北海道の交通関係

浦河町の通院ハイヤーは誰の利便を高めるのか?

2020/06/30
以前から、本サイトでは日高線沿線の住民が利便の高い交通機関というのはどのようなものかを少ない情報から考え、現状の交通機関についても、利用しながら記事にしてきています。

しかしながら、地元に住むわけでも、自分自身が通院や入院の必要性が無い以上、なかなか完全に寄り添っていくことは難しいことだと痛感しています。日高ではありませんが、北海道の地方での医療の現状や、自分の身内が病気をした際にどう通院し、どの病院を選択しているのか?なども参考にしたあくまで憶測での記事になってしまっているのが現状でもあります。

しかし、そんななかでも、JR日高線の代行バスの不便さであったり、沿線を並行して走る都市間バス、路線バスについても記載し、これでは通院に使うことは難しいこと、また、地域の通院事情を医療的データから紐解いてきたつもりではあります。

全道版のニュースにはなりませんでしたが、浦河町は苫小牧への直行する路線バスが2018年に廃止(苫小牧を経由しない新千歳空港行きに変更)されたことで、住民から不満があった苫小牧への通院について、一定の解決策を提示しました。

 

北海道新聞 2020年6月30日
浦河-苫小牧間 町が助成スタート 通院ハイヤーまず2人利用
浦河町の通院ハイヤーは誰の利便を高めるのか?
(WEB配信なし)

浦河-苫小牧に週2日乗り合いハイヤーを運行するというもので、利用者負担額を路線バスと同額にすることで、路線バス代わりに利用できるという形にしたものですね。

 

浦河町
通院利用者等支援事業
https://www.town.urakawa.hokkaido.jp/kurashi/kenkou/tuuinn.html
浦河町の通院ハイヤーは誰の利便を高めるのか?

あくまで利用は浦河町在住で通院目的であることとしています。

時刻表を見るとおり、苫小牧市内到着は午前9時頃と通院に適する形となります。新聞記事では苫小牧駅に8時過ぎに到着と、あまりにも時間が異なるのは途中の経路が指定されていない、また途中での運転手の交代や途中からの乗車もありませんので約2時間程度で到着するということなのでしょう。

2018年から地元の要望を受けて道南バスとJR北海道が協議し運行開始となった「特急ひだか優駿号」であれば浦河ターミナル6:15-ウトナイ湖8:42/8:59-苫小牧駅前9:45ですから、時間的にも全く適いません。運賃は一緒ですから、一体誰が「特急ひだか優駿号」を使うのでしょう?

新聞記事内で「本当に助かる」なのは間違いないことでしょう。浦河から苫小牧への通院は大変なことです。そんななか直通のバスを奪い、新千歳空港への直行を行うようになったのは決してバス会社が勝手に行ったわけではありません。元々は地元の要望で運行開始したはずな訳です。

地域外(本州)から人が来て欲しいと思い、地域住民が必要な足を奪った結果さらに自前で金を出してタクシーを走らせなければならなかったということなんです。場当たりが過ぎるんですよ。

まして、道南バスはこれで、乗り継ぎの客が逃げる。特急バスは地元の補助案件では無いはずなので、このような都市間バスすら運行が難しくなっていくわけです。現実に札幌-浦河のペガサス号の減便も行われているんです。


記事内で苫小牧の整形外科に通う80代男性が「乗換が少しでも楽な経路」として高速ペガサス号で札幌に行き、さらに苫小牧まで高速バスに乗るという信じがたい経路で移動していることも報道。いくらなんでもそんな経路は考えられない!と私も思いますが、しかし、ウトナイ湖バス停の長時間歩かされる乗り継ぎを考えると、まだマシな方法とも考えられます。

町は今回の乗合タクシー事業のためにタクシー会社に1日7万円支払う契約。しかし、浦河のタクシーは8台だけです。その1台が朝から晩まで地元にいない状況になる。これも、良い状態なのか?考えなければならない。

はたして、地域の利便が高い交通機関。通院、通学、域外からの観光客も含めた使いやすい交通機関ってなんでしょうか?浦河町は日高線の廃線に今も反対し、JRが拠出する支援金は額が足りないと条件闘争をする構えですが、では、日高線を復旧すれば今の通院問題は解決するのでしょうか?そもそも(大変とはいえ)平坦なウトナイ湖バス停の乗り継ぎさえ困難な方が、果たして浦河駅まで歩き、国道から跨線橋を越えて階段を使い列車に乗れるのでしょうか?そういうことも含めて、本当に地域が求めている交通網はなにか、地域が利便を感じる交通網は何か、そして、沿線の事業者がこの先も路線を維持することが可能な方策は何か?本当に真剣に考えなければなりません。

不満が出たから場当たり的な交通機関を創れば、既存の交通機関は壊滅します。このままではどんな形であれ、地域はバスすら残らない危険な状況になりかねない。そんな危機感がまるで記事からも感じられないのが不思議であります。

 

関連の過去の記事:
何も決められない日高線沿線で起きていること
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=441
代行バスに「乗ってみた」記事が今になって新聞に掲載される異常さ
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=904

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 日高線

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