北海道の交通関係

新型コロナウイルスはJR北海道の致命傷になりかねない

2020/03/12

医療に関しては全く専門外の私ですので、いい加減なことはいえませんが、新型コロナウイルス拡大に伴う社会不安や自粛の状況は私にはあまりにも「やりすぎ」な感じを受けています。
もちろん感染拡大は防がなければなりません。重篤化すれば死を招くウイルスではありますが、そのようなウイルスはなにも新型コロナウイルスだけではありませんので、元から様々な病気を発症させる細菌やウイルスに感染しないよう私たちは過ごさなければなりません。それが手洗いうがいという基本的なことであり、風邪の症状が発生したらむやみに出歩かないことであります。そのCMを特定しますが「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」なんて最悪です。その症状がどのような病原でなっているかわからない以上休めよ!です。(さすがに今はこのCMやってないようですね)

なので、あらためて私たちができることは「手を洗い、うがいをし、感染予防に努めましょう」「症状が出たらむやみに出歩かず、家にいましょう」でしかないわけです。

各種イベントがキャンセルになり、私も3月に行くことを予定していた3本のライブが全て中止、延期になってしまいました。プロ野球、サッカーの公式戦も延期、仕事上でも出張はほとんど無くなってしまいました。結果、交通機関での移動自体がものすごく減っているという状況です。特に北海道は五月雨式に各所で感染者が発生しており、北海道知事による事実上の外出制限を伴った「緊急事態宣言」がされた結果、公共交通機関の利用は大幅に減っています。

今も職場は通常通りで毎日JRで通勤している私ですが、電車が非常に空いています。何度かはいつもなら座れるどころか掴まる場所さえ制限される列車に座れるほどという極端な空き方です。

JR北海道の経営危機

JR北海道は3月11日の記者会見でついに特急列車の減便に踏み切ることを発表しました。

朝日新聞 2020年03月12日
JR減便、再建へ打撃 特急最大24本
https://digital.asahi.com/articles/CMTW2003120100001.html?pn=5
 「(1987年の)会社発足以来、減収幅は現時点で最大。東日本大震災を上回る大きな影響が出る」。札幌市の本社で開かれた11日の会見で、島田修社長はこわばった表情で話した。
 北海道が先月28日に「緊急事態宣言」を出して外出自粛を要請して以降、利用者が急減。それまでは前年比1割~3割程度の減少にとどまっていたが、3月2日~8日は特急列車が前年比69・9%減、新千歳空港駅発着の快速エアポートは52・3%減、北海道新幹線(新青森―新函館北斗)は75%減。島田社長は「観光やビジネスなどの人の動きが止まった」と話した。
 同社の運輸収入は1日平均で約2億円だが、3月以降は半減しているという。1月下旬から3月末の減収額は47億円を見込む。2011年3月の東日本大震災(約11億円)、16年夏の台風被害(約40億円)、18年9月の北海道胆振東部地震(約17億円)を上回る水準で、昨年10月の運賃値上げで見込んでいた増収も吹き飛んだ。今回は収束がなお見通せず、事態の長期化も含めて「規模はさらに拡大すると見ざるを得ない」(島田社長)という。



ちょっと長めの引用ではありますが。中国人観光客の減少が伝えられていた2月でも1~3割減だったものが、3月以降は特急列車が約7割の減少、快速エアポートは半分以下というあまりにも大きな数字に、もはや何かをテコ入れすればどうにかなるという状況では無いということになります。
年間の鉄道運輸収入が712億円(平成30年度)のJR北海道にとって、1-3月の営業収入47億円のマイナスを見込むというのは極端すぎます。単純に1日2億円、1ヶ月60億円の鉄道運輸収入(季節にもよるでしょうが)ということは約26%のマイナスです。しかも、4月以降に回復する望みはほぼありません。年間で150億円~200億円のマイナスになることは充分に考えられる。値上げ分の増収どころか年間の単体赤字額が400億円程度となる可能性は考えられます。もはや何かをどうしたところで、この赤字を埋めることは不可能でしょう。

