北海道の交通関係

「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策

2019/12/03
JR北海道が着地型の入場券「わがまちご当地入場券」を発売し、9月末をもって終了したのは記憶に新しいところです。この着地型の入場券、その町に行かなければ購入できず、郵送購入を受けないという面は、多くのファンが鉄道を使って購入しようという行動を行ったこともあり、成功と思われます。実際わがまちご当地入場券は80万枚以上、単純計算で1億3000万円の売上ですから、バカにしたもんでもありません。

 

JR北海道
わがまちご当地入場券
https://www.jrhokkaido.co.jp/gotochi/
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策



同様に「キハ 183 系 (初期型車両)記念入場券」を発売。こちらも全道17駅での着地型で発売、また、記念台紙を別売することでも、一定の収入を得たものと思われます。この17駅には稚内や根室もあり、正直鉄道を使わず車だけで集めようとしても非常に大変なことであります。個人的にはご当地入場券と同時に集められたこともあって、特急列車を使った収集ができましたが、これ単独だったら出費痛かったなぁとも思うところです。
ご当地入場券のように応募券があり、これを送ることで車輌パーツなどのプレゼントがありました。このような半券切り取り形なら、綺麗な券面を維持した1枚と応募用の1枚といった買い方になることが期待できますので、うまい商売だなとも思います。

 

JR北海道
キハ 183 系 (初期型車両)記念入場券
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2018/180314-4.pdf
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策



このスタイルのきっぷ、複数購入して、プレゼントをさらに綺麗な形で貰いたいとすれば一人で大量購入することに繋がります。ご当地入場券の枚数から考えてもこれらを実際購入した人は数万人ってところでしょうから、その人達が複数枚購入しなければ枚数的には達成しなかったはずです。そういう面から見てもうまいこと考えたなと思うわけです。


キハ40形 山紫水明シリーズ運行開始記念北の40記念入場券

JR北海道は12月4日より「キハ40形 山紫水明シリーズ運行開始記念北の40記念入場券」と銘打った着地型記念入場券の発売を行います。全道24駅で現地購入しかできないというもので、今回も半券応募形のプレゼント企画、そして、応募数でキハ40形1両を過去の塗装や特急形車輌の塗装などで復活させる企画があります。

 

JR北海道
2019.11.29
キハ40形 山紫水明シリーズ運行開始記念
北の40記念入場券を発売します
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20191129_KO_40.pdf
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策

今回は24駅で北は名寄、東は網走・釧路、南は函館ですから、キハ183よりは集めやすい感じになっていますし、実際にキハ40形の普通列車で移動しながら集めることが可能な形になっているのが心憎いところではあります。
1977年から40年以上北海道内をくまなく走り続けたキハ40形車両も終焉が近づいていて。また(これはその当時の国鉄の体質的な問題はあるにせよ)1950年代から大きく変わらないような長く続く青いボックスシートに座れる最後の車輌でもあります。この車輌で長距離移動すれば、その当時の旅人の気持ちに浸れること請け合いです。もちろん一部の車輌を除き冷房はありませんので、夏場は窓を開けての旅を楽しめます。
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策
1952年から製造され1986年まで使われたスハフ44形客車の座席。振内鉄道公園に保存されているもの。
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策
キハ40形の座席。基本的な構造は大きく変わっていない。

今回の入場券は残念ながら台紙などの発売は無い模様ですが、JR北海道のコレクションファイルは今後も継続発売になりそうなので、こちらでまとめるのがいいかもしれませんね。

 

セイコーマートオンライン
JR北海道コレクションファイル
https://online.seicomart.co.jp/delivery/goods_list/goods_list_3.php?o_no=880400000002

「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策
日高線塗装のキハ40。エンジンなどに手が入って座席の表地などが改良されている。


札沼線入場券

JR北海道では2020年5月に廃線となる札沼線の北海道医療大学-新十津川について入場券を発行しています。桑園、石狩当別、石狩月形、浦臼、新十津川の5駅で、各その地へ行かなければ入手できないようになっています。今回は沿線の無人駅の「駅カード」を付属した1枚のシートで、各切り離せば「ご当地入場券サイズ」となるようになっています。200円は破格と思いますが、さらに5駅分の「半券」を切り取り、沿線で700円以上の飲食などを利用しスタンプを受けると、札幌駅でクリアファイルに引き換えられるという特典を付けました。

 

