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あらためてファイターズ北広島移転に関してJR北海道の対応

2020/01/21

前回ファイターズ新球場関係の記事を書いたのはもはや1年以上前のことになります。
その後JR北海道は新球場新駅につきまして一定の方向性を出しましたので、千歳線新ダイヤもあわせて考えてみたいなと思います。

North-tt
ファイターズ北広島移転に関してJR北海道の対応
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=428



さて、前回の記事の中では新駅についてのはっきりした形は出ていませんでしたので「できたらいいなぁ」も含めていくつかの妄想を書いたわけですが、実際に新駅設置が見えてきましたので、JR北海道と北広島市、球団が、どのような考え方で観戦客を輸送しようとしているのかを見てみたいと思います。

北海道新聞 2018年11月06日
新球場交通になお壁 日ハムが基本計画発表 新駅、費用が課題/道路、認可に時間 混雑対策「分散帰宅」促す
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/245375
 JR新駅の計画は白紙状態。JRと市が協議中だが、費用負担のあり方などが課題で、JR関係者は「開業当初の新駅は現実的ではない」とする。日ハム側は現駅と球場間の大型バス輸送などを検討し始めた。
 一方、市は3万5千人のうち7千人を近郊からのバス輸送と想定。しかし、現在札幌ドームと近郊を結ぶシャトルバスを運行する北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつバスの3社はいずれも、現時点でBPの詳細を把握しておらず「具体的な検討はしていない」という。



前回記事で最後に記載した北海道新聞からの記事になります。この時点ではすくなくとも北海道新聞の認識では新駅の計画は進んでいないことがうかがわれます。

北海道建設新聞 2018年12月11日
ズームアップ 北広島商工会会長 藤山 康雄氏
https://e-kensin.net/news/111960.html
>あえて言うならば、JR千歳線の新駅構想があるが、そうすると駅と球場の往復になり、市内を歩いてもらえないことを懸念する。われわれとしては北広島駅から球場まで歩いてもらえるよう、飲食店や土産店など開業に向けて中央商店街の整備を進める必要がある。
ぶらぶら歩いてもらえれば、経済効果のほか、ごった返すであろう人の流れを分散することが可能だ。また、野球の試合が開催されない冬期間の活用を考えなければならない。  雇用の面でも不安がある。地元企業の仕事量が増えることはうれしいが、地元だけでは人材を賄えないと思う。


2018年12月に報道された内容です。北広島商工会長の単独の意見か商工会総意なのかはわかりませんが、このように発言し新駅が「設置されない方が良い」という認識を示しています。ただ、何度も書いていましたように球場から現北広島駅への道すがらにそれほどの土地はなく、なかなか買い回りできる感じもない上にシャトルバスは直接札幌市内や北広島駅への接続でしょうから、現北広島駅付近にどのような施設が置けるかにもかかってきそうに思えます。

北海道新聞 2019年02月02日
渋滞は?新駅は?質問続々 日ハムBP構想 市民説明会に132人
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/272764
>  JR北海道の新駅について、市は「新駅は必要であり、関係者と設置に向けた協議を進めている」としたものの、整備時期については「未定」とした。


年が明けた2月の段階でもJRとの協議はまとまっておらず、残念ながら新駅の具体的な話を出すことはできていません。この記事は北広島市の住民説明会ですので、住民に対して公開できない状態であるという意味です。

北海道新聞 2019年02月28日
日ハム新球場 新駅整備見通せず JRは慎重姿勢
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/281279
>交通アクセスに関する北広島市、球団、BP準備会社、JR北海道のトップによる4者会談は、JR新駅を巡る市とJRの温度差がにじむ格好になった。新駅整備を求める市は会談を「前進」と受け止める一方、JRはバスやマイカーなど他の交通手段の整備などを条件に挙げ、慎重な姿勢を崩さなかった。
>関係者によると、「積極的に」という表現は「JRの島田修社長も了承した」という。
 その一方、島田社長は会談後、「現駅の改修は開業に間に合わせるが、新駅は造れるかどうかの結論を出すのが先」と述べ、設置の可否を含めて慎重に検討していく考えを示した。
>また新駅舎は「請願駅」として市などが工事費を負担することになるが、新たな線路敷設などが必要になれば、JRが費用を負担することになる。経営難のJRにとっては重い決断が必要になる。