実のところ鉄道の営業費用に占める動力費などの割合は非常に少なく、記事内でも減便による改善は4400万円程度とされます。やらないよりはマシですが、装置産業としての鉄道事業は線路、土木設備にかける金額が大きいわけです。これは数便走らせても走らせなくても大きく変わることはありません。結果、減便が大きな効果を上げられないという面があります。それでも減便を行うというのは、非常に大きなメッセージ。本当にJR北海道が死を迎える可能性という部分を意識しなければならないのだと思うのです。

新型コロナウイルスは今終息するというのは考えにくく、2020年いっぱいは影響が残ると考えるのが自然に思えます。最悪夏頃に終息していなければ観光列車の運休、一部の路線そのものの運休も考えなければならないほどの状況にあることを意識しなければなりません。そしてそれを行ったところで破綻を先送りする程度の意味しか無い。今回の新型コロナウイルスによる社会不安はここまでのおおごとなのです。

バス会社等の危機

北海道のバス会社は今も地域毎に会社があり路線を持つ状況です。経営基盤はJR北海道など全道規模の会社に比較して小さく、地域路線バス事業での収益は少なく、観光バス、都市間バスの収益でなんとか維持しているという会社も少なくありません。新型コロナウイルスによる外国人観光客の減少、団体旅行の減少で、既に北海道内の観光バスはほとんど稼働できていない状況に陥っています。貸切専業事業者の廃業も発生しています。

北海道新聞 2020年03月03日
浦河のバス運行会社 肺炎拡大で業務休止 味十商事
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/398569
貸し切りバスやタクシー運行の「味十(みと)商事」(日高管内浦河町)は2月29日で全業務を休止した。新型コロナウイルスの感染拡大により、外国人観光客のバスツアーのキャンセルが相次ぎ資金繰りが悪化した。


HTBニュース 2020年03月10日
観光業界は大打撃…半額で起死回生めざす温泉宿
https://www.htb.co.jp/news/archives_6989.html
貸切バスや観光バスを運行する札幌市白石区の時計台バスでは、普段は32台のバスが稼働していますが10日に走っていたのはわずか2台でした。時計台バスの南部武人常務は「1月からすべてキャンセル。3月は壊滅的」と頭を抱えます。



また、都市間バスでも運休が発生している状況です。

稚内プレス 2020年03月05日
7日から夜行運休 宗谷バス、北都観光の札幌間都市間バス
http://wakkanaipress.com/2020/03/05/44278
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、宗谷バスと北都交通が共同運行している稚内~札幌間の夜行便2便が7~15日までの間の運行が休止されることになった。


北海道新聞 2020年03月12日
道南バス 都市間4路線減便
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/401527
運休するのは苫小牧―札幌が14往復中6往復、室蘭―新千歳空港が9往復中4往復、登別温泉―新千歳空港が3往復中2往復。登別温泉―洞爺湖温泉は全2往復の運行を取りやめる。同社によると、外国人観光客の減少や外出を控える動きが広がった影響で、今月の4路線の利用客は、前年より50%以上減少しているという。


(追記)
沿岸バスはぼろ号(札幌-羽幌)
北海道バスニュースター号(札幌-函館・釧路・帯広)
の減便が発表されました。細かい内容は各公式ホームページでご確認をお願いします。


(2020年3月13日追記)
北海道中央バス・北都交通の新千歳空港連絡バスの減便が発表されました。
細かい内容は各公式ホームページでご確認をお願いします。


新型コロナウイルスは「会う」「見る」ということを制限せざるを得ない状況に陥っている以上、観光バスや都市間バスの利用減少は甚だしく、これに収益を依存している(これは特急列車の利用にある程度収入を依存するJR北海道にもいえる)バス会社の経営悪化は避けられません。今のままでは路線事業者でも4月にも経営危機に陥るバス会社が現れるのも避けられない事態と考えられます。


