日
バス乗り継ぎ7時間半 日高線不通の浦河―苫小牧を記者が往復 「住民の足」どう守る
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/345585
【浦河】JR日高線をはじめ、日高管内の公共交通の先行きに不安を感じる人は少なくない。今でも日高東部から苫小牧市中心部に乗り換えなしで行ける交通手段はなく、通院などで苦労している住民がいる。普段、車が欠かせない浦河支局の記者が苫小牧までバスに乗り、「交通弱者」の現状を考えた。
バスに乗る「決心」を固めたのは8月、JR日高線を巡る町民懇談会で苫小牧に通院する患者らの切実な声を聞いたからだ。スマートフォンの地図アプリで浦河町役場―苫小牧駅を検索すると距離は約125キロ、車で2時間半弱と出る。
4日朝6時すぎ。浦河ターミナル発、新千歳空港行きの道南バス「特急ひだか優駿(ゆうしゅん)号」に乗るため「役場前」の停留所へ。昨年7月まで苫小牧中心部を経由するバスがあったが、時間短縮のため、中心部を経由しない優駿号に代わった。
待っていると先に別のバスが止まり、ボストンバッグを手に男性が降りてきた。「いやぁ不便だ。参ったわ」。そう繰り返す64歳の男性は翌日、苫小牧駅近くの王子総合病院で手術を受けるため、この日入院するとのこと。一つ手前の停留所の近くに住み、ここで優駿号に乗り換えるという。
ほぼ定刻の6時21分に乗車。コンブ漁の風景などを眺めつつ、長い海岸線をバスに揺られた。少しうとうとして、気が付くと苫小牧東部の「難関」が近づいていた。8時50分、国道36号沿いの「ウトナイ湖」で降車。約200メートル手前の反対車線にある停留所に移動し、苫小牧駅行きの路線バスに乗らなくてはならない。
急いで先を行く男性に信号待ちで追いついた。両方のバスが定刻通りに発着すると17分間あるが、男性が8月に通院した際は優駿号が遅れて目的のバスに乗り継げず、次の便まで1時間近く待たされたという。この日は無事間に合った。
車の運転を医師に止められている男性は「困っている年寄りはたくさんいる。かわいそうだ」と言った。9時42分、苫小牧駅到着。病院前で男性を見送った。
帰りは日高線鵡川―様似間が不通になった後、JR北海道が運行している代行バスを使った。午後2時32分苫小牧駅発の列車は高校生が目立った。鵡川駅前で代行バスに乗車し、さらに静内駅前で別のバスへ。基本、国道を進み日高線の駅前に止まるが、内陸に入る駅もあり時間はかかる。高校生の一人に聞くと「これしか乗ったことがないので不便とは思わない」。6時37分、浦河駅前に定刻通りに着いた。
往復でかかった時間は乗り換えを含め7時間25分。運賃は計5430円。高齢者や体調の悪い人にとって体の負担は大きいだろう。
行政が個人の移動をどこまで支援するか難しい部分はある。ただ、人口減少が進む中、住民が地元で住み続けられるようにするには、町や道、事業者などが連携し、どうすれば「住民の足」を守れるか、地域交通のあり方を真剣に考える時が来ていると実感した。(細川智子)
本来全文転載はルール違反なのはわかっておりますが、日高版だけで掲載されたこともあり札幌に住んでいても記事は見ることができないこともあります。このような記事をやっと北海道新聞が掲載したことは(批判はしますが)評価できる部分でもあります。これが3年前、もしくはひだか優駿号を運行開始した1年前に掲載しているなら意気揚々と紹介したでしょう。そして問題点を自分なりに精査したと思います。
署名記事の細川氏は北海道新聞浦河支局の支局長と思われます。そして、過去には日高線関係で
北海道新聞 2018年07月09日
浦河―新千歳「特急うらかわ号」 8月から苫小牧中心部経由せず
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/206734
【浦河】浦河―新千歳空港間を結ぶ都市間バス「特急うらかわ号」について、運行する道南バス(室蘭)は8月から苫小牧市中心部を経由しないルートに変更することを決めた。空港利用者にとって時間短縮になる半面、市中心部の病院などに乗り換えなしで行くことのできる唯一の公共交通手段がなくなるとして、懸念の声も上がる。
このような記事を書いているわけです。懸念するなら何故運行開始前と後に利用者の声を伝えないのか。地元だからこそ書ける記事そのものではないですか。
私は別に記者が公共交通を使わないことを批判するものでは無いし、記者も「普段、車が欠かせない浦河支局の記者」とそれを隠すこともしない。今まで日高線関係では北海道新聞は何度も「国とJRの姿勢」を記事にしてきたし、社説にも何度も書いている。
北海道新聞 2018年06月21日
JR道内路線 「廃止ありき」は通らぬ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/201344
しかし、その内容が何度も「薄っぺらい」と私が批判するのは実際に記者が使用し、利用者に聞き、そして当事者であるJRや国、自治体に直接取材しない姿勢そのものなのです。
今回「乗ってみた」だけの記事。やっと利用客に聞いたとは言え、元々利用の少ないだろう路線で聞ける範囲は限られる。だからこそ「ウトナイ湖バス停で1時間待った」というご老人の利用時期も聞いていないし、いい話が聞けた!とその先を突っ込まない。今は運行時刻が変わったのだが、それも記事には書かないわけです。当初の2分接続で200m歩いてバスを乗り継ぐなんていうルート、元々あり得ないんですよ。運行開始時点で無理のある計画なのを道南バスもJR北海道も沿線自治体も良しとしたのは何故なのか?