4者協議の中でもなかなか煮え切らない感じを出していたJR北海道の島田社長。開業時は現(北広島)駅で対応するのはほぼ確定したわけですね。また、新駅に関しては請願駅であることを考えると市がどれだけ負担できるか?という面になるわけです。なぜか線路施設の新設はJR負担のような書き方の記事になっていますが、これも含めて一定の負担はして欲しいというのがJR側の本音でしょうね。

北海道新聞 2019年06月12日
北広島駅ホームを88メートル延長 JR、新球場へ9億円かけ改修
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/314443
>JR北海道が予定する北広島駅の改修計画の概要が12日、明らかになった。混雑緩和策として札幌方面に向かう下りホームを千歳方面に88メートル延ばすほか、改札機を増設する。改修費は約9億円の見通し。19年中に詳細設計を行った上で20年に着工し、23年2月の完成を目指す。
> 一方、北広島市や球団側が求めるBP予定地隣接の新駅整備については、引き続き検討を進める。近くBP付近の地形・地質の調査を行うほか、工事費や工期を試算する予定だ。


JR北海道 2019.06.12
北海道ボールパーク(仮称)開業に向けた北広島駅の改修について
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190612_KO_Kitahiroshima%20renew.pdf


さて、6月には具体的な北広島駅の改修内容が発表されました。約4両分のホーム延長で観戦客と快速などの利用客が錯綜するのを避け、コンコース拡大と改札機増設がメインとなります。
球場新駅に関しては試算、調査という項目が出てきましたので、ある程度その方向性を決めることになるのかな?という少し明るい兆しが見えてきたように感じます。試算が出て、費用を市が呑むなら作るという方向であることが読めますね。

北海道新聞 2019年07月10日
日ハム新球場 観光振興に期待感 アクセスなお課題 協議会初会合
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/323681
> BP開業では、新球場と周辺都市を結ぶ交通システムの充実が課題になっている。会合では、札幌観光バスの福村泰司社長が「成功の鍵の一つは交通手段、移動手段だ」と述べるなど、輸送体制への注文も相次いだ。
 交通システムについては、協議会の交通分科会で北広島市や日本ハムと、バス事業者らが検討を進める。道内では現在、外国人観光客の集団旅行が一服した状態であり、貸し切りバス事業者は「新たなビジネスチャンスにつながる」と協力に前向きな姿勢だ。
 ただ、大きな課題となるのが運転手の不足。とりわけ「生活の足」を担う路線バス事業者は「運行状況が過密で、運転手の休憩時間を確保できなくなっている。一般の路線運行を優先せざるを得ない」と話す。
 分科会では路線バス業者が新球場―北広島駅間の輸送を担い、貸し切りバス事業者は新球場と札幌など周辺都市を結ぶバスを運行し、役割分担をする方向で検討を進める。JR北海道が今後、球場に隣接する新駅設置を決めても開業には間に合わず、当面はバス輸送が柱となる。日ハム球団が「北海道の新たなシンボル」と位置付ける新球場の輸送体制は不透明なままだ。


先の4者に加え近隣市、道、バス会社等も協議に加わった協議会が開催されて、その議題の大きなウエイトはやはり観戦輸送になります。ここで一定のバス輸送の方針が示されたように思います。貸切事業者は周辺市への比較的長距離のシャトルバス輸送を、路線バス事業者は球場から北広島駅を輸送するという役割分担です。
以前も書いたとおり、球場を出発したシャトルバスが例えば札幌市内の駅に仮に1時間で到着するとして、その車両は球場に戻って再度輸送できるかというと厳しい面があります。ほぼ必ず1回のみの輸送になるという非効率をなんとかするなら台数を稼ぐしかないわけですね。

