北海道の交通関係

留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた

2020/09/08
いやぁ、自分でもマニアだなぁというか、やっぱり「見たい」「確認したい」という誘惑がそうさせるところがあります。平日の折角の休みを全て留萌線の確認に行こうというのだから。

当サイトでは以前から何度か留萌線を訪れています。その中でも興味深かったのが「函館線接続バス」であります。深川始発で滝川方面に通学可能な列車が増発された2018年、留萌線沿線からもこの列車に乗り継げるよう地元の要請を受けてJR北海道が設定した接続バスです。
このバスの設定について、地元は「バス転換の契機になることへの警戒感」なる言葉でJR北海道を批判しました。地元にしてみれば通学用の列車を増発して欲しいという話だったのに、バスでの運行とされたことで批判したものです。しかし、留萌線の線路設備、信号設備的に定期列車のわずか15分程度前に列車を設定することはできないこと、そのための車両を融通することも難しく、秩父別の地元貸切バス会社への依頼で毎日の貸切運行という形での増発となりました。
設定直後、私も現地でこのバスを見て記事にしています。

 

North-tt
留萌線「函館線接続バス」を見てきました
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=298

ここで運行に従事していた秩父別町の貸切専業業者悠観光バスは2019年7月に道路運送法違反などを繰り返したとして貸切バス事業許可を取り消されています。その後提訴したという話は報道にありましたが、現在の事業状況ははっきりわかりません。


改めて留萌線「函館線接続バス」を見る

訪問したのは8月26日水曜日になります。北海道の短い夏休みは新型コロナウイルスの影響でさらに短くなっており、この日は通常登校日と思われます。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
石狩沼田駅に掲示されている「通学バス」の時刻表です。2018年の開始当初から比較すると10分繰り上がっており、接続に余裕を持たせています。利用対象者は石狩沼田・秩父別-深川の定期券所持者のみとなります。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
石狩沼田駅に出発の約15分前に配車されたのは沼田町の貸切バス会社明日萌観光バスの大型バスでした。明日萌観光バスは車両12台をもち、恵庭に営業所を持つはずです。地元では乗り合いタクシーも運行する会社になります。

留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
続々と車で送りられ、自転車で高校生が集まります。6名を乗せたバスは定刻に発車し秩父別駅へ。ここでも5名が乗車します。バスダイヤには余裕があり、定刻に出発します。

留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
深川駅到着は7時15分ころ。定刻に10分ほど早く、実際ダイヤに余裕があります。多分冬期でも安定した時刻で運行できるものと思われます。


なお、深川からは7時30分の旭川行き普通列車にも公式的にはともかく接続は可能。バスからの乗り換えがあったかはわかりませんが約50人が乗車。7時41分の岩見沢行きにも約50名が乗車しています。これは前回調査より多く、生徒数が増えているというわけでもないと思われますが、沿線の空知中央バスが新型コロナウイルスでの利用客減少で休日ダイヤでの運行を行っていることも背景にあるのかもしれません。

深川7時49分着の留萌線の定期列車も見てみましたが、こちらは35人程度の下車。これは前回の調査が61名でしたので大幅に少なくなっています。こちらの要因はわかりません。同様に沼田町・秩父別町からの空知中央バスも休日ダイヤのため通学時間帯の運行が行われておらず、バス通学生は皆無になっているはずです。それでも列車通学がこれほど減ったのは深川市内の高校での何らかのイベントで通学生が半減していた可能性はあるかとは思います。


留萌線踏切全部見てきた

さて、早朝に深川に来ましてこれだけで帰宅するのもなんですので、以前からやりたかっら、留萌線内の線路設備の調査、特に踏切名称の確認を行ってまいりました。


作成しました各踏切、設備にピンを打っていますので、それをクリックすると名称、写真を表示します。

そのうち一部を紹介しますが、留萌線の踏切は「旭川留萌線踏切」と名の付く踏切が多いことが伺えます。これは地方費道37号旭川留萌線、国道整備前はこの名称の踏切が交差する道路が旭川と留萌を結ぶ重要な幹線だったと考えられるわけです。多くの道路は現在では農家が耕作場所への移動に使用していたり、廃道に近い状況になっていますが、これを辿るのも、当時の道路事情に触れるという意味があるかもしれません。