元々優駿ひだか号の運行経緯を知り、初期のウトナイ湖バス停の接続時間を知っていれば「運行開始の段階で」問題点を追及できた。そして、元々新千歳空港への時間短縮は地元の希望であって、苫小牧への直行ルートを無くしたことも地元承知の上だったわけで、では誰がそれでいいと許可したのか?何故そこに取材に行かないのか?
JR問題での北海道新聞の「内輪的な批判記事」はよく見るのだが、では、それに対してJR北海道に聞いたのか、地元自治体に聞いたのか、利用者に聞いたのか?つまり、取材に出るのが億劫で机上で記事を「でっちあげていないか?」という疑念があるわけです。名前のないインタビュー記事、実際の利用者とは思えない事実誤認しているインタビューなど、机上で造り上げた記事ではないかと疑念する記事を私は批判するわけです。
North-tt
何も決められない日高線沿線で起きていること
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=441
>本来で言えば、苫小牧直通の必要性があるのなら、鵡川駅経由により鉄道へ接続させるなど、乗り継ぎを最小限にする努力が必要だったと思います。しかし、取られた対策はウトナイ湖バス停で接続させるということでここは上下バス停が離れていることもあって非常に乗り換えしにくいバス停です。健常者で徒歩3分、高齢者なら5分はかかるでしょう。乗り換え時間は少なく、しかも浦河の出発時間を早めていますので、苫小牧への利便は相当に落ちたはずです。鵡川駅経由または、仮に沼ノ端東IC・沼ノ端駅経由だと多少所要時間は延びても苫小牧方面への利便も確保しつつ利便の高い運行方法が取れたとも思うのです。
当サイトで2018年11月に書いた記事です。ウトナイ湖バス停の現地も夏と冬に確認していますが、粗末な上屋があるだけのバス停。しかも上下は200m離れている。これは運行開始時点でわかっていることであるわけです。
苫小牧行きのバス停前から、写真の奥に新千歳空港方面のバス停があるが「遙か彼方」である。冬期にここを高齢者が歩いて「乗り換える」なんて想定している方がおかしいと現地に行けば誰もが理解できるだろう。
細川記者がいつから浦河でお仕事をしているかは知りませんが、地域の比較的深い問題であるJR路線問題について、やはり今まで一度も乗ること無く記事を作っていたのなら、代行バスが抱える多くの問題点に気がつくことはないでしょうし、改善の方法も一切浮かぶことはないでしょう。
追記:細川記者は2017年に「代行バスに乗ってみた」というコラム記事を書いていたようです。そうすると、その問題点を理解しながら、記事を作っていたことになって、さらに筋の悪さが見えないでもありません。
北海道新聞 苫小牧・日高面 2017/08/18
<海風>代行バスに乗ってみた
(WEB配信無し)
> 「代行」と言っても地域の公共交通。利用者は常連だけではないはずだ。車内に張り紙1枚、乗る人のことを考えた配慮があったらと感じた。
そしてそれは沿線自治体の首長をはじめとする担当者もそうです。「私は年に少なくとも2回は代行バスで移動してみて、問題点を理解しています!」と胸を張って言える関係者はどれだけいますか?そのレベルの回数ですら乗ったこと無いだろうし、そのレベルじゃ改善策なんか浮かびもしない。
結局誰も使わないから問題点がわからない。年寄りと高校生だけの問題と思ってるから「我が事」として考えないわけです。
本当に車無しで通学、通院するならどうしたらいいのか町民に寄り添って考えたことがあるのか?そして、それを鉄道の復旧で解決できるのか?そこが問われてるんですよ。
現実に「札幌の人」であるJR北海道と「室蘭の人」である道南バスが考えた「とりあえず沿線自治体が新千歳空港に早く着けって言ってる」からつくったバスが、実際にどれだけ使われてるのか、どれだけ地域の人が喜んでいるのか総括してるのか?という話です。
毎度書いていますが私なんかも含めた「外様」が地元が便利な交通機関はこういうのではないかといくら考えても、実際の利用者には届かないんです。本当に便利な交通機関をつくるなら地元の利用者が便利で、普段使わない人が「これなら使える」と思うようなものにしなきゃならんのです。それは「コンサルタント」に依頼しても無理なんですよ。自分の足で、実際に使って、自分の感覚をまず考えないと。
浦河市街地に住んでて、「役場前」しか停まらない代行バスや「優駿」に乗れるのかい?って話です。代行バスのバス停追加は以前から必要性を思っていますが、そんなこと「鉄道の代行」として走らせているJR北海道が勝手にできない事くらい当然わかってる話じゃないですか。そして新冠町は抜け駆け的にJRに要望出して大狩部に駅とは何の関係もない高台バス停を新設させているわけですよ。自治体がJRと協議すれば利便性のアップは今でもできるんですよ。
新聞記事はそれを知らしめる一つの鍵になりますし「人口減少が進む中、住民が地元で住み続けられるようにするには、町や道、事業者などが連携し、どうすれば「住民の足」を守れるか、地域交通のあり方を真剣に考える時が来ていると実感した。」と、まだ事業者だけを責める論調ではないのが救いではあります。しかし、今初めて知りました状態で記事作ってたという意味ではやはり恥ずかしいだろうとも思うし、今さら何言ってるんだとも思うわけです。
沿線自治体だけで無く、マスコミも含め公共交通への理解どころか「興味すら無い」ということに愕然とするのです。これでは利用者も公共交通で来る観光客も浮かばれません。