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北海道の交通関係
北海道の交通関係サイト終了のお知らせ
当サイトは終了することといたしました。本件に関しましては以下をご確認ください。
当サイトは2023年12月末で閉鎖することといたしました
2020年の新たな「観光列車」に期待と不安と
2020/01/23
昨年2月に発表になっていましたJR北海道の新たな観光列車についての計画。
JR北海道 2019年02月12日
JR北海道は、JR東日本・東急電鉄・JR貨物と協力し、道内に観光列車を走らせます ~観光列車による道内観光の振興と地域活性化を行います~
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190212_KO_KazeRoyal.pdf
今思い出してもこの発表は様々な会社が協力し北海道で観光列車を走らせるという観点から、かなり大胆な、過去にはあまり例のない方法での運行を行うことも含め話題を集めました。
そのうち2019年の夏にはJR東日本から借り受けた「びゅうコースター風っこ」を用いた観光列車「風っこ そうや」を宗谷線にて運行。7月から9月までという夏季期間でありますが、おおきく窓を開けたトロッコ列車的な列車は好評であったと聞いています。
そして2020年夏には「THE ROYAL EXPRESS」を北海道内で走らせるという企画も発表されました。首都圏から伊豆を目指すクルーズトレインでありますが、これを非電化区間もあるJR北海道管内で走らせるという企画は多くのファンの考えることすら超越した、各社が本気で驚くような企画を出したということで、非常に興味深い企画であります。
この発表から約1年経ち、新たな企画と「THE ROYAL EXPRESS」についての詳細な内容が発表されましたので、当サイトでもご紹介したいと思います。
JR北海道 2020.01.16
「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」について
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/ab2b7bc2a60dbbe48a5a849ca3e61e02_1.pdf
編成は8両編成を5両に短縮し、編成の電力を賄う電源車を連結。機関車はJR北海道が所有する2両を専用塗装しけん引することになります。運行のほか、地元のおもてなしの協力等をJR北海道が行い、企画・販売・社内外サービスは東急電鉄により行われます。
運行区間は札幌-池田(十勝川温泉宿泊)釧路-知床斜里(知床宿泊)知床斜里-北見(薄荷ワークショップ)遠軽-旭川(富良野宿泊)札幌という周回コースとなり、知床、富良野などはバスで移動します。定員は30名、3泊4日、基本価格は68万円というツアーです。
運行は5回行われます。
1)2020年8月14日(金)-17日(月)
2)2020年8月21日(金)-24日(月)
3)2020年8月28日(金)-31日(月)
4)2020年9月4日(金)-7日(月)
5)2020年9月15日(火)-18日(金)
販売時期は過去に「THE ROYAL EXPRESS」を利用したことがあるリピーターは先行販売が行われ2020年2月10日から。一般販売は2020年2月17日からとなります。
なお、募集人員は1回あたり30人で最少催行人員16人となります。
もちろん出発地からの航空券などは含まれませんから札幌発着で1人68万円というのはかなり高額なツアーといえましょう。過去にはこのような高額ツアーは鉄道利用ではあまりないものでしょうし、詰め込み型の日程ではなく、3泊を十勝川温泉、知床、富良野としますし、多くの場合札幌で前泊、小樽等はオプションと考えれば5泊6日程度の北海道一周型旅行という考え方もできます。
「THE ROYAL EXPRESS」も運行開始から3シーズン目であって、目新しい新たな行き先の提案という意味も東急では持っていそうに思います。今回、北海道で運行される車両面では8両編成のうち1号車(ゴールドクラス)・4号車(キッチンカー)・5号車(プラチナクラス用食堂車)・6号車(プラチナクラス用食堂車)・8号車(プラチナクラス)という5両編成のようです。つまり客室を削り、食堂車2両とキッチンカーを連結していますから、実質的に定員となると30名となってしまうわけですね(8両編成時の定員は100名)
これは、かなり実験的な要素もあるように思えますし、東急としても今回北海道エアポートとして参画していることもありますから将来的な空港からの二次交通、そして各観光地への事業展開としても試金石となる企画になろうかと思います。
JR北海道 2020.01.16
宗谷線で観光列車「花たび そうや」号を運転します!