さて、その中でも険しそうなのが第8旭川留萌線踏切から第9旭川留萌線踏切の区間です。鉄道路線はタコの頭のような大きなカーブを描きトンネルを使用して越えていく峠道です。このカーブは石炭を大量に積載した貨物列車が走るにあたって勾配を緩和する必要があることで設置されたものと考えられます。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
対する、旧地方費道旭川留萌線は赤色のルート。多くの場所は廃道化しており、特にこの2つの踏切間は通る車も人もほとんど無いものと思われます。道路としては誰が管理しているかはわかりませんが、一部区間は電線が通っておりますので電力会社、通信会社のメンテナンス道になっている可能性もありましょう。この道路も美馬牛峠を経由する国道新設、道道改良などがあり、現在は車では直線的な通行が可能です。

●第8旭川留萌線踏切
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
道道側からそれほど奥まっておらず訪問は容易です。奥に林業などの作業に使用する道路が枝分かれしているため全く車通りが無いわけでもないようで、奥も轍は見えています。なお、1種踏切で遮断機も設置されていますが、冬期は通行止めとなります。JRが設置したトレーラー横断注意の看板がありますが、もとより大型トレーラーの通行ができるような道ではありません。しかしながら、過去にはこの道が幹線道路だったわけですから、ある程度の大型車両も通行できた時代もあるのでしょう。

●第9旭川留萌線踏切
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
こちらは残念ながら道道からかなり分け入った先に踏切があります。列車から見ていますと、踏切があれど道が見えない、薮の中の道路を行かねばならないと、もう、覚悟の上で訪問しています。
道道側から入りますと留萌川の橋がかかるところまでは作場への作業車が入るようで普通に走行可能。その先は薮の中です。轍はありますし、電柱は道路脇にありますので、最低限の管理はされている道路とは思いますが、薮は濃くなるばかり。ここは車両を乗り入れず(転回できない可能性がありますし)道道から徒歩で訪問しています。熊の出現におびえ、熊鈴鳴らし、ラジオを大音響で鳴らしながら行きます。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
無事に到着。踏切自体は遮断機もある第一種で、ここまでJRのメンテナンスの方が来られるようで踏切の周りだけ広く場所が取られています。今までの道路と全く違いますし、ちゃんと草も刈ってありますのは、過去に留萌線では4種踏切でのクルマと列車の衝突事故があった原因が草によって踏切が見えなかったことに対する批判があるのでしょう。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
踏切が鳴り出したことにびっくりしました。列車の時刻は確認していませんでしたが、留萌側から列車がやって来ました。遮断機も警報器も正常に作動しているというのは、しっかりこんな道でもメンテナンスが行われているということです。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
残念ながら踏切を渡った先は薮の中で轍もはっきり確認できません。とても踏み込める感じではありませんし、しばらく車が入ったような感じもありません。


廃止踏切

留萌線には4種踏切(警報器も遮断機もない踏切)が今も設置されている上、耕作車両の通過のためと思われるJRが設置したものでは無い踏切(勝手踏切と称す)も数カ所存在します。4種踏切など通過台数の少ない踏切に関してはJRから地元自治体に対して廃止の提言が行われていますが、近隣住民からの反対などもあってなかなか進んでいないのが現状のようです。

そのなかで留萌線の廃止踏切をいくつか見ていきます。

●神社道路踏切
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
大和田-藤山の間にある、国道から見える踏切でした。現在はポールによる封鎖が行われており通行はできません。
この踏切は以前は4種踏切であり、国道から藤山八幡神社への通路、また、作場への通路として使用していたものと思われます。
2017年6月にこの踏切で、通行中の貨物自動車と列車が衝突し、車はそのまま引きずられるように隣接する富士川橋梁から川に転落、車の運転者が亡くなるという事故が発生しています。

