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北海道の交通関係
北海道(鉄道活性化協議会)が行っている「利用促進策」と北海道民の意識
2019/10/17
昨年当サイトではこのような記事を書きまして、北海道庁が決定した「公共交通」「JR北海道」の利用促進について批判しています。
North-tt.com 2018/12/24
あまりにも道民をバカにした「公共交通の利用促進に向けた道民キックオフフォーラム」
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=460
このとき主催となったのは2018年12月1日に発足した「北海道鉄道活性化協議会」です。
北海道
北海道鉄道活性化協議会の開催について
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/kaiken/h30/301205haifu-01.pdf
【目的】
本道の持続的な鉄道網の確立に向け、道民が一丸となって利用促進をはじめとする様々な行動を展開するとともに、JR北海道が置かれている厳しい状況を全国に広く発信し、関係者と共有することで、本道の鉄道に対する国民的理解や応援機運を醸成する。
【構成団体】
北海道、北海道市長会、北海道町村会、北海道経済連合会、(一社)北海道商工会議所連合会、北海道経済同友会、(公社)北海道観光振興機構、北海道商工会連合会、北海道農業協同組合中央会、ホクレン農業協同組合連合会、北海道漁業協同組合連合会、北海道森林組合連合会、(一社)北海道医師会、北海道私立中学高等学校協会、北海道旅客鉄道(株) (計 15団体)
さて、設立から半年以上、もうすぐ1年を迎えようとしている、この「北海道鉄道活性化協議会」は今までどのような活動をしてきているのでしょうか?
折角公式サイトがありますので、早速見てみましょう。
北海道鉄道活性化協議会
https://www.hokkaido-rail-k.jp
北海道公共交通利用促進運動って、どんなことをしてるんだろう・・・事例は?と思ったらイオン北海道の釧路での路線バスでWAONが利用可能になった事例だけ。
えっ?これだけ?いやいや、もう一度「目的」見てみましょうよ。どこに鉄道網、JR北海道関連があるの?いや、本当に、なんなの?
当サイトはこの北海道鉄道活性化協議会に関しては以前も記事を書いています
North-tt.com
北海道庁ではじまった「JR北海道の利用促進に向けた取り組み」
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=850
協議会がはじまって知事が替わってやっと動き出したのが、この記事でも触れている「レールエール」と「ちびっ子はじめての鉄道旅体験」このうちちびっ子はじめての鉄道旅体験は7月に札幌で行われたものを報道したのがSTVテレビだけという惨状でありました。全く北海道のマスコミはこの件をニュースソースとして興味が無いようで、一切報道しなかったわけです。
また、「レールエール」は地域の「乗車促進策」(とは言えないような酷いものも含めて)をまとめていますが、これもまるで報道されていません。
北海道の最大手新聞社北海道新聞で「北海道鉄道活性化協議会」で検索して出てくるのはこれだけです。
金銭的な問題は当然大きいのですが、それ以前に取り組み内容をまるで伝えていないわけです。
ちなみに格安航空会社(LCC)経由で来道し道内を鉄道旅行する人を対象に、観光施設の利用料金などが割引になるキャンペーンはサイト残骸がありますが、どの程度見られてたんでしょうねぇ。
北海道鉄道活性化協議会
「イドウもイイど! 北海道!」
https://idoiido.com
さて、「ちびっ子はじめての鉄道旅体験」は10月14日に第二弾が稚内市の小学生を対象に行われました。残念ながらこれも稚内プレス以外の報道機関からは報道されていません。
稚内プレス
鉄道の大切さを知る 鉄道活性化協 幌延まで児童48人
http://wakkanaipress.com/2019/10/15/41577
もちろんこの施策は北海道知事が会見で各メディアに広報しています。
北海道
北海道知事定例記者会見(令和元年10月11日) | 総合政策部知事室広報広聴課