北海道新聞 2019年12月12日
北広島の新球場駅決定 28年春完成 JR案を市が受け入れ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/373785
> JR北海道の島田修社長は11日の記者会見で、北広島市に2023年開業予定のプロ野球北海道日本ハムのボールパーク(BP)に隣接する新駅の整備案を公表した。総工費は80億~90億円で28年春に完成する計画。JRに設置を求めていた北広島市の上野正三市長は同日、整備案を受け入れる方針を表明し、新駅の設置が決定した。
>新駅に停車するのは普通列車のみとし、列車10両分にあたる長さ約200メートル、幅10メートルのホームを新設。


10月に行われたボールパーク運営会社設立、そして最終的な協議を経て新球場駅を整備することを公表するに至ります。

JR北海道 2019.12.11
北海道ボールパーク(仮称)開業に伴う
新駅案の検討状況と北広島駅の改修計画について
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20191211_KO_BP.pdf


北広島駅の拡張計画も含め、改めて告知されることになります。引き上げ線は1本とし、外側に通過線を設けることでホーム乗客と通過列車の接触を回避、ホーム長さは報道では10両分(200m)とありますが、リリース文内に言及はありません。これは北広島駅の改修に関しても札幌方面へのホーム長を4両分伸ばす旨を明記していますので、同様の長さになると思えるところです。

北海道新聞 2019年12月18日
新球場駅、2月に市民説明 北広島市、費用抑制方針を強調
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/375676
>JRは総工費を80億~90億円と積算。川村裕樹企画財政部長は「市民負担がないよう、民間事業者としっかり協議する」と述べ、民間投資を促して市の費用負担を抑制する方針を強調した。
 BPは市内に2023年開業予定。JRは28年春にも新駅を完成させるとの構想を11日に公表し、市側も受け入れを決めている。工事費は「地元負担」が原則とされ、市民からは、費用負担による市財政圧迫や増税への懸念が聞かれる。


費用負担に関しては市だけでなく民間事業者も負担するとの考えということですが、新駅の開業時期が新球場開業から5年差がありますので、単年度の投資額が少なくて済むという面があります。その代わり新球場の観戦客は5シーズンシャトルバス、徒歩などで北広島駅への移動を行う必要がありますね。それが短縮されるのか?が今後の課題となりましょう。

また、JR北海道の2020年3月のダイヤ改正についても発表されています。今回改正では快速エアポートが1時間あたり5本になりますので、現行の普通列車、特急列車、貨物列車の本数が変わらないとして、そこに観戦列車をどのように潜り込ませるのか?という観点も必要になりますね。使用できる車両数に大幅な余裕はありませんが、かといって詰め込むことが難しい現行の721系車両などを使いにくいという面もあります。札幌方面へ仮に1万人を輸送すると普通列車3本+観戦専用列車2本を快速列車の間に入れる形が想定できますが、1列車800人乗せても12本必要ですので北広島駅なり新駅で最大2時間半輸送にかかってしまうという意味になります。
もし、北広島駅・球場駅・新札幌駅・札幌駅だけを停車する列車を観戦輸送列車として増発できるなら9両編成を検討できるのですが、現行札幌圏で使用されている普通・快速列車用車両721系・731系・733系・735系の各列車については6両編成以上の対応はできていませんので、何らかの改修を行うか、専用車両の用意が必要になろうかと思います。(そういう意味でJR東日本の通勤対応車の話を前回妄想で書いています)


北広島駅改札内から改札外へのスペース、ここも拡張が行われる

同様に妄想を書いた前回の記事では特急車両も含めた着席列車も検討できるかなとも思いましたが、現実的に厳しく、新札幌までなら10分以内、札幌駅までなら20分以内という所要時間混雑を我慢してねという形にはならざるを得ないかもしれません。それでも道路を供用し、渋滞が見込まれるシャトルバスよりマシかなぁという感じになりましょうか。

折角の球場内で「楽しみ」を提供し、なるべく帰宅時間を遅らせても混雑が続くのは厳しいなとも思いますし、それについて具体的な回避策については今のところ報道では見かけていません。(球場からの道路渋滞考えると選手も帰るの遅くなるって事ですよね・・・)
現実的な球場開業が見えてくるとそのような話が出てくるのでしょうか?

北広島球場輸送 北海道の交通関係 JR北海道 路線バス 千歳線

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