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バスの運転手不足、だから鉄道を無くすな!とバス減便報道
2019/11/22
これに関しては、鉄道の方が必要とする人員数が多いので無理ではありませんか?としか答えようがありません。
その前にバス運転手不足はかなり深刻化しているのは間違いのないところで、この12月の改正においても減便の話題が大きく報道されるようになってきました。
しかしながら、バスの路線改廃、減便の話題というのは、そのニュースを必要とする方がその地方に限られることもあって、多くは地方面での記事となり、WEBを含めた全道、全国に配信される記事にならない部分があります。
北海道新聞 2019年11月20日
道南バス、室蘭・登別の74便減便 運転手不足で12月21日から
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/366416
> 【室蘭】道南バス(室蘭)は19日、室蘭、登別の両市で運行する路線バスについて、12月21日から74便減らすダイヤ改正を行うことを明らかにした。運転手不足が主な理由。現行34路線426便のうち約17%の大幅な減便となる。
北海道新聞 2019年11月21日
道南バス 12月21日から74便減 すずかけ線最多9便減
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/366779
北海道新聞 2019年11月22日
旭川電気軌道 12月にバス6系統廃止 運転手不足で
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/367168
> 【旭川】旭川電気軌道(旭川)は12月1日のダイヤ改正で、旭川市内を走る路線バス77系統のうち6系統を廃止することを決めた。慢性的な運転手不足が理由。近年は、減便するなど存続に向けた工夫を続けてきたが、「限界に達した」(同社)という。
北海道新聞 2019年11月22日
道南バス、高速ひだか号廃止 利用低迷し 12月21日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/367169
> 【室蘭】道南バス(室蘭)は21日、日高管内日高町と札幌を結ぶ都市間バス「高速ひだか号」について、12月21日のダイヤ改正で廃止すると明らかにした。利用低迷と運転手不足が主な理由。今後は同管内浦河町―札幌間の「高速ペガサス号」の利用を促す。
北海道新聞 2019年11月22日
道南バス「ひだか号」廃止方針 唐突な通告「あまりに急」「不便で不安」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/367132
日高町日高と札幌を結ぶ長距離バス、高速ひだか号が、来月20日の運行を最後に廃止するとの方針が明らかになり、地元に衝撃が走った。住民への事前説明がないまま、唐突な通告に各町は戸惑いを隠せず、病院通いなどで定期的にバスを使っている町民からも不安の声が漏れた。
高速ひだか号は日高町日高の日高ターミナルを発着拠点に平取、むかわなどを経由し、1日1往復している。道南バスは9月以降、バスが走る平取と日高、厚真、むかわの4町に路線の廃止を打診。納得がいかない各町は今月14日、4町連名で路線廃止の撤回を求める要望書を提出した。
道南バスは日高町日高と苫小牧を結ぶ特急ひだか号の廃止は撤回したが、高速ひだか号については「廃止します」との文書を18日付で郵送した。平取町の川上満町長は「あまりに拙速な対応で受け入れがたい」と憤り、「住民の足を確保するため、廃止の先延ばしや撤回も視野に各町と対応を検討したい」と話した。廃止する2カ月前の通告に日高町の戸川貴教企画財政課長も「あまりにも急で、対策を考える余地もなかった」と漏らす。
バスを定期的に使う住民は驚き、困惑している。緑内障の治療で札幌の眼科に通うため、バスを使う平取町の自営業照屋節子さん(75)は「利用者が少ないからすぐ廃止ではなく、利用者のことをぜひ考えてほしい。乗り継ぎして札幌に行くと不便で不安。経緯も含めしっかり説明してほしい」と注文した。
北大病院に毎月通うため、6年前から利用している日高町の主婦山下正子さん(66)は、占冠経由のJRを利用すると階段が多いため、バスを選んだという。「自分の診察時間は決まっていて、帰りのバスが乗れないと宿泊しないといけない。余分な宿泊費も必要で切実な問題です」
むかわ町中心部は、同じ札幌行きの高速ペガサス号があるため、影響は軽微とみられるが、むかわ町総務企画課の担当者は「混雑で乗れない人が出ないか心配だ。影響について今後注視したい」と話した。(川崎博之、横田望、山田一輝)
(高速ペガサス号)
ひだか号廃止に関しては全道面での記事では穏やかだったものの、地方面の記事では「運転手不足 日高線代替に影響も」とJR日高線廃線協議に絡めた記事にしています。
WEB配信以外の記事では
北海道新聞
空知中央バス5路線減便
12月から 退職相次ぎ「維持できず」
空知面 11月22日
北海道新聞
路線見直し「終わりでない」
道南バス社長「企業努力は限界」
室蘭・胆振面 11月22日
また、減便を伴わないながらも運賃値上げの記事も掲載されています。
北海道新聞
市内バス運賃来春20円値上げ
6年ぶり 路線維持へ負担求める
小樽・後志面 11月22日
(2019年3月いっぱいで廃止になった中央バス焼山線・旧歌志内線代替バス)
以前、当サイトでも記事を書いたのですが
North-tt
人手不足による「減便」は都市部から始まる
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=431