JR北海道
沿線のみなさまとともに
乗って、買って、集めて。札沼線をお楽しみいただく企画を展開します
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/29191127_KO_sassyouline.pdf
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策

この企画、綺麗な切り離したくない券面が欲しければ複数枚購入しますし、クリアファイルが欲しければ食事などで沿線施設を利用する必要があります。沿線とともに協力するような体制というのは石勝線支線(夕張)廃止時も行われましたが、駅数が多く、配布するカードの枚数が多くなることもあって、この方式を考えたように思います。

いずれにしても、鉄道ファンが、ただきっぷを集めるだけではなく、地域に行き、地域の施設を使うということが想定される施策というのは素晴らしいと感じます。仮に車で沿線を巡り、買い集める人にとっても、必ず沿線で700円の食事などを行うというのはハードルが高く、クリアファイルも込みで転売するのは割に合わないでしょう。しかし、本当に欲しくて地元を訪れる人は、駅や発行箇所だけでなく沿線施設で温泉を楽しむ、食事を楽しむなどの行動を行うわけです。


ちょっと残念だった宗谷線駅カード

宗谷本線活性化推進協議会が列車利用者に「ステーションカード」を配布するという試みを行いました。配布は11月1日からで、旭川駅と稚内駅で各1000枚、比布駅・和寒駅・剣淵駅・士別駅・名寄駅・美深駅・音威子府駅・天塩中川駅・幌延駅・豊富駅で各100枚を配布したわけですが、100枚配布の各駅は1日20枚ずつ配布とのことで、当日でも受け取れなかった方、そして、翌週末にはほぼ配布が終了し受け取れないという事態になりました。そして「限定品」とネットオークションで転売されているという状態です。
鉄道利用者に1品1枚配布としていますが、現実的にはカードケースに「1枚お取りください」状態で置いてあるわけで、モラルやマナーの問題にはなりますが、最初から転売目的なら、ごっそり持っていくことも可能性としてありますし、クルマで訪問したところでわからない訳ですね。

 

名寄市
宗谷線ステーションカードの配布を実施します
http://www.city.nayoro.lg.jp/section/sougouseisaku/prkeql0000022p09.html
「キハ40入場券・札沼線入場券」から見るJR北海道の新たな施策


もちろんこのような施策は地元がある程度頑張って宗谷線を盛り上げようという観点で行うわけですから批判できませんし、製作費は4万5千円と予算に限りがありますから配布枚数に制限があることも致し方ないでしょう。しかし、無料で枚数を制限しての配布では、やはり受け取れない人が出てくるわけです。

JR北海道のご当地入場券以降のこの手の着地形入場券は発売枚数の制限を行っていません。企画終了時に一部の駅で売り切れが発生した以外は、一部駅での大量購入者訪問後の売り切れを除けば、ほぼ売り切れが発生した例はないはずで、発売時間に制限があるなどの問題の方がクローズアップされた面がありました。

あくまでJR北海道との話し合いの話ではありますが、宗谷線沿線がJRとの「企画切符」として、幌延-下沼など300円程度の区間の「乗車券」として枚数無制限で発売したなら、私は枚数もそれなりに出るし、乗車券は区間利用者数(切符販売実績)にもなるので一石二鳥的なものになるのではないかと思うのですが、やはりJR側と沿線自治体にはその様な相談も難しい溝もあるんでしょうか。
カードは駅でも配布したわけですから、全くJRがかかわっていないというものでもないわけで、先の札沼線記念入場券のような沿線での施設利用なんかも前提にした企画だったら、参加できる方も多かったんじゃないかなと思うところです。

宗谷線の駅カードは既に稚内駅以外のカードは品切れです。全駅のカードが欲しかったらもう稚内駅に行ってカードを貰ったとしても達成できません。あとは「心優しい方」がオークションに出すまで集める手段はないわけです。これはもったいない。私はそう思うのです。しかも、これから帰省の時期になるわけですから、その時期に一緒に集めたいなと思った人も、さすがに11月1週目で配布終了では興ざめです。


新たな「わがまちご当地入場券」

さて、来年春に新たに行われると予告されている新しい企画については、まだその内容は出ていませんが、5月で廃止になる札沼線一部区間を対象にすることは難しいと思いますので、札沼線記念入場券同様の着地形、そして、地域の店、飲食店利用で特典があるスタイルは考えられましょう。息の長い企画になることを期待しています。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 乗車促進運動 札沼線 わがまちご当地入場券

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