 

国土交通省
鉄道事故調査報告書
https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2017-9-1.pdf

JR北海道は2018年3月29日(この踏切は冬期通行止めと思われ、実質的には2017年12月)をもってこの踏切を閉鎖しました。また、全道75箇所の4種踏切手前での気笛吹鳴標識の設置を行っています。

●幌新一部線踏切
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
恵比島-峠下の間にありますが、ほぼ恵比島駅構内と言っても良いような場所になります。この踏切は踏切名称も不明で、沼田町のサイト等でも踏切廃止についての記載を見つけられません。2017年には既に廃踏切だったかと思いますが、警報器、遮断機もある第1種踏切の廃止は珍しいように思えます。以前は警報器が残っていたようですが、今は遮断機の部品以外は外されているように見えます。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
線路際にある踏切制御用のボックスは残されており、ここには幌新一部線XKという記載がありましたので、この踏切を幌新一部線踏切と推定しています。

なお、道道からこの踏切があった先は「幌新一部」地区ですが、昭和42年までは小学校もあった集落で、現在は農家が数戸、それも道道達布石狩沼田(停)線が整備されていますので、この道を使うのは作場への耕作機械だけと思われます。ゆえに踏切の利用は皆無となり廃止になったのではないかと思われます。


勝手踏切

あくまで俗称で、JRが直接管理していない、地域の方が非公式に線路横断する場所や耕作地への移動のために使われている「線路横断しているらしい場所」をさします。撮影は道路側でここでの線路横断は行っていません。

●秩父別駅付近
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
秩父別駅近くの集合住宅の脇に踏み跡がありまして行ってみますと、奥に家庭菜園のような耕作地があって、どうもここから横断しているように見えます。このあたり国道の秩父別跨線橋を渡らなければ線路を渡ることはできませんので、そういう需要ももしかするとあるのかもしれません。

●幌糠駅付近
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
幌糠駅は国道と反対側に駅本屋があり、国道側からの利用はあまり利便が高くない面があります。国道側から見ますと、ちょうど渡りやすそうな場所にJR北海道の線路内立入禁止の看板があります。もちろんJR北海道としてはここを横断することは止めて欲しいはずです。
留萌線通学バス確認と現役区間全踏切を訪問してきた
すぐ近くの 四線川橋梁にはちょど屈めば潜れる通路になっているような場所がありました。潜りますと国道側に到達します。こちらも正式な通路では無さそうですが、下草は刈ってあり、地元の通路として使われているのかもしれません。
この付近、駅側の方が旭川留萌線そのものの道路であります。ですので、当時駅は幹線道路に向いていた。その後国道がバイパス的に駅裏を通るようになり、さらに山側に自動車道が通ることになります。
その深川留萌自動車道が幌糠止まりだった頃は、自動車道出口から四線道路踏切を渡り道道幌糠小平(停)線へ抜けるのが羽幌方面への短縮路になっていました。このあたりの入り組んだ道が幹線道路のような通行量があった頃は地元の方大変でしたでしょうね。

さいごに

全ての踏切は紹介できませんが、残念なのは留萌-増毛の踏切に関してはほとんど調査できていなかったことです。もし踏切名称、深川からの距離を記載している踏切名称を記載した板、写真など撮られている方、教えて頂けますと幸いです。また、深川-留萌においても名称のわからない、看板が設置されていない踏切が2箇所、また、深川からの距離記載のない踏切もいくつかありますので、その踏切(過去には多分名称表示の板があったと思われる)を撮影されている方がおられましたら教えて頂けると嬉しいです。

カテゴリ: 北海道の交通関係 JR北海道 留萌線

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