North-tt
バスは人手不足。だからバスを集約しなければならない
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=462
状況は大きく変わっていませんから、過去の記事から追加して書くような内容は特段ないのですが、それにしてもです。今回、札幌市内近郊でも土曜休日を中心に大幅な便数削減を行う路線があります。土曜・休日ダイヤを減便すれば、日勤の運転手は土日休め、平日5日勤務できるだけでも同じ人員内で、かなりダイヤを組みやすくなるとは予想できます。そして、病院や学校が休みである休日は需要も少なく、平日は通勤でバスを使っても、休日の買い物などは車という人を考えると第一歩としての土曜休日ダイヤ減便は理にかなっているとも言えます。
しかし、これで済むわけではありませんから、将来的には減便が平日昼間にも波及し、場合によってはラッシュ時間帯減便や路線廃止も視野に入れる必要がありましょう。
もはやバス路線の維持は自治体が補助を行えば良いという状態を過ぎてしまっています。もちろん拠点間など国の補助が切れることで廃止になる路線もありますが、その前に運転手の確保ができないことで廃止する路線を止めることは難しくなってきているわけです。
では、鉄道は安泰か?残念ながら鉄道の場合は、運転士だけいれば動かせるわけではありません。線路・信号などの保守、除雪は全て自前で人員を確保して行わなければなりません。その人員が不足すれば路線を維持できないわけです。道路保守も要員不足が叫ばれていますが、税金により維持される道路の保守は今後も必要でありますので、幹線道路を中心に維持されはしましょう(それが維持できなければ当然自家用車も通行できませんから地域に住むことができなくなるので鉄道やバスを残すとか言う以前の話になります)
バス会社の企業体力の低下を考えると、企業競争力確保のために難しくなっている一定の規模拡大。路線の譲渡なども必要になってくると思われますし、企業規模が大きくならなければ従業員の待遇向上にも繋がらず、要員の確保はますます難しくなるでしょう。最終的には鉄道やバスも含めた総合的な要員研修センターをJRなど鉄道事業者も含めて行う形を取らざるを得ないのではないかと思うわけです。
もはや北海道内にバス会社がこれほど多数残っていくのは難しく、特に地方事業者は補助金運行での実質的な「自治体営」となってる企業すらあるのではないかとすら思うわけです。
高速ひだか号廃止の記事に関しては、唐突に企業側から通告されたとありますが、元々企業が路線改廃するのに地元の承諾など不要でありますし、高速便ということで地元の補助対象外路線であったと思われることから気持ちはわかれど致し方ない面はあります。しかし、このような高速便すら維持できないのがもはや地方の現状でもあるわけです。
無料の高規格道路の延伸は鉄道の利用客を奪うのは予想されますが、高速バスの乗客も大きく奪うことになります。これは特に地方の小集落利便のために高速道路を使わず一般道運行する路線では、自家用車での直行に比較して大幅に所要時間が長くなることから使われなくなってしまうという面があります。つまり、一定の乗換が生じても高速便をできるだけ自動車道経由にし、高速化することが利用者数維持には必要なことです。
さらに札幌市内は都市高速が整備されず、大谷地など市内の経由地に寄るために一般道を延々と走行することも所要時間の増加に繋がります。高速道路の都市部延長はこれを大幅に回避できる可能性もありましょう。そして札幌都心部に複数分かれる出発地も「バスタ」的施設に統合できれば大幅に利便が上がる期待もできます。
現在の中途半端な道路事情もバスが維持できない理由の一つで、以前なら都市間バスの収益で一定の地方バス路線の維持を行っていたバス会社が既にそれすらできない状況に陥っていることも理由の一つでしょう。記事にありますが1便あたり利用15人近くある高速バス廃止ってよっぽどですよ。
結局は地方であっても住民一人一人が公共交通機関を使うと言う意識と、バスや鉄道も含めた一定の集約が必要になるわけです。
需要の多い路線だからと安泰できないのは需要の大きい高速バスだけに参入して安価な運賃で走らせる事業者が北海道にも出てきていることです。高速バスだけを走らせれば当然収益は良いわけですが、他のバス会社は一般路線も運行し、都市部であっても一定の赤字路線の運行も引き受けるわけです。それもなく美味しいところだけを走らせるというのはフェアではない部分です。しかし、利用客は安く快適であればそちらを使う。もちろんそういう事業者があるのが健全ではありますが、ならば、既存バス会社も同じ条件で運行できなければフェアではありません。
最近まで黒字バス会社には路線の補助金等が適用できず、分離子会社などを使って何とか地方の路線も維持するという方向になっていたわけですが、規制緩和は必ずそのような地方路線にしわ寄せが来て、今や都市部の路線すら維持ができない。
やはり、私個人は最終的には「全道一括の公共交通会社」になって、並行路線の整理、鉄道が必要な路線なら並行バス路線を時間をずらして共通乗車できるようにするなど、最終的に住民が使いやすい路線網にしていく必要があると思いますが、そういう機運にはなっていませんし、未だ鉄道並行高速バスは盛況。しかし、地方の鉄道並行バス路線は「先に逃げよ」とばかりに廃止、減便されるという状態。これでは安心して地方に住むこともできないでしょう。
鉄道を無くすな!ではないのです。地域から交通機関を無くすな!住めない地域を増やすな!これが大事なんです。日高の自治体クラスですら既にバス路線すら維持が難しくなっている。その現状を忘れて鉄道の存廃議論なんかしてはいけないんですよ。