JR北海道の減便対象列車

当サイトの時刻表サイトでも3月14日からの新ダイヤ対応は概ね終了しており、JR北海道の発表に合わせて、減便対象列車の表示を行っております。

●函館-東室蘭-札幌(北斗・すずらん) 函館方面 2020年03月14日改正
●函館-東室蘭-札幌(北斗・すずらん) 札幌方面 2020年03月14日改正
●札幌-帯広-釧路(おおぞら・とかち) 釧路方面 2020年03月14日改正
●札幌-帯広-釧路(おおぞら・とかち) 札幌方面 2020年03月14日改正
●札幌-旭川(ライラック・カムイ) 旭川方面 2020年03月14日改正
●札幌-旭川(ライラック・カムイ) 札幌方面 2020年03月14日改正
3月23日-4月23日の期間中運休する列車は「橙色」にて表記しています。運休期間にご注意ください。

大型連休前までの期間限定の減便となっていますが、新型コロナウイルスの終息の状況によっては期間の延長も考えられますので、ご利用の方は再度公式サイトなどでご確認をお願いいたします。


わたしたちにできること

もちろん、観光、飲食などの企業も、立ちゆかなくなるものは多く現れるでしょう。今、震災後のような「イベントは不謹慎」「飲み会は不謹慎」などの意見が「感染者を拡大するな」という大義名分で正当化されていっています。
ある意味では正しいことです。誰も好き好んで新型コロナウイルスに感染したいわけではありません。
しかし、気をつけなければならないウイルスはこれだけではありません。今まで多くの人はその恐怖を感じず日常生活を送っていたはずです。良くないのは、今は新型コロナウイルスに感染するとその「犯人捜し」を始めてしまうことです。店員が感染し、客3人がここから感染したとされるすすきののライブバーをいくら叩いたところで意味が無いのですね。しかも、これは緊急事態宣言の発行前の話しです。なので、ここが「クラスター」だったとする報道は私は悪意があり誤りだと思われます。この店の客次々に感染したのではないわけです。感染者の日常や出先を追って、どの店が悪いとやったところで感染者拡大は防ぐことはできません。そして、多くの人が完治していることを考えると重篤化するのは一定の基礎疾患を持った人とするのが自然だと私は思うわけです。

なので、私たちは、日頃から健康に生きるため、適度な運動をし、そして感染予防のための基本的な手洗いなどをいつもよりマメに行い、さらに、あまりにもぎゅうぎゅうになり飛沫が飛ぶような環境を避けること。


新千歳空港駅の北海道と本州の大きさ比較の図。「北海道」で患者発生!っていう報道がどれだけ意味が無いかというのをわかっていただきたい。


そして最も大切なことは

必ず公式的な情報を確認し、信用し、怪しげなものになびかないこと


でしかありません。公式的な情報なんて信用できない?死者の数は捏造?よく考えてみてくださいよ。大きな病院はほぼ間違いなく労働組合的に赤旗置いてあるような組織があるんです。組合員に政権から捏造依頼されて言うこと聞くと思いますか?すぐに野党から「こんな依頼があった!捏造だ!」ってなるでしょ。それじゃなくても死因、葬儀屋、みんなにそんな依頼してたら必ず喋る人出てくるでしょ。それがデマ的にあなたの耳に入ったなら、国会で、自治体議会で議事録になるような形で出てきてなきゃおかしいんです。

そして、検査で陽性出ても、症状が軽ければ風邪と同じなので家で寝てる以外の対処方法も無いのが現状なのですから。検査してもらえないと病院渡り歩く方がよほどマズいことだと気がつかなければなりません。

もちろん、当記事の内容が正しいかどうか?読まれている方は必ず一次情報を確認すべきです。自分の住む自治体、厚生労働省のページ、これを見ている端末なら今すぐ確認できます。むしろ私の記事なんかより公式情報を見に行ってくれ。そして自分なりに行動を考えてくれ。そう思うのです。

ただ、今の状況が続けば、新型コロナウイルスによる死者よりも経済的な死者の方が多数になってしまいかねません。あなたが元気で症状もないなら、気分転換に街へ出て、ちょっとでもお金を使うこと。これが大事だとも思うのです。

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