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/08d753b153dc34784e2217993521038d.pdf
また、5月から6月にかけては宗谷線での臨時急行「花たび そうや」を運行することも発表されました。今回はJR北海道がキハ40形式を改造した観光列車兼用車両「山明」「紫水」の2両編成で定員は80名としています。これは車端のロングシートおよび2人掛け部分を除く10ボックス分を指定席として発売するように見えます。
今回は「急行」ということでJR北海道としては2016年に廃止になった「はまなす」以来の急行列車の復活となりますし、週末などに使用できる「道北一日散歩きっぷ」(次年度発売があれば)などの普通列車割引切符での乗車を抑制でき、また、指定席が利用できない一部のフリーきっぷでの乗車時も急行券・指定席券を徴収できるという意味では意欲的な設定になったなと思うところです。
苗穂工場で一般公開された「山明号」
JR北海道 2020.01.20
JR×ANA共同リリース
北海道の地域創生に向けた連携を開始
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200120_KO_ANA_JR_.pdf
JR北海道とANAはこのような共同でのキャンペーンを企画しました。ANAの新千歳空港・旭川空港・稚内空港着路線の利用客にJR北海道の割引切符「ANA きた北海道フリーパス」を発売します。これが第1弾と銘打っていますから翌年以降他の区間に発展するのかも気がかりなところです。
現在JR北海道とANA以外の各航空会社との提携による割引乗車券等の発売は以下の通りです
JAL(日本航空)
JAL/JR北海道 感動 "新" 発見 ひがし&きた北海道キャンペーン
https://www.jal.co.jp/dom/campaign/hokkaido/higashi-kita/
旅行商品組み込みのため単独での販売は行いませんが、新千歳空港-札幌-小樽・根室・旭川・網走と周遊可能なフリーきっぷを選択できます。(指定席利用可能)
Peach
Peach ひがし北海道フリーパス・きた北海道フリーパス
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/freepass/
AIRDO
AIRDO ひがし北海道フリーパス・きた北海道フリーパス
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/freepass_airdo/
peach・AIRDOともに基本的な商品は同じです。(きた北海道フリーパスについてはANAと同様、ひがし北海道フリーパスについてはJAL旅行組み込み商品と同様)
新千歳空港以外の空港から市内へのバス割引券も発行できる特典があります。また、これらのフリーパスは特急自由席利用は可能ですが指定席利用は特急券等が別途必要ですから先の宗谷線臨時急行でも別途急行券・指定席券が必要という意味でも、やっとJR北海道もしたたかな運賃・料金徴収の設定を行うようになったなとも思います。
また、これらのフリーパスは、設定金額こそ安いものの、航空券(半券的なもの)が必要かつ到着当日の発売ですので道内需要とはかち合わず、引き換え後は利用の多少関係なく一定の収入になるという意味合いもあります。他の航空会社とも是非検討して欲しいなと思うところです。(稚内空港の夏季の羽田便、15時台到着で稚内駅の17時50分・南稚内の18時までの窓口営業時間では当日限定にされると途中寄り道ができないのは気になるが)
JR北海道
JRフリーパスとは
https://www.jrhokkaido.co.jp/otoku/index.html
これ以外にも各旅行会社が本州方面からのパック旅行などに追加して旅行に組み込めるJRフリーパスがあります。こちらは特急指定席が利用できるものと札幌圏の普通・快速列車が利用できるものがあります。
春の臨時列車についても発表されました。定番のフラノラベンダーエクスプレス、富良野・美瑛ノロッコ、くしろ湿原ノロッコがラインナップされました。ただ、最盛期に6本を数えたJR北海道の観光列車に使われていたリゾート列車も今はノースレインボー1編成のみ、まだ新多目的観光車両は登場しておらず、過去のリリースでも第1編成は2020年10月と今年のフラノラベンダーエクスプレス運行には間に合わないようです。ですので今年のフラノラベンダーエクスプレスは通常の特急車両を使用したものになる可能性はありそうです。
JR北海道 2020.01.17
春の臨時列車のお知らせ~3月から6月に運転する列車です~
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200117_KO_SpringSeasonTrain.pdf
「観光列車」に関してJR北海道の黎明期、また1990年代頃までですと例えば札幌・新千歳空港-富良野を運行した航空会社借り上げ列車であったANAビッグスニーカートレインや、食堂車を連結したトマムサホロエクスプレスなどを思い出しますと、どうしても今後JR北海道が導入する多目的特急車両もキハ40による観光兼用車両もどこか「普通の列車」でしかないわけで、なかなか特別感はありません。そして多分世論もそんなものを求めていない、今や縮小均衡ですら難しい北海道内の経済を考えると、やはりどこかで高額な金額をある程度落としてもらえるような列車を考えたいものだなともおもうのは、やはりオッサンの戯言なのかもしれません。
今回「THE ROYAL EXPRESS」という非常に高額な列車を運行するにあたって、地元がその一定の「富裕層」な方々にどのようなおもてなしができるのか?という面も気になるところではあります。JR北海道のリゾート列車は他社と異なり基本的に「普通車」ある程度一般的な車両として設計されていました。つまり今まで何十万も払うような人たちをお迎えしたことが経験としてない。
この方々に「来年も是非企画してほしい」「北海道オリジナルの設備で楽しみたい」「もっと支払ってもいい」と思わせるようなおもてなしができるか。これは問われると思います。
駅で法被羽織ってゆるキャラ出すだけではもはや「おもてなし」なのかわからないようにも思うのですよ。それが心配です。