北海道の交通関係

JR北海道の「2019年度第4四半期 報告書」から

2020/06/12
JR北海道は6月8日に2019年度の線区別収支、利用状況およびアクションプランの取り組み、第4四半期の報告書などをリリースしました。

 

JR北海道 2020.06.08
2019年度第4四半期 アクションプランの取組状況
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200608_KO_ActPlan.pdf
2019年度 線区別の収支とご利用状況について
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200608_KO_senkubetu.pdf
JR北海道グループ 経営改善に関する取り組み
2019年度第4四半期 報告書
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20200608_KO_19y4QKPI%20KGI.pdf


これを受けて毎度ですが北海道新聞は、随分うきうきした感じでこんな記事を配信してきました。

 

北海道新聞 2020年06月09日
コロナで経営改善帳消し JR全線区6年連続赤字 再建初年度つまずく
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/428759
> JR北海道が8日発表した2019年度の線区別収支は、外国人観光客などの利用増のほか、運賃改定やコスト削減などの効果が一定程度上がったものの、2月から猛威を振るい始めた新型コロナウイルスの影響で全て帳消しとなった。JRが31年度の経営自立を掲げ、19年度から本格化させた経営改善の取り組みは、初年度からつまずいた形となった。
> 過去最大の赤字更新に、綿貫泰之常務は「第3四半期(10~12月)までは取り組んできた施策の効果も積み上がり、おおむね順調に推移したが、2、3月にコロナの影響を大きく受けた」と振り返り、「鉄道利用促進など知恵を絞り、都市間輸送の減少に歯止めをかけたい」と説明した。


さて、では、実際リリース内容から各項目を見ていきたいのですが、最初に「2019年度第4四半期 報告書」をみていきたいと思うのです。各項目の達成状況などが書かれますが、そもそも今年に入ってから約3ヶ月は新型コロナウイルス対策もあり、ほぼ未達になっているのは、これを責められるような状況ではないとも言えます。外部の要因なんか関係ない!未達なのが悪い!なんて言ったところで、現実的に無理なものは無理なわけです。

なお、以前も書きましたが調達コストの削減が達成されたといいますと、地場の中小からの調達が非常に難しい。価格競争力の大きい企業からの一括購入のような調達方式が求められたわけです。これは北海道の地場産業にとっては「死刑宣告」であることに留意しなければなりません。単純な事務用品一つ地元からは買えない。本社一括で一社に一括発注では、以前は行われていたであろう地方事務機器卸などの企業からは購入していない。そういう状況になっていることを理解しなければなりません。
もちろん、調達コストを下げるのは至上命題で、地域の企業との取引は不要という観点は仕方ないことです。しかし、そういう面があることを抑えておきたいものです。

2020年度の主要施策で気になったものを上げてみます
・都市間輸送
帯広・釧路方面と白老に重点を置くということで、早速6月11日には帯広・釧路方面でえきねっとを使用した約半額になる企画乗車券の発売に踏み切っています。

・観光列車
観光列車の利用前後に鉄道をご利用いただくことを目的とする観光列車というのが気になります。ノロッコ号に接続する観光列車?

・コスト削減(JR北海道)
業務委託の仕様見直しとして、背モタレ・ごみ箱・車両清掃が上がっています。ごみ箱の設置基数の減少やシートカバーの交換頻度の減少なんかはあるんでしょうか。

・効率化・省力化
3Qに話せる券売機20台規模の導入がされています。話せる券売機は札幌圏の一部駅に設置され稼動していますが、これを増やすことになる場合、20駅とするならば札幌圏の有人ほぼ全駅が対象になる可能性があろうかと思います。
4Qに旅行センター業務見直しがあるので、もはや「旅行センター」そのものがほぼ残らないと考えて良いかもしれません。

・お客様満足度の向上
2QにWEBサイトへのバリアフリーガイドの開設
3Qにキハ261多目的車両「はまなす編成」への全席コンセント設置(これは新製時にそういう仕様で出てくるということか)
4Qに旅客トイレ洋式化、英語自動放送線区拡大、札幌圏無人駅案内モニター設置
駅トイレの改修を意図しているのか、車両面の改修を意図しているのかはわかりませんが、731系あたりはトイレ洋式化改造はありそうですね。また、英語自動放送線区拡大は既存車両でも行うのか旭川に導入するH100形で行うのかも注目です。すでに富良野線では英語自動放送導入済なので、H100が他線に導入なら必然的に拡大されることになります。
札幌圏に無人案内モニターは、現時点ではあまり活用されていない液晶モニターを流用するのか新設するのかはわかりませんが、輸送障害時に遅れなどの案内を行うものであればよいなとは思っています。


また、アクションプランの取り組み状況ですが、正直、このレベルを今やっていますというのは恥ずかしいことであるという認識がそろそろ沿線各自治体で思ってほしいと。鉄道に乗ることを意識しないプランを幾らつくっても、列車に乗る人は増えません。あたりまえじゃないですか。結果が「線区別の収支とご利用状況について」で見えているわけですよ。輸送密度を上げることができたのは日高線苫小牧-鵡川だけです。ここは鵡川高校のむかわ町運行のスクールバスを縮小し、列車の時刻、学校始業時刻を変えた上で鉄道利用を増やした成果が完全に出ています。そこまでやらなければ輸送密度は増えないんです。

 

North-tt
JR北海道各路線の「平均通過人員」(輸送密度)
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=123


当サイトで更新しましたが増減幅でみたら一目瞭然です。ほとんどの路線で7%程度減らしている。コロナコロナ言っても、地元客の使う路線の減り方としては異常ですよ。これでは残せないでしょう。何のためにアクションプランだ何だ言ってるんですか。アリバイじゃなくて実効性のあることをやらなければ、そして考えなければならないんです。各路線で違いますから一概に言えませんが、少なくともフォトコンテストでは増えないのはそろそろ共通理解にしてください。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道

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