http://pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r1/r11011gpc.htm
それでも各メディアは報道しないわけです。つまりは北海道鉄道活性化協議会の目的「JR北海道が置かれている厳しい状況を全国に広く発信し、関係者と共有」が全くなされていないわけですね。道民の多くはこんな協議会が設置されたことも知らないのではないでしょうか。
もちろん北海道鉄道活性化協議会自体も広報は貧弱でWEBサイトもろくに更新されておらず、折角の札幌駅で10月12日に開催されたイベント「鉄道フェスティバルin札幌」とっくに終了しているのに「詳細は近日公開」のまま。これではこのサイトを一次情報として見に来るような人はマニアですら皆無でしょう。必要な情報が全く受け取れません。まして、先の「ちびっ子はじめての鉄道旅体験」は稚内分は不掲載。「公式」が全く機能していません。マスコミ以前の問題です。
さて、北海道鉄道活性化協議会の事業として、今年、こんな冊子が発行されました。「北海道鉄道旅おうえんブック」というものです。発行元が北海道新聞社のため、北海道新聞以外のメディアはまるで取り上げず、発行冊数もそれほど多くなかったのか、私もなかなか書店で見つけられなかった本です。
通販では今でも入手できそうです。(当初は本体463円、8%で500円)
北海道新聞
道新プラス2019年夏号別冊 北海道 鉄道旅おうえんブック 2019夏/秋
定価 509 円 (本体 463円+税)
https://shopping.hokkaido-np.co.jp/book/products/detail.php?product_id=757
この本にはJR北海道窓口で乗車券類、企画券類に交換できる200円分の金券が付属されており(本年9月で終了)実質的には300円の本ということになります。
冊子の中身に関しては鉄道旅に誘うことは盛り込まれていますが、観光施設等の割引クーポンが切り取り式ではないのは違和感です。冊子を見せれば割引というのは持ち歩き前提で、A5サイズで持ち歩けることをコンセプトにしたのでしょうが、中身的に「持ち歩きたくなるような」内容ではありませんから、ちょっと微妙という感じ。
この手の観光ガイドは例えばリクルートが出す「北海道じゃらん」の中身はクーポンブックですから、本体は家で、クーポンは切り離して持ち歩くというスタイルが一般的な感覚であろうと思います。
リクルート北海道
今月のじゃらん
https://www.recruit-hokkaido-jalan.jp/service/jalan_tachiyomi/
そして、その「じゃらん」ですが、目次を見ますと、まず鉄道を含めた公共交通機関での旅行など全く記事にならないわけです。基本的に車が無いと行けない場所ですし、紹介される店も駅からのアクセスを書いているものはほとんどありません。まして(中身はほとんど公告とはいえ)400円もしない冊子にガソリン5円引きクーポンなんかが付いていますので、ざっと満タンで500円以上は得になるって寸法です。
個人的にはこのような道内旅行雑誌と提携しての公共交通利用旅行を提案するページを数ページ作ってくれるだけでもかなり影響力があるように思うのですけどね。
北海道民に限りませんが、今や移動するときのファーストチョイスは自家用車なわけです。しかし、みんなが運転好きな訳でも無く、長距離の運転は辛いな、都市部は駐車場捜すのが面倒だなとか車じゃなければダメとまでは思っていない部分はあるわけです。そこに少しだけでも公共交通機関を提案することは大事なことであります。そして、北海道民は生まれてこの方公共交通を使ったことが無いという人も少なくないわけです。札幌市民ですら地下鉄すら使ったことが無いって人は決して珍しくないのです。そういうなかで、ただ「使ってください」では全く訴えにならないわけで、使い方、割引などを含めて「使いたい」と思わせるような施策、広報は必要になります。折角の冊子も「鉄道に興味の無い人は絶対に手に取らない」ような表紙では公共交通利用の裾野を広げることは不可能です。
せめて、普段車でドライブ旅行をする人に、たまには公共交通もいいねと思わせるような施策、これは必要なのです。そういう意味で今の北海道鉄道活性化協議会の事業内容は正直物足りなさ(というか、こんなレベルじゃダメじゃん)を感じます。関係者の奮起を期